原発議事録とらなかった官僚
とても信じられない政府の原発事故対応の数々。政府の原子力災害本部は、事故発生から昨年末まで23回に及ぶ重要会議の議事録をまったくとっていない。何事も文書にして残す役人達が、これだけの事故に遭って何の記録も残さないというのは、先の大戦で終戦直後、「機密文書を一切焼却せよ」と指令した大本営の亡霊に通ずる感覚が今も生きていると感じた。つまり責任追及を逃れるため証拠隠滅を謀ったのだろう。しかし原発事故は敵味方を超える全人類史的な出来事だ。不幸なこととはいえ、多くの犠牲を伴った体験は貴重なものである。なぜ議事録を残さなかったのだろうか。
無理な除染を知って従う農民の哀れ
除染を2014年3月完了すると発表する環境省のハッタリもすごい。年間50ミリシーベルト以下を優先するものの50ミリシーベルト超の計画は示せない、にもかかわらず「完了」とは。
疑問を持ちながらも除染行っている福島県の農民の人の話を紹介したい。
「今、福島で果物の木を高圧洗浄しています。農協はそういう形で作業費を農民に支払っています。でも軟らかいふかふかに作ってある土の上で脚立に上って高圧のホースを扱うって大変なんです。結局、木についている放射性物質を土に落としているのですから木はまた吸い上げるでしょうね。私たちもそのことを分かって無駄だと思いながらもやらされています。日和見と農民を言わないでください。何かをしていないと気が狂ってしまいそうです。減染も集染も結局は移染なんです。ここにあるものをどこかに移すだけ。考えていると吐き気がしてきます。肥料に混ぜているんだって放射性物質の怖さを本当に分かっていないんです。国が知らせないから。滅びの国ニッポンに滅ぼされるフクシマ、殺されながら生きてるわたし達・・」
元々電力は余っている・・
去年とは打って変わって枝野経産相が別人のように「今夏は原発ゼロで乗り切れる」と見通しを話す。去年の夏、15%の電力削減義務を課され電力使用制限令が出された。企業では夏休みを返上し増産。電力削減を乗り切った。また自家発電設備を購入したためかなりの金額を使い大変な苦労をしたという。それが一転、今年の夏は原発がまったく稼働してなくても電力削減義務がなくなる可能性がある。昨年の努力は一体どういうことだったのかなと非常に不満があると語る経営者。
そもそも資源エネルギー庁が発表した夏のピーク時の電力需要予想が、ずさんなものだった。たとえば一般家庭で、業務用並の大型冷蔵庫を保有していることになっていたり、大型エアコンを留守中もペットのために使用することになっているなど。
さらに今年の夏についても政府の試算では全原発が停止した場合、ピーク時で9.2%の電力不足になると公表しているが実は最大で6%もの余裕があるという別の試算があった・・。
聞けば聞くほど、でたらめ三昧の原発行政。まったくあきれて言葉が出てこない
【写真】除染作業をする福島県飯舘村公民館(毎日新聞)
「原発全停止でもこの夏乗り切れる」 枝野大臣。原発無しで元々大丈夫なのだ。
不滅の動画:小出裕章氏(京大)「原発なしでも電力足りてる」 http://youtu.be/PLJVLul6Wz0