yamanba's blog

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九州北部豪雨から1ヶ月、現地は今

2017-08-22 08:56:36 | 災害

九州北部豪雨から1ヶ月が過ぎ、先週末から東峰村と朝倉市の被災地で仮設住宅への入居がはじまった。復興へ向けて、一歩動き出した。そんな中、今回はお世話になっている小石原の窯元へ、お見舞いを兼ねて行くことにした。

小石原へは、なるべく復旧作業の邪魔にならないようにと、福岡市内から宇美町~ショウケ越え~嘉穂経由で、馬見山、屏山、古処山など望みながら、嘉穂峠から入った。小石原に着くと、村の北部は殆ど被害がなかったようで、道の駅や数件の窯元は通常どおり営業していた。(お世話になっている窯元も被害はなかった)窯元の方に話を伺うと、被害が大きかったのは南部のほうで、それもピンポイントとのことだった。確かに、村を下っていくと被災したお宅や崩壊した堤防が露わになってきた。同じ場所でも川の位置によって、右岸と左岸では被害の状況が大きく異なっていた。

現在、小石原から日田へ向かう211号線は復旧工事が行われており、一部で片側通行になっていたが、通行自体に支障はなく、この日も多くの車が行き交っていた。通常、小石原から福岡へは、211号線から52号線を通り、杷木インターに出る。しかし、そこは今回最も被害が大きかった場所(杷木赤谷、乙石、松末地区)であり、一般車両は通行できない。(道路復旧状況はこちら

そこで、日田市へと車を走らせる。211号線に並行して大肥川が流れている。暫くすると、川は筑後川に合流する。ここで、欄干に突き刺さった流木が生々しく残っていた。状態からして、もの凄い力が働いていたことがわかる。国交省九州地方整備局が先月末に発表した、流木発生量を見ると、一番流木が多かったのは朝倉市の赤谷川、次に桂川、そして大肥川(東峰村、日田市)だった。

386号線へ入ると、左側に筑後川が流れている。見ると、護岸底が削られ、それは夜明けダムあたりまで続いていた。夜明けダムでは、管理棟が流されたため、現在、工事が行われている。そこから程なくして朝倉市杷木に入る。最初に目に飛び込んできたのは、土砂や流木に押しつぶされた家屋や形を変えた川の姿だった。今回はボランティアで入っているわけではないので、幹線道路を走り抜けただけだが、被害の大きさは一目瞭然。自然の破壊力を目の当たりにし、言葉もなかった。ただ手を合わせ、その場を通り過ぎた。

杷木インター入口付近には、山のような土砂が残っていた。高速道路に入ると、夕月神社に青々とした桜並木が見えた。桜は無事だった。来春、それはいつものように花を咲かせ、人々を勇気つけ、復興を後押ししてくれるに違いない。(次回はボランティアで入りたい)

 

撮影日:2017.8.19

小石原道の駅「がんばるばい、東峰村」 8月に入って徐々にお客さんが戻ってきているとお店の方、買って応援!

 

 

 

 

 

少し下ると

 

 

 

 

 

手すりもねじ曲がって ※レンズに不具合が生じたため画像不良

 

 

 

 

 

棚田にも流木が

 

 

 

 

 

ボロボロに

 

 

 

 

 

211号線、片側通行

 

 

 

 

 

52号線は通行禁止

 

 

 

 

 

52号線と211号線の分岐点

 

 

 

 

 

大肥川に降りて、東峰村をふりかえってみる 川は濁ったまま(大木神社下) 

 

 

 

 

 

久大線鉄橋、危機一髪(386号線交差点手前)

 

 

 

 

 

欄干に突き刺さる流木(右は筑後川)

 

 

 

 

 

護岸は削れて(三隅川~筑後川)

 

 

 

 

 

ここから朝倉市杷木

 

 

 

 

 

林田地区(赤谷川)

 

 

 

 

 

崩壊多数(広蔵山)

 

 

 

 

 

岡山市から救助隊!

