福岡市の感染が止まらない。12月のクラスターの発生件数(25日現在)は23ヵ所となり、過去最多だった8月の22ヵ所を抜いた。中旬以降はクラスターが発生しない日がないほどで、18日の感染者数は過去2番目の102人上り、歯止めがかからない状況になっている。それとともに重症者の数も増えており、県発表の病床稼働率も急増中で入院調整が難航する恐れも出てきた。
市内の中洲地区では、約40人いるスタッフの殆どが感染し、客も含め50人の大規模クラスターが発生している店がある。同地区では、8月にもクラスターが相次いでいたが、ここまで大規模なものはなかった。こうした中、福岡市は、市役所敷地内に西鉄バス車両を活用した、PCRセンター「天神サテライト」を開設した。接触確認アプリ「COCOA」で通知を受けた人や、感染拡大地域の希望者を対象に検査をしている(事前予約要・費用無料)。中洲地区を対象とした検査については、当初、21日から23日までとしていたが、延長を求める声が多く、25日までとした。検査には中洲の飲食店で働く人が多く訪れているという。
福岡県は12日、「福岡コロナ警報」を発動した。しかし、その後も感染者の増加に歯止めがかからない状況で、23日には156人と過去最多だった7月31日の169人に次ぐ多さとなった。そのため、県は24日、人の移動や会食の機会が増える年末年始について、不要不急の移動はできるだけ控えるよう県民に求めた。一方、県内最大の感染者が出ている福岡市の高島市長は「爆発的な市中感染は起きていない」として、移動の自粛は呼び掛けていない。いや、起きてしまってからでは遅いだろう。福岡市では、今、感染経路のわからない人が急増しており、市中感染の様相を呈している。もう時間の問題かもしれない。
《シェアハウスでクラスター発生 24ヵ所に 2020.12.27.11:20更新》
26日、福岡市は98人の感染を発表。うち30代以下が61人を占め、小中高生が6人。西区のシェアハウス「Discovery Meinohama South」では入居者17人の感染が判明。市は新たなクラスターの発生を認定。シェアハウスは、キッチンや風呂、バーなどが共用で、19日に開いたパーティーには外部からの数人を含めて20人程度が参加したという。これで12月のクラスターは24ヵ所に。(下表には記入していません)
・新型コロナ、福岡市のシェアハウスで17人感染(西日本新聞 2020.12.27)
12月25日現在の福岡市クラスター発生状況 ※西日本新聞の情報をもとに作成しています。発生日は福岡市の発表日です。
23ヶ所のうち飲食店が8ヶ所で最も多く、その次に多いのが民間会社 (業種別ではコールセンターが多い)
第2波以上の波になるのか、、
感染経路不明者の割合が上昇中
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