陥没事故から早いもので1年3か月が過ぎた。最近は殆ど報道されることもなくなったが、現在、現場では再掘削に必要とされる地盤改良のための準備工事が行われている。道路工事などでよく見かける覆工板を設置する工事で、2月末まで行われる予定となっている。
そこで、大成建設が毎日更新している「路面沈下計測状況」を見てみると、今月に入ってから路面沈下量が大きくなっていた。そもそも、このモニタリングは、陥没事故から2週間後、埋め戻した場所がふたたび沈下したことから、路面状況の変化を把握するために始められたもので、薬液注入による地盤改良が終了した後(2016年12月28日)は、平均1~2ミリ程度の沈下量で推移していた。ところが、覆工板設置工事が始まった先月末以降、沈下量に変化が現れた。
沈下量は最大9ミリ、これはこれまでで最高の数値。(建築的には致命的な数値)気になって、昨日、大成建設に確認をしてみたところ、覆工板の下にあるゴムが、このところの寒さで収縮したことによって起きている現象であり、心配することはない(気にしていない)とのことだった。調べてみると、覆工板下部のゴムパットの厚みは10ミリある。これまでも気温の変動によって、1~2ミリ程度の沈下はあったので、それを考慮するとゴム自体の収縮は8ミリ程度ということになる。果たして、これほど縮むものだろうか。
昨日は気温が一気に上昇し(最高気温14度)、春一番が吹いた。そんな中、今日(15日)の沈下量は平均3ミリ、最大9ミリと平均沈下量が微増。大成建設は「心配ない」と言い切っていたが、誰も陥没個所を見ていないのだから、そこで何が起きているかはわからない。それゆえ、今後も路面の状況を注視していきたい。
覆工板設置作業の様子(2018年1月31日現在 福岡市交通局資料より)
覆工板詳細図(縮んだのは赤丸印のところ)
《関連資料》
・福岡市交通局。地下鉄七隈線延伸建設工事における地盤改良工事の状況について(2018.2.1)