東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸人形「相撲の毛人形」(明治時代?)

2011-01-12 21:24:58 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1011261 画像の毛人形(毛たたき人形とも)について、今戸人形とすることには賛否あることかとも思いますが、今戸焼の周辺で作られていたものであるかと思うので今戸人形の仲間としてとりあげたいと思います。

画像の人形には素焼きされているものと焼かれていない生土のものとがあります。今戸の土人形は今戸焼から生まれたもので素焼きした木地に泥絵具等で絵付けしたものですが、実際に残っているものの中には素焼きされていないものもあり、手間を省いたものや窯を持っていなかった人が作ったのではないかと思われるものもあります。聞くところによると、窯を持っていなくても七輪で焼いたというケースもあったそうです。更に干しただけで全く焼かないで絵付けしたケースもあったようです。

そんな訳で、人形に限っていえば、焼かれていない今戸人形も実在し、その周辺の一文人形やこの毛人形などの際物と今戸人形との厳密な境界線をひくかどうかは人によって見解が異なることでしょう。少なくても隅田川の周辺の土で作られていることは共通しています。

画像の毛人形には肝心の毛が失われているのでピーンとこないかもしれませんが、嘗てはシュロの毛の袴を履いていたと思われます。2枚目の画像の山本松谷(明治3年~昭和40年)による明治の子供遊びの石版画をご覧いただけば、どのような形状でどうやって遊んだかはおわかりいただけると思います。人形たちを立てた台面あるいは床面をトントンと叩いて戦わせ、倒れなかったほうの勝ち、あるいは紙などの土俵の上で取り組ませて勝負をします。画像のような力士や行司の姿の相撲の他、剣士姿や桃太郎と家来の姿のものもありました。

毛人形は京都のほかよそにもあったようです。人形本体が土ではなくて、練り物や張り子のものもあったようです。十数年前、北京の街中で、京劇の姿の毛たたき人形が売られているのを目にしました。

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2 コメント

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面白いですね。干しただけの土人形はひび割れしな... (都月満夫)
2011-01-15 14:56:47
したっけ。
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都月さま (いまどき)
2011-01-16 22:17:33
コメントをありがとうございます。
おっしゃるとおりです。素焼きしていない生土の人形は脆くてすぐ摩耗したり壊れてしまいます。
そのため、こうしたものはなかなか後世まで残るものではなく少ないのではないでしょうか?
また、素焼きしていないものは遺跡などから出土されることもないでしょう。「一文人形」といって鐚銭一文で売られていたという人形が話では有名ですが、これなど子供が自分の小づかいで買うことのできたものらしく、手間が最小限に省かれて作られたということです。焼きが入っていなものが少なくなかったようです。毛人形もそうした仲間なのかもしれません。
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