明日10月14日は明治神宮の御本殿で例年執り行われる「人形感謝祭」の日です。すでに20数年来執り行われている恒例の祭事となりました。
当日には各地から、それぞれご家庭で大切にされてきたお人形さん、ぬいぐるみ、おもちゃなどがご本殿まで持ち込まれ、お人形へ感謝しながらお払いを受け魂を抜いて、旅立っていくというお祭りで、仏教のお寺さんで執り行われるところの「人形供養」にあたりますが、神式なので「感謝祭」と呼ばれています。日本人の文化の一面に触れるといえばよいのか、とても不思議なことは「人形」という言葉ひとつでも持ち込まれる人形は市松さんやお雛様に限らす、ぬいぐるみ、キャラクター、海外の風俗衣装人形、こけしやだるま、土人形に木彫りなど顔のあるものなら際限なくあります。西洋の文化圏ではお人形とおもちゃははっきりと区別され、顔があっても玩具は玩具というすっぱりとした考えがあるように思われますが、顔のあるものを単なるごみとして捨てたりしないで、大事に感謝祭や供養をするというのは日本人独特なものではないかと思うのです。
当日お払いを受け、魂を抜かれたお人形さんたちは、旅立っていくのですが、その中から、これは後世のための資料として保存すべきものは日本人形玩具学会の人たちで選定して、保存し、そして画像のように「思い出人形展」として「感謝祭」に合わせて展示公開されます。
私も20代から30代にかけては毎年、感謝祭の資料の選定に参加させていただいていましたし、「人形展」の展示準備もさせていただいていたのですが、その後勤めが忙しくなり、休日もヘトヘトでお手伝いから久しく外れていましたが、今年久しぶりにお手伝いに参加させてもらっています。 画像は昨日のまだ公開前の展示準備の風景です。ほぼ出来上がったところです。本当に久し振りですが、お手伝いのメンバーの方々は昔と変わらぬ、顔見知りの方ばかり、変に緊張することもなく作業できる楽しさ。そして一歩室外へ出れば、神宮の森の木々の香りに鳥さんたちの声、時間を忘れてしまうようです。
最近は家庭の事情で遠くへ出かける機会もなかったのですが、東京でもこうような環境のなかで作業に没頭できるというありがたさ、、、しみじみと感じました。
明日は感謝祭の当日で私も久しぶりに選定係のひとりとして腕章をして会場に立っています。「人形展」はご本殿の東側の社務所の一階で催されていますのでお近くの方、是非ご覧になってください。(拝観料は無料だと聞いたような、、、。)