枯葉剤の原料である「245T剤」が全国の山中に埋設されたままになっていることを、NHKおはよう日本・特集「枯葉剤原料 全国の地中に今も」で取り上げていた。もしやと思って見ていると、五ケ山ダムで那珂川市の職員が取材に応じていた。那珂川市や福岡市の水源となっている五ケ山ダムの近く、脊振山中に245T剤が埋設されていることを説明していた。同市の職員は、豪雨によって245剤が漏れ出し、ダムの水が汚染されることに危機感を募らせていた。(この映像は貴重だ)那珂川市は2年前からダムの水質調査を行っているとあったが、福岡市では五ケ山ダム事業が採択された後(平成4年)から周辺の水質調査を行っている。
放送によれば、先月、脊振山中の埋設現場に国(林野庁)が調査に入ったという。これは初耳だった。掘削・撤去を想定し、成分分析など技術的な検討に入ったという。毎年、那珂川市や福岡市などは、国に245T剤の撤去または無害化処理の要望書を提出しているが、これまで国は動かなかった。それが突如、動きはじめた。もしかして、静岡の土石流災害が引き金になったのだろうか?
それにしても、放送終了直後からブログへのアクセス数がすごいことになっている。(全国ニュースの影響力は凄まじい)おそらく枯葉剤埋設問題をNHKが全国放送するのは初めてではないだろうか。そういえば、2年前、NHK国際放送局のディレクターの方から脊振山中に245T剤が埋設されていることについて、取材の申し入れがあったが、ゴーン事件でドタキャンになった。その際、地上波でこの問題を取り上げるのは難しいだろうと言われていたのだが、、
※一番下に「ザ・ライフ(The Life)で放送」を更新しました(2022.1.20)
※ザ・ライフの放送はこちらで確認できます。(2022.1.23)
12月28日放送、NHKおはよう日本・特集「枯葉剤原料 全国の地中に今も」(見逃し配信:1月4日7時45分まで)
埋設量は全国およそ26トン
(このあと熊本県芦北町の埋設現場近くで土砂災害があったことを伝えている)
全国の埋設場所はこちらで確認できます。
もう一つの事例として紹介されたのが脊振山中の埋設現場
五ケ山ダムサイトから埋設場所を説明する那珂川市職員
撤去していただきたい、、
脊振山中の埋設現場に入る佐賀森林管理署の担当者
(ここでNHKは、年2回定期検査をして安全な状況を維持してきたと国の言い分を伝えているが、実際には目視のみ)
柵の中に入って検査はされていないような、、
(ここでNHKは、自治体の要望を受け、先月、国は動き出したと伝えているが、自治体からの要望書は数十年前から出し続けられている。ちなみに、那珂川市(旧那珂川町)は30年間、福岡市は24年間)
お、遅い、、 (今後の動きを注視しよう)
《The Lifeで放送 2022.1.20更新》
1月21日、NHKThe Life(九州限定)で「おはよう日本・特集」の長尺版が放送されます。ベトナム戦争と日本企業の関係についても取り上げられるようです。
NHKThe Life「誰も知らない 日本の“枯れ葉剤”」2022年1月21日(金)午後7時30分から
1月20日、この「NHKおはよう日本・特集 ~枯葉剤原料 全国の地中に今も」(21年12月28日放送)がNHKWEB特集に掲載されました。しばらくの間、閲覧できそうです。