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東九州道、通行止め続く、解除は12月?

2024-09-15 21:44:33 | 災害

台風10号による大雨で東九州道がやられてしまった。通行止めになっているのは臼杵IC~津久見IC間(約7Km)。NEXCO西日本によると、台風10号による大雨で、のり面周辺から表面水が集積し、同時に地下水が浸入したことにより、のり面の風化が促進され、崩落に至ったとしている。現在は崩落したのり枠や土砂を撤去しているところで、今後、地山の状況を確認の上、のり面対策工を行う予定となっている。復旧にはかなり時間がかかりそうだ。

これは困った。10月は宮崎の家の整理清掃のため、山口~宮崎を往復しなくてはならないのだが、下道(国道502号と国道217号)を走るとなると(渋滞を考慮すると)、臼杵IC~津久見IC間(約10Km)で約40~50分はかかるのではないだろうか。地元報道によれば、う回路となっている国道は、朝夕かなり渋滞しているらしく、臼杵津久見警察署は6ヵ所の交差点で青信号の時間を長くして渋滞の緩和をはかっているとのこと。通常、山口~宮崎は約5時間半かかるのだが、6時間半はみておかなくてはならないのでは。となると、九州道(福岡経由~人吉~国道219号線)のほうがよいだろうか?(どちらにしても過酷😥)

 

 

以下、NEXCO西日本より(時系列順)

◆災害状況(8月31日公表)

災害場所

臼杵IC近く

 

 

◆第1回技術検討委員会結果報告より(9月4日公表)※委員会長は九大三谷教授

ごっそりやられている

 

 

◆第2回技術検討委員会開催のお知らせより(9月12日公表)

今、この状態

9月15日18時から第2回技術検討委員会が開催され、のり面の施工方法が決定する。

 

続報⇩

◆第2回技術検討委員会結果報告より(9月15日公表)

15日、開催された技術委員会で、のり面対策工として、コンクリート吹付工及び切土補強土工(鉄筋挿入工)を実施することが決まった。施工完了後、モニタリングの実施及び降雨基準の運用をもって通行止めの解除を行うとしている。この工程でいくと、解除されるのは早くても12月くらいになるのではないだろうか。

 

最新の現場写真

 

 

 

《関連記事》

台風10号から2週間 東九州道は一部通行止め続き生活に影響(NHK大分ニュース 2024.9.12)

 

 


台風10号による被害

2024-09-13 16:17:07 | 災害

地震のあとは台風。8月22日午前3時にマリアナ諸島で発生した台風10号は、日本近海の海面水温が高いことから発達しながら九州に接近。29日未明には宮崎県美郷町で記録的短時間大雨情報(120ミリ/時間)が出た。その後、29日午前8時頃、鹿児島県薩摩川内市付近に強い勢力で上陸。上陸後はゆっくりした速度で進み、発生から10日後の9月1日正午、東海道沖でようやく熱帯低気圧になった。

幸い、福岡県や山口県などでは大きな被害はなかったが、宮崎県は突風による被害が深刻で、宮崎市では家屋被害が1000棟を超えている。次に多いのが西都市で83棟の被害が出ている。先月末、半世紀勤めた会社を退職し、今月から宮崎入りしている相方によると、うちは被害はなかったが、近くで瓦が飛ぶ被害が出ており、片付けをされていたとのこと。報道によれば、各地で発生した突風はいずれも竜巻とみられ、佐土原町では風速約65mと推定されている。13日から通話無料の災害相談専用ダイヤルが開設され、被災者支援が進められている。

それにしても、宮崎は災害が多い。台風による被害は毎年のようにあり、2年前の台風14号の復旧作業も終わっていないところ(椎葉村や諸塚村)でふたたび被害が出ている。うちの山もずいぶん木が倒れたようで相方が伐採に追われている。(こちらはダンボール詰め作業に追われているけれど)もはや他人事ではない。来月末には福岡を離れ、いよいよ宮崎で新たな生活がはじまる。山の管理も大事な仕事で、これからは自然の脅威と向き合っていくことになる。ぼ~としてられない。

 

 

8月28日午後7時前の福岡市内


台風10号の影響で高速が通行止めになる可能性があったので、1日早く28日夕方、山口から帰福。その直後の夕焼け。

 

 

 夕方、福岡へ戻ると、パンも水も牛乳も見事になくなっていた😲

 

 

2024年台風10号経路(最終)

