厚狭・鴨橋の架け替え工事がはじまっておよそ2年。先月末、田舎へ帰ると新しい鴨橋がほぼ完成していた。86年間、町のシンボルとして町民に親しまれてきた旧鴨橋とは比べものにならないほど、新鴨橋は無味乾燥としていた。軽く見えるのは、PC鋼材に吹き付け塗装仕上と機能重視でつくられているせいだろう。予算の関係もあるだろうが、もう少し工夫はできなかったのか。以前の雰囲気を残そうとしたところはわからないでもないが、真似ればよいというものでもないだろう。2010年7月の厚狭水害で商店街が殆ど姿を消してしまい、寂しくなった”まち”だからこそ、もっとアイデアがほしかった。
昨年1月、解体中の鴨橋を撮った後、父の容態が悪化。同年9月、86年間の役目を終えた鴨橋と時を同じくして、父もまた86年の生涯を終えた。新しくなった橋を見つめながら、いつしか父と過ごした幼い日の”まち”が蘇ってきた。もうその姿はないが。
撮影日:2015年11月22日
水害対策で、橋脚は4本から2本へ
もうすぐ完成
ここに旧鴨橋の親柱が 合わないなぁ
街灯は昔のデザインを模して
急こう配!
橋の高さは1m高くなって(こう配が発生)
商店街の面影はなく
最後の姿(2014年1月撮影)
《関連資料》