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南畑バイパス建設へ 令和11年度完成予定

2020-09-30 08:40:20 | 五ケ山ダム

福岡県と佐賀県を結ぶ国道385号線にバイパス道路ができる。その名も「南畑バイパス」。今月25日の西日本新聞が報じていた。それによると、8月下旬、那珂川市の武末市長や地元住民による「南畑バイパス道路建設促進期成会」が発足し、今月25日に建設予定地周辺の住民に対し説明会が開かれるというものだった。記事にバイパス区間が記されていたので、現調を兼ねて久しぶりに五ケ山へ行ってみることにした。(五ケ山ダムや五ケ山クロスの近況報告は次項で)

帰宅後、福岡県のホームページを調べると、令和2年度の新規事業として「南畑バイパス」の内容が公表されていた。県土整備部の資料によると、「南畑バイパス」は、福岡市水道局取水場北側付近(那珂川市大字市ノ瀬)から南畑ダム(那珂川市大字五ケ山)までの2.8キロ。事業費は76億6千万円、完成予定は令和11年度となっていた。バイパス建設に関しては、昨年、那珂川市から要望書が、また平成25年から継続して、福岡都市圏行政推進協議会などから提言書が県に提出されていた。どうやら周辺自治体にとって長年の懸案だったようだ。那珂川市の武末市長も9月議会の所信表明でそのように述べている。(私は初耳だったが)

事業の必要性として、まず、事業区間の現道は、山間部で幅員が狭い上、カーブも多いため交通事故が多発していること。また、緊急輸送道路(九州道代替ルート)にも関わらず、近年の集中豪雨による土砂災害でたびたび交通規制が発生していることなどが挙げられていた。バイパスが整備されることで、安全で円滑な交通が確保され、緊急輸送道路の機能が強化される。さらに、那珂川市が五ケ山ダムの周辺で展開しているアウトドアを中心とした観光振興にも寄与するとしている。いずれにしても、五ケ山ダム建設以来の大工事となる。

工事期間は9年となっているが、もしかするとそれ以上かかるのではないだろうか。まだ図面が公開されていないので、どういうルートになるはかわからないが、現場は那珂川上流域で、筑紫耶馬渓(釣垂峡)と呼ばれる山間部である。県土整備部の資料にも書かれているが、平成21年の九州北部豪雨では、このあたりで大規模な法面崩壊が発生している。工事は危険と隣り合わせな状況で難工事も予想される。長年、着手できなかったのはこうした理由もあるのではないだろうか。何はともあれ、かつて伊能忠敬が測量した「肥前・筑前街道」は、200年以上の時を超えて新たな歴史を刻むことになる。

 

 

国道385号線を辿る(撮影日:2020.9.29)

バイパス終点あたり(福岡市水道局南畑取水場北側) ※現調の起点

 

 

 

 

福岡市水道局南畑取水場

 

 

 

 

福岡市南畑取水ダム  ここから水は高宮浄水場(南区)と夫婦石浄水場(早良区)へと送られる 

 

 こちらは取水経路図(福岡市水道局資料)※参考まで

 

 

那珂川上流域のはじまり このあたりから登りが続く

 

 

 

 

登り詰めたところ  ほぼ直角に右折、橋(写真左)を渡りトンネルへと続く もしかして新たなルートはここを直進する?

 

 

 

 

このあたりは筑紫耶馬渓の絶景スポット(南畑公園近く) もしかしてバイパスから一望できるようになる?

※ちなみに昔は「釣垂峡」といっていたが、大分県の耶馬渓と対比して「筑紫耶馬渓」と呼ばれるようになった

 

 

 

トンネルを抜けてから南畑ダムまではカーブが続く 

 

 

 

 

バイパス起点となる南畑ダム(写真左) ※現調の終点 

 

 

 

 

南畑バイパス区間(福岡県資料より)

起点から終点まで2.8kmの所要時間は6分、 バイパスだと3分になるらしい

 

 

 

《関連記事》

国道385号バイパス始動 那珂川市山間部 県が測量調査へ(西日本新聞 2020.9.25)

 

《関連資料》

福岡県HP。令和2年度新規事業着手箇所について(県土整備部)(2020.9.28更新)

 


STAY HOME~ふたごのピオーネ

2020-09-22 16:09:22 | 日記

4連休最終日。いよいよ連休も今日までだが、全国の観光地は大勢の人で溢れ、高速道路も大渋滞となっているようだ。昨日、ツイッターに立山雷鳥沢キャンプ場のトイレ待ちの写真が入ってきたが、怖ろしくなるほどの人、人、人。キャンプ場に956張りとか。北アルプスの涸沢キャンプ場では850張り。観光地のみならず、どの山も登山を我慢していた登山者で溢れている様子。コロナもさることながら、山の環境のほうが気になってしまう。