当初の予想進路とは大違い

台風が大きくズレたのは、北東にあった太平洋高気圧が予想以上に強く張り出し、台風を西側に押してしまったこと。上空1万mにあった寒冷渦が台風を西方向に引っ張ったことが原因とのこと。

 

 

宮崎県内の突風発生場所(読売新聞記事より)

紙一重のところだった、、

 

 

2024年の台風発生数(9月12日現在)気象庁ホームページより

まだまだ気が抜けない(10月、無事に引っ越しができますように)

 

 

 

《関連記事》

台風10号、宮崎県内「竜巻の可能性」突風は6市町の7件…気象庁の現地調査終了(読売新聞 2024.9.8)

台風10号で「竜巻」が相次いだ宮崎県、なぜ? 発生しやすい条件は(毎日新聞 2024.9.4)

台風10号、なぜ西に進路変えた? 「家屋倒壊恐れ」の暴風も予想(毎日新聞 2024.8.26) 

宮崎日日新聞|台風10号県内ニュースまとめ

 

 

 

 


梅雨最盛期、しばらく警戒モード

2024-07-03 19:08:08 | 災害

7月1日、梅雨前線の影響で九州北部や山口県は大雨に見舞われた。宗像市や久留米市では道路や田んぼが浸水する被害が出ている。北九州市小倉南区では自転車ごと側溝に落ちて川に流された人が亡くなっている。今回、雨量が最も多かった大分県日田市(72時間270ミリ)では花月川にかかる三郎橋(国道386号線)の橋脚が倒れる被害が出ている。山口県では下関市や美祢市などで大雨となり、中国道が通行止めになった。

今年は梅雨入りが遅く、どうなるかと思っていたが、やはり例年とおり7月に入いるやいなや大雨になった。先月27日、気象協会は梅雨明け予想を発表しているが、それによると九州南部から東北北部の梅雨明けは7月中旬から下旬にかけて、いずれも平年並みとなっている。このまま梅雨が明けてくれればよいのだが、梅雨末期の大雨は常態化しており、どこかで災害が発生しないと梅雨明けしないという状況。もうしばらく警戒モードでいないといけない。

 

 

山口県美祢市東厚保・厚狭川(7月1日5時40分)

昨年6月30日豪雨で大きな被害が出た美祢市東厚保(厚狭川)では、1日午前3時半頃、氾濫危険水位を超えた

 

 

 

午前7時頃から小康状態になったので助かった

 

 

 

7月1日午前3時頃の雨雲の動き

7月1日午前3時頃、山口県に線状降水帯らしきものが発生していたが、基準に満たしていなかったようで気象庁の発表はなかった

気象庁の発表をまっていたらいくつ命があってもたりない(毒)

 

※参考:顕著な大雨に関する気象情報の発表基準

 

 

7月1日午前7時現在の降水量

福岡県宗像市では1日午前5時から6時までの1時間に7月の降水量で最大となる65.5ミリの雨を観測していた

大雨情報リアルタイムデータ

 

 

こちらは毎年氾濫する山陽小野田市の桜川(7月1日午前8時頃)氾濫寸前

 

福岡にいる間は母を施設に預けているが、1日朝、施設のそばを流れる桜川の様子をライブカメラで見ると氾濫寸前だったので、すぐさま施設に連絡をすると垂直避難をしているとのことだった。その後、雨は小康状態になった。先月、施設でクラスターが発生したため施設の利用ができず、福岡へ戻ることもできず(ブログも更新できず)、半月ぶりに戻ったあとの大雨。何かあれば下道を走ってでも行くつもりだったが大事に至らなくてよかった。明日は母を迎えに行く。田舎も1時間30ミリ以上降っていた。さて、家はどうなっていることやら、、

 

 


那珂川護岸工事完了~台風1号発生、週明け大雨警戒

2024-05-26 14:38:58 | 災害

昨年7月の九州北部記録的大雨で崩壊した那珂川の護岸工事が予定より早めに完了した。週明けは大雨の予報になっているのでよかった。工事で通行止めになっていた道路も今日解除される。

この護岸復旧工事は2月末頃からはじまったが、4月上旬、一度強雨に見舞われ、仮堤(仮の堤防)が崩れそうになっていたことがあった。対応が早かったので堤防は無事だったが、あれ以上、雨が降り続いていたら崩れていたかもしれない。度重なる豪雨によって川底に土砂が溜り、水深が浅くなっているため、少し強い雨が降るとすぐに水位が上昇する。そこを計算されていたかどうかわからないが、仮堤の高さ不足が否めなくもない。ちなみに、この仮堤をつくるために10tトラック150杯分の土砂を運びこんだとのことだった(工事関係者談)。ブロックを設置したあと、ふたたび土砂を運び出さなくてはならない。ひとたび護岸が崩壊すると復旧は容易でないことがわかる。

