ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

『私は無罪です』

2010年10月10日 | 研究・書籍
本書は、9月30日発行となってはいますが、実際の原稿締めは、
週刊朝日編集長が書いた「まえがき」の日付8月20日頃と思わ
れます。まだこの時点は、郵政不正事件での前田主任検事
による証拠(FD)改ざんが明るみに出る前の出版ということに
なります。

その「まえがき」では、
「この本は、正直言ってあまり売れないかもしれないと思って
います。しかし、出版人の良心として、赤字覚悟で、あえて出す
決断をしました」とあります。
今回の捜査を、検察の真の姿を、世に問うというジャーナリスト
の使命感が伝わってきます。そして9月10日の判決を前に、本書は
すでに村木厚子さんの無罪をはっきり確信していました。

それにしても村木さん、上司の塩田部長、部下の上村係長、双方
から「指示あり」の供述で責められ苦しい状況がつづきました。
村木さんが留まった大阪拘置所は独居2畳半、24時間カメラ監視下
冷房設備はなく真夏は40度近くの中、精神的にも肉体的にも耐え
なくてはなりませんでした。
勾留中に読んで元気づけられたのは米国作家の小説の主人公の言葉、

「人生には災難や、まったく身に覚えのない罪を着せられることが
ある。しかしその経験を自分にどう取り込むかは自分次第だ・・」



証拠改ざんは、組織的な犯行だと思われます。そもそも民主党の石井一
議員を罠にかけようと最初に画策したのは、一体何者なのか?この点が
解明されない限り「村木無罪判決」「証拠改ざん事件」だけで終わらせ
てはならないでしょう。

地に落ちた特捜検察の中で、正義を貫いた検事、塚部貴子さん=写真=
の存在を知り、ほっとした気持ちになりました。

にほんブログ村 雑感


私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日
今西憲之,週刊朝日取材班
朝日新聞出版

このアイテムの詳細を見る
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5分間のTV文学館  | トップ | 板倉町の合併選択肢 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

研究・書籍」カテゴリの最新記事