こちらは人ごみを避けてSTAY HOME。今朝、ブドウを食べようとしたところ、ふたごのピオーネに遭遇。珍しいので写真を撮っておいた。ピオーネはイタリア語で”開拓者”という意味らしく、昭和32年、静岡県の井川秀雄氏が巨峰とカノンホール・マスカットを交配育成し、昭和48年にピオーネと改名され、種苗名称登録されたものだとか。新しい品種とばかり思っていたら、誕生から半世紀近くになる代物だった。と言いながら、そろそろブドウも終盤。これから季節は秋へ、いやはや2週間後はどうなっていることだろう、、

(明日からGo to 介護)

 

 

ふたごのピオーネ! ぴったりくっついて、、(スマホで写真を撮った後、すぐ相方が食べてしまった、、) 

 

 

 

 

 

雷鳥沢キャンプ場  テントがくっついて、、 (20日16時 @sugibon1さんのツイッターより)

 

 

 

 

雷鳥沢キャンプ場 トイレ待ち風景  くっつきすぎかも、、(21日5時30分 @tryouichiさんのツイッターより)

 

 

 

 

涸沢テント場 850張りの明かり (20日夜 涸沢ヒュッテface bookより)

 

 

 

 

涸沢テント場 3年前を思い出す、、今年は紅葉が遅いよう (21日5時53分 涸沢ヒュッテface bookより)

 

 

 

 


台風10号の勢力を弱めたのは黒潮だった! <21日正午、台風12号発生>

2020-09-21 14:29:49 | 災害

昨夜(20日)のNHKニュースが目を引いた。今月5日から7日にかけて九州西海上を北上した台風10号の勢力が強くならなかった要因に、本来、暖かい海水を届ける黒潮が関与していたという。先行した台風9号がかき混ぜたことで低くなった海水を200キロ以上も広げる役割を果たしていたというもの。九州大学応用力学研究所の広瀬直毅教授の解析よって判明した。なんと、一時的に暖流が寒流になっていたというのだ。食料品や飲料水を買い漁っていた頃、自然界では信じられないようなことが起きていたのだ。

先日(16日)、気象庁は台風10号の検証結果を発表したが、勢力が弱まった要因については、東シナ海から乾燥した空気が流入したためだとして、多くの専門家が指摘していた台風9号による海面水温の低下については限定的だとしていた。この時、専門家の見解とずれがあったので怪訝に思っていたが、昨夜のニュースで腑に落ちた。

海面水温のデータは、気象庁の台風予報に使われているが、それは数週間分のデータを平均する形となっているため、今回のように短期間で起きる海面水温の極端な変動は組み込むことができないという。つまり、正確なデータが得られない状況なのだ。それゆえ「限定的」と判断していたのではないか。台風のメカニズムに詳しい琉球大学の伊藤耕介准教授は「気象庁はシミュレーションなど活用し、より現実に近い海面水温のデータを把握する仕組み作りに取り組むべきだ」と注文をつけている。確かに、気象庁の情報は不確かなことが多い。

と言っていたら、台風12号が発生した。今後、南の海上を北上し、台風の北側にのびる秋雨前線の活動も活発になるため、24日頃には西日本や東日本に大雨をもたらすおそれがあるという。台風シーズン、まだまだ油断はできない。

 

 

海面水温 -今月2日、台風9号が通過した日- (気象庁資料より)

この時、九州西海上の海水温は30℃だった 

 

 

 

海面水温 -今月5日、台風10号が通過した日-

海水温は27℃まで下がっていた

 

 

 

 

暖流黒潮が低い温度の海水を広めていた、、(20日、NHKニュースより)

 

 

 

《21日正午、台風12号発生》

台風の記事を書いている最中に台風発生、、

 

 

《関連記事》

台風10号 “最大級警戒”も発達しなかった「意外な要因」とは (NHKニュース 2020.9.20)

台風12号ドルフィン発生 連休明けに西日本・東日本で大雨のおそれ(tenki.jp 2020.9.21)

 

《関連資料》

気象庁。令和2年台風第10号における予報の検証(速報)(2020.9.16)

 

《参考資料》

気象庁・台風情報

 


天神ビッグバン事故報告なし?~国家戦略特区 

2020-09-19 08:19:00 | 福岡市政

天神ビッグバン(旧大名小跡地活用事業)のクレーン転倒事故から1週間、福岡市や現場からは何の音沙汰もない。原因究明中とは言え、死者1人という重大事故である。JVトップである清水建設から事故の報告がないというのは解せない。普通では考えられないが、ここが国家戦略特区の現場であることを考えると、そういうこともあるのかと思ってしまう。