福岡県は、平成29年の九州北部豪雨以降、平成30年7月豪雨、令和元年7月、8月の大雨、令和2年7月豪雨、令和3年8月の大雨と5年連続で自然災害に見舞われ、全国で唯一、大雨特別警報が5年連続で発表されている。昨年、令和5年7月の九州北部記録的大雨でも大雨特別警報が発表されており、発表がなかったのは令和4年のみ。それで復旧工事は延々と続いている。報道はされないけれど。

さて、いよいよ出水期、といっていたら、26日午前9時、台風1号が発生。週明け、日本付近に停滞する梅雨前線に向かって、台風1号からの湿った空気が入るため、西日本と東日本の太平洋側を中心に大雨の恐れがある。特に、下層の南西風と南風が合流する西日本は要警戒とのこと。いやはや、今年は初っ端から警戒モード。大きな災害が起きなければよいのだけど。

 

撮影日:2024.5.25

那珂川護岸工事完了

 

 

 

こちらは4月3日の様子

崩れかかった仮堤部分に土砂を積み上げているところ(幸い、このあと雨は小康状態に)

 

 

 

完成した護岸を近くで見ると、、

古いブロックのところにひびが入ったままだけど、大丈夫かな?大雨でまたやられない?

 

 

 

週明け、警報級の大雨の恐れ (tenki.jpより)

 

 

28日は、九州~東海にかけて警報級の大雨の恐れがあり、南西風が入る鹿児島県、熊本県、紀伊半島、静岡県などでは雨量が増える恐れ。

 

気象庁台風情報

 

 

《関連記事》

台風1号発生 週明け台風+梅雨前線 九州~東海は警報級の大雨の恐れ 早めの備えを(tenki.jp 2024.5.26)

来週前半は西・東日本を中心に警報級の大雨の恐れ 前線の活動活発化 台風も発生へ(tenki.jp 2024.5.24)

 

《参考資料》

5年連続で発生した豪雨・大雨災害からの復旧・復興について(福岡県HPより)

令和5年度第3回福岡県災害復旧・復興推進本部会議を開催しました(福岡県HPより)

 

 


福岡県西方沖地震から19年~警固断層帯の脅威

2024-03-25 22:15:50 | 災害

福岡県西方沖地震を振り返る

早いもので、福岡県西方沖地震から19年が過ぎた。記憶が薄れていく中、全国では地震が絶え間なく発生している。またいつ福岡で地震が起きるかわからない。実際、警固断層帯北西部では小さな地震が今も続いている。備えは怠れない。

振り返ると、2005年3月20日10時53分、福岡市西区玄界島から北西約3㌔の玄界灘海底でM7.0、深さ9kmの地震が発生。震源域は警固断層帯北西部。地震メカニズムは東西方向に圧力軸を持つ左横ずれ断層型。福岡市中央区、東区、糸島市、佐賀県みやき町で震度6弱を観測。福岡市で死者1人、重軽傷者は福岡市内で1039人(福岡、佐賀、長崎、山口県の4県で1204人)。福岡市内の住宅被害は5220棟。玄海島の被害が大きく、博多湾沿岸域では液状化が多数見られた。なお、当時、玄海島には地震計がなく震度は不明、推定6弱~7とされている。

地震発生時、仕事でアメリカシアトルへ向かうため福岡空港にいた。建物は大きく揺れたが短かった。空港内は騒然となった。どうなるかと思ったが、滑走路の安全確認後、飛行機は飛んだ。上空からは大きく崩れた建物や火災などは見られなかった。被害の程度もわからないまま、後ろ髪を引かれる思いで日本を離れた。帰国後、被害状況を知って驚いた。なんと亡くなったのは、知人(飲食店オーナー)のお姉さんだった。そうとは知らず、帰国直後にお店に顔を出した時、亡くなった方が多くなくて…と言ってしまい、知人が、実は…と俯いた。返す言葉がなかった。その時のことは今でも忘れられない。

 

地震翌日の西日本新聞記事(福岡市HPより)

 

 

