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南畑ダムほぼ満水、五ケ山ダムからの取水停止

2019-07-31 17:12:12 | 五ケ山ダム

先週(24日)、九州北部は平年より5日、昨年より15日遅く梅雨明けした。梅雨入り(6月26日)が平年より2週間遅れだったので、梅雨期間としては、ほぼ平年並みとなった。梅雨末期には、大型の台風5号(16日発生)による影響で、九州北部は各地で大雨となった。20日には長崎県五島列島や対馬で、21日には福岡県久留米市(1時間雨量90ミリ)や佐賀県鳥栖市(1時間雨量81.5ミリ)で猛烈な雨(それぞれ観測史上1位)となり、冠水などの被害が出た。ただ人的被害が少なかったことは幸いだった。

そういうわけで、心配されていた福岡県のダム貯水率は平年値まであと10%のところまで回復。グラフを見ると、まさにうなぎのぼり。(下図参照)データを見ると、30日現在、福岡県内主要18ダム貯水率は80.9%、南畑ダムは91.7%でほぼ満水の状態。五ヶ山ダムは79.6%、満水位まであと6mのところ。そこで、ダムの状況を確認するため、現地へ行ってみることにした。

昨日(30日)午前中、五ヶ山では小雨が降っていた。気温は27℃で福岡市内に比べ6~7℃低い。五ヶ山クロスベースにある、モンベルの方の話によると、このところ天候が急変することが多いとのこと。五ヶ山は標高500m、山の天気は変わりやすい。特に、梅雨明け後、気温が急上昇し大気が不安定になっているからだろう。そこで、まず大雨による異変がないかを確認し、ダム堤体に向かった。水位をみると、データどおり約401m、満水位まで6mだった。昨年の西日本豪雨では1日7m上昇したが、今月の大雨では4~5日で4m上昇。いかに西日本豪雨がもの凄い雨だったかがわかる。ふりかえってクレストゲート下の副ダムを見ると、すでに放流は行われていなかった。おそらく、南畑ダムが満水に近い状態まで回復しているからだろう。

帰路、南畑ダムに立ち寄ってみると、南畑ダムの吐水口からどんどん水が放流されていた。こうした状況から、現在、福岡市は五ヶ山ダムからではなく、南畑ダムから取水しているものと思われる。問題はこれから秋の台風シーズンにどれほど雨が降るか。昨年は西日本豪雨後に少雨傾向が続き、それは先月まで続いた。もはや豪雨でしか水は溜まらない状況になっている。ふたたび少雨となれば、(福岡市は)五ヶ山ダムから取水を行うことになるのだろうが、そうなると五ヶ山ダムの試験湛水は終わらないまま、運用が続くことになる。もうすぐ試験湛水がはじまって3年(今年10月)、終わりが見えない。

 

撮影日:2019.7.30

水を湛える南畑ダム

 

 

こちらは6月1日の様子

 

 

 

回復しつつある五ヶ山ダム

 

 

 こちらは6月1日の様子

 

 

取水設備に貼られた水位表示  

 

 

 

 

現在、水位は約401m 大雨前は約397mだったので4m上昇(4月405m⇒6月399m⇒7月397m)

 

 

こちらは6月1日の様子

 

 

 

副ダムを見ると、水は出ていない

 

 

こちらは6月1日の様子(放流中) 

 

 

 

放流停止 (注:五ヶ山ダムと南畑ダム間の河川維持のため、常時少量(0.5㎥/s)放流されています)

 

 

 

水を湛えた南畑ダムが見える

 

 

 

 

南畑ダム、並々と

 

 

 

 

 

 

堤体付近

 

 

こちらは6月1日の様子

 

 

 

南畑ダムから放流 

 

 

 

 

ほぼ平年並みまで回復 

 

 

 

 

貯水率100%が並ぶ

 

 

 

《追記》

福岡市は7月30日をもって渇水対策会議を解散した。昨年からの少雨傾向により、福岡市は6月26日から渇水対策会議を設置していたが、7月17日からの降雨で筑後川の流況が回復したことから解散したことを報告。一方、福岡県は油木ダムの貯水率が依然低い状況で、行橋市、苅田町が15%の減圧給水などの対策を継続しているため、渇水対策本部は設置したままである。

福岡市。福岡市渇水対策会議を解散しました(7.30)

福岡県。7月21日の大雨などによる主要ダム貯水率について(7.26)

 

《関連記事》

西日本新聞、大雨・台風情報(タイムライン)