福岡市は平成26年、安倍政権時に国家戦略特区「創業特区」に指定され、これまで規制緩和による改革を進めてきた。その象徴となっているのが「天神ビッグバン」であり、高島市長の肝いり事業である。今回、そこで死亡事故が起きた。しかも、目玉となるホテル建設現場である。福岡市としては、大ごとにしたくないというのが本音なのではないか。

そういえば、今から4年前、博多駅前で陥没事故が起きたが、高島市長の第一声は、市民への謝罪の言葉ではなく、「はらわたが煮えくり返っている」だった。最高責任者としての自覚のなさに驚いたものだが、事故現場は天神ビッグバンの延長線上にあって、国家戦略特区に指定されていた。そこに水を差されたことで本音が出た。(今回は無言を貫いているが)この時、埋め戻しの早さが賞賛され、高島市長は時の人となっていたが、結局、誰一人として責任を取ることはなかった。大成建設からは謝罪の言葉はあったが。

菅政権が誕生した16日、高島市長は記者団の取材に応じている。安倍政権を支えてきた菅新総理への期待を口にし、国家戦略特区についても語っている。どうやら、これまで以上に改革を進めていくつもりのようだ。それにしても、記者から事故についての質問はなかったのだろうか。(記事にはなっていないが)何はともあれ、国家戦略特区を推進していくというのなら、事故についてもきちんと報告すべきと思うが。

 

 

16日午後、記者団の質問に答える高島市長  (写真:産経新聞より)

 

 

 

《余談》

先日、書いた記事「天神ビッグバンでクレーン転倒事故」が人気ランキング6位(5719人訪問)になっていた。ブログ開設以来、初めてのことでびっくりした(というか目を疑った)が、これも世間の関心の高さの表れではないかと思うなど。

 

 

《関連記事》

九州・山口の政財界、菅新政権を歓迎 政令市を熟知、地方再活性化期待(産経新聞 2020.9.17)

 

 


秋雨前線活発、九州北部 今夜から大雨に警戒を!

2020-09-17 18:37:00 | 災害

気象庁は昨日(16日)、台風10号(1日発生~8日温帯低気圧)の検証結果を発表した。それによると、当初の予報より勢力が弱まったのは、東シナ海から乾燥空気が流入したため発達が抑え込まれた(水蒸気量が少なくなった)、早い速度で九州西海上を北上したため強い雨の時間が続かなかったことなど挙げている。また、高潮については、潮位偏差のピークが満潮と重ならなかったことで被害が少なかったとしている。多くの専門家が指摘していた、台風9号による海面水温の低下に伴う影響については限定的だったとしている。

何はともあれ、被害が少なくてよかった。気象庁が最大級の警戒を呼びかけたことで、多くの人がいつもと違うことを認識し、スイッチが入ったのは事実だろう。防災システム研究所の山村武彦所長は、「結果として被害は少なかったが、全国で約48万戸の大停電が起きた。全く空振りというわけではない」として、気象庁が最大級の警戒を呼びかけたことを、正しい判断だったと評価している。その上で、今回被害が少なかったことから、次に避難を呼びかけられた人が、避難をしないで逃げ遅れることが心配だと警鐘を鳴らしている。

そう、油断は禁物。台風10号は去ったが、今秋雨前線の活動が活発になっている。今夜には、本州付近に停滞する秋雨前線に向かって、大雨のもとになる暖かく湿った空気が流れ込む。このため、広い範囲で大気の状態が非常に不安定になり、雨雲や雷雲が発達するという。18日昼までの24時間予想雨量は、筑後地方で200ミリ、福岡地方で150ミリ、北九州地方と筑豊地方で120ミリとなっている。今一度、大雨に警戒を。

 

 

今夜から明日にかけて、大雨に警戒を! (tenki.jpより)

 

 

 

 

17日午後9時の天気図 秋雨前線が九州北部まで北上 (気象庁天気図より)

 

 

 

 

こちらは15日午前11時ごろの空(那珂川市内にて撮影)

いわし雲(もしかして、うろこ雲かな?) 昔からうろこ雲やいわし雲が出たら3日のうちに雨というのは本当だった、、

 

 

 

《関連記事》

台風10号「予測」と「実際」にずれ 乾燥空気の流入など影響(TBS NEWS 2020.9.16)

台風10号で気象庁長官「『特別警報級』は大げさでなかった」(TBS NEWS 2020.9.16)

台風10号の教訓は 防災専門家に聞く【熊本】(FNNプライムオンライン 2020.9.16)

 

 

《参考資料》

気象庁HP。令和2年台風第10号における予報の検証(速報)(2020.9.16)