警固断層帯の脅威 

今月20日の西日本新聞「福岡沖地震19年」に注目した。志賀島付近でひずみがたまっている可能性があることが、西南大学新原俊樹教授の分析でわかったという。志賀島付近では地震活動の特徴を表わす指標「b値」が低く、大きな力が加わっている可能性がある。ここで大きな地震が起きると、警固断層南東部(陸側)の断層に影響する恐れがあるという。アイランドシティ付近でもb値が低い所があるらしい。そういえば、今年1月末頃、志賀島付近(同じ場所)で小さな地震が頻繁に発生していたので気になっていた。

※b値とは、地震の発生頻度(n)と規模(M)の関係を示す指標(傾き)。Mが大きな地震ほど発生頻度は少なく、逆にMが小さい地震ほど頻度は多い。Mが1大きくなると頻度は10分の1になる。

 

2024年3月20日の西日本新聞「福岡沖地震19年」より

青い部分がひずみの大きいところ

 

 

 

1月26日~29日までの震央分布図(気象庁HPより)

 

まさに青い部分で地震が発生している(地震は1月22~23日頃からはじまっていた)

 

 

 

こちらは最近1年の福岡県周辺の地震活動(九大地震火山観測研究センターより)

警固断層北西部は相変わらず多い、なかでも志賀島あたりが目立つ、南東部は少ない

 

 

もう一つ、地震周期について。玄海島では全壊した住宅が107棟に上ったが、最大震度6弱を観測した福岡市では、中央区と博多区各9棟、東区6棟など、地震規模が大きかった割に多くなかった。その理由について、京大防災研の境有紀教授は「周期1~2秒の揺れが強く出なかったから」と指摘。地震波には、さまざまな周期(揺れが1往復するのにかかる時間)の波があり、周期1秒以下が強いと屋根瓦のずれ、ブロック塀の倒壊、斜面の倒壊が起きやすい。一方、周期1~2秒が強いと木造建物や10階建て以下のビルに大きな被害をもたらしやすい。西方沖地震では、0.5秒程度の揺れが最も強かったため、全壊を免れた建物が多かった。能登半島地震でも、震度7を観測した石川県志賀町(周期0.2秒)より、震度6強の輪島市、穴水町(周期1~2秒)のほうが全壊した建物が多い。Mが小さいからと安心してはいけない。

 

 

2024年3月20日の西日本新聞「福岡沖地震19年」より

阪神大震災と比較(能登半島地震と比較してほしかった)

 

 

西方沖地震では、警固断層帯北西部の活断層が動いた。しかし、南東部(陸側)の活断層は動いていない。地震調査研究推進本部の評価によれば、警固断層帯南東部は推定M7.2程度の地震が発生、今後30年の間に発生する確率は0.3%~6%。主な活断層の中でも最も高いレベルである。活断層の位置について、10年前の防災の日の講演会で産総研活断層評価チーム長の吉岡氏が、天神~大橋(博多温泉付近)~春日市(筑紫野インター付近)までと話しておられた。(ちなみに、うちのすぐそばを通っている)都心部を貫く活断層で地震が発生すれば、どれほど大きな被害がでるのか。想像はしたくはないが、想定はしておかないといけない。ところが、福岡市の想定がトンでもなく甘い。どれほど甘いか、西日本新聞が「福岡市 避難者想定に穴」と題し、報じていた。

警固断層帯南東部で地震が発生した場合、防災科学技術研究所は福岡市などで最大震度7と予測をしているのに対し、福岡市の予測は6強。震度6強が7になれば全壊する建物は4~5倍増える。さらに、避難者数の想定も問題がある。福岡市は住居が全壊か焼失したのみを想定し、半壊や危険な建物、断水や停電により生活できない人の数は入れていない。九大塚原健一教授(防災計画)は、福岡市の甘い想定に警鐘を鳴らしておられる。にもかかわらず、市は見直す予定はないという。20年近く大きな地震が起きていないので危機感がなくなってしまったのか。警固断層帯の脅威はすぐそこにあるというのに。

 

 

2024年3月22日の西日本新聞より

福岡市、穴だらけ、、

 

 

《関連記事》

福岡沖地震19年、警固断層帯北西部で依然続く活動 「ひずみ」たまっている可能性(2024.3.20 西日本新聞) 

警固断層、福岡市の想定甘い? 国予測は震度7、全壊率4~5倍に 九大教授が警鐘(2024.3.22 西日本新聞)

能登半島 揺れ周期の違いが建物の被害割合に影響か 専門家分析(2024.1.13 NHKニュース)

 

《参考資料》

福岡市HP・福岡県西方沖地震記録誌(2011.3.1)

地震調査研究推進本部HP。警固断層帯