 

 

 

 

 

杷木インター近く(寒水)

 

 

 

 

 

夕月神社の桜  ※この下は被害が大きかったため、今も立ち入り禁止 

 

 

今年4月撮影  

 

 

 

筑後平野(朝倉市)  

 

 

 

《関連記事》

九州北部豪雨 福岡・大分タイムライン(西日本新聞)

《関連資料》

国土交通省 九州地方整備局HP

朝倉市HP

 

 


「小川内の杉」移植から1年4ヵ月

2017-08-04 17:16:13 | 五ケ山ダム

五ヶ山ダム視察後、いつものように「小川内の杉」に会いに行った。新芽が成長しているのか、春に比べると葉の色もよく、生き生きしているように見えた。心配していた子供杉(一番手前の小さい杉)も元気そうで安心した。前代未聞の移植から1年4ヵ月、最近では話題にものぼらないが、ようやく根が(移植先の土壌に)根付きはじめたのではないのだろうか。

現地では、養生工事は来年3月15日までと書かれた看板が掲示されていた。もしかして、来年、保護柵(鉄枠)が撤去されるのだろうか。以前、業者さんからはきちんと根付くまで外さないと聞いていたが。移植から2年、来年はどうなっているだろうか。 

 

撮影日:2017.8.1

 

元気そう

 

 

 

 

 

来年、鉄枠が外れる? 

 

 

 

 

子供杉も元気

 

 

 

 

 

山から水を取り込む

 

 

 

 

 

結局、井戸水はでなかった?

 

 

 

 

 

かつての場所は水の中

 

 

こちらは昨年4月 

 

 

 


五ケ山ダム、試験湛水開始から10ヶ月

2017-08-03 17:19:00 | 五ケ山ダム

五ヶ山ダムの試験湛水がはじまって、まもなく10ヶ月を迎えようとしている。7月31日には、九州北部豪雨の被災地でふたたび豪雨が発生していたが、五ヶ山でもまとまった雨が降ったのだろうか、翌日8月1日、福岡県の水位データが更新されていた。それで気になり、現地へ行ってみることにした。

前回の視察から3ヶ月半、幾分水位は上がっていたが、思ったほどではなかった。福岡県のデータを調べてみると、この2ヶ月間で2m程上昇しているが、梅雨時期にしてこの数量。多いのか少ないのかわからないが、すぐ下にある南畑ダムでは、かなり水位が下がっていた。いつもは水の中にある部分が露出し、雑草が生えていた。今年の梅雨は少雨だったが、やはり五ヶ山も例外ではなかったのだろう。

この日、午前10時頃の五ヶ山(標高400m付近)の気温は30度。福岡市内との気温差は3度に満たなかった。今はダムの底になってしまったが、かつて大野地区や小川内地区に入ると、空気はひんやりとしていた。ところが今は熱風が漂っている。五ヶ山中央部の山々が削られ、太陽を遮るものがなくなってしまったのだから無理もないと思うが、おそらくダム湖が巨大な温水プールのようになっているからではないだろうか。いずれにせよ、山間部の温暖化が進んでいるのは間違いない。

来年、ダム周辺にはいくつもの観光施設ができる。その一つ、オートキャンプ場が予定されている場所では、7月の豪雨で起きたのか法面が崩れていた。背振山系は脆い花崗岩でできており、大雨が降れば土砂崩れが起きやすい。39年前の福岡市の水不足を理由にしてつくられた五ヶ山ダムだが、本当にダムは必要だったのか。九州北部豪雨で崩壊した山や流木を目の当たりにし、改めてその思いが蘇る。

 

撮影日:2017.8.1

 果てしなく広がる

 

 

こちらは今年4月

 

 

 

水質観測装置がいくつも浮かぶ

 

 

 

 

 

試験湛水目標水位(サーチャージ水位)まであと27.9m

 

 

こちらは今年4月

 

 

 

不自然な風景

 

 

 

 

 

ビオトープには水草が生えて

 

 

こちらは今年4月

 

 

 

端まで行きわたる

 

 

こちらは今年4月

 

 

 

水没した小川内地区 

 

 

 

 

 

建設中のビオトープ公園(写真右) どれだけつくればいい?

 

 

 

 

 

川は生きている

 

 

 

 

その先にあるのはダム湖、、

 

 

 

 

山を削ってつくられた法面に土砂崩れの跡(昨年も起きていた) この上にオートキャンプ場ができる

 

 

 

 

 

オートキャンプ場予定地 工事は進んでいない

 

 

《関連資料》

・那珂川町HP。五ヶ山ダム水源地域公園等整備基本計画書

・福岡県HP。五ヶ山ダム建設事務所