ジャーナリストものの映画では、ES細胞捏造事件に果敢に向かっていった『提報者』(韓国)が傑作だっただけに『ボスニア戦線』もきっと、と期待したが・・
1997年スペイン・フランス・ドイツ・アルゼンチン4カ国による作品。旧ユーゴスラビアの分裂の抗争の一つ「ボスニアーヘルツェゴヴィナ戦争」を取材するスペインのテレビ報道クルーたち。
女性ジャーナリスト、ラウラが放送機材を持ち紛争の現地サラエボに到着するところからストーリーは始まる。
現地の報道スタッフは、戦場での劇的なシーンをとにかく狙って撮ることでビジネス的な快感を求めているようにさえみえる。使命感というより快楽追求、享楽的といった感じだ。新入りの女性レポーターには冷ややか。それでいていつしか理解しがたい安易な同僚間のセックスに・・。
作者の意図がよく分からない映画でした。一般市民を巻き込んでの激しい戦闘シーンは迫力がありました。実際の市街戦はこのようなものなのだろうと思う。しかし報道記者としての眼が、特ダネ(名誉・金)目当てのいやらしいスナイパーのようで好感がもてない。内容的には悲惨な市民の姿や戦闘場面以外は少しも感動しない作品。ちなにみカメラは日本製、SONYだった。
100点満点中50点。
【戦場レポート】ボスニア内戦~民族紛争の真実~