大分地方気象台によると、今年の初冠雪は12月16日に由布岳で観測されたものらしく、同じ頃、くじゅう連山からも雪山情報が入ってきた。最近は雪が降ってもすぐに解けてしまうので、この機会を逃すわけにはいかないと、先週末、くじゅうへ向かった。
24日午前10時頃の牧ノ戸駐車場の温度は4℃。朝から日差しが注いでいたせいか、さほど寒さは感じなかった。初冠雪から1週間以上経っていたこともあって雪は少なめだったが、沓掛山から扇ヶ鼻あたりの霧氷は見事だった。中でも三俣山は格別だった。しかしその後、気温はぐんぐん上昇して、木に張り付いた氷はぼとぼとと落ちはじめ、火山灰でできた黒ボクの登山道はぬかるんでドロドロに。こうなるとあとは時間との勝負。久住分かれで昼食を取り、急いで御池へ向った。
案の定、(御池の)氷は解けていた。湖岸は白くシャーベット状になり、湖面は藍色に輝いていた。これはこれでなかなか美しかったが、冬の御池といえば、やはり完全氷結した姿。結氷と解氷を何度も繰り返しながら作り上げられる自然の造形物だが、その姿を見るにはもう少し時間がかかりそうだ。先週は通れたという湖面も、この状態ではとても通る気にはなれず、湖岸上の登山道を通って中岳へ向かった。
いつもは強風に晒されている中岳山頂もこの日は素手でいられるほど穏やかだった。地球温暖化対策は待ったなしの状態といわれているが、自然の中にいるとそれを肌身で感じる。今年は異常気象による災害が多く、全国で被害が相次いだ。九州では熊本地震に阿蘇山噴火と自然災害が続き、くじゅうでも熊本地震の爪痕が今も残っていた。また硫黄山では気象庁による火山の監視が強化されていた。(下写真)それらの様子を見ながら、来年は大きな災害がないようにと願った。
撮影日:2016.12.24
霧氷を纏う 三俣山
晴れ渡る
滴る 馬酔木
阿蘇五岳 この日、阿蘇中岳の噴煙の高は300mだった
絵になる
冬眠中のミヤマキリシマ
日陰は残る
久住山と霧氷
老朽化が進む久住分かれ避難小屋 雨漏りが原因とみられる
硫黄山の噴気 この日、200m上がっていた
空池 ここに水がないのは地下水位などが関係しているのだと、鹿大井村准教授
解氷した御池
エビの尻尾も落ちて
中岳山頂へ
山頂直下 背後に坊がつると平治岳
大船山もうっすら
中岳山頂から御池方面
接近中
ふりかえる(北千里浜にて)
撮影日:2016.12.25
熊本地震の爪痕
気象庁火山観測施設(GNSS) ※立ち入り禁止
硫黄山(左)と最近、設置された火口監視カメラ(右・赤印)
火口監視カメラ(左)と熱映像監視カメラ(右) ※硫黄山ライブ画像はこちら
地震で落ちたと思われる巨大岩石
登山道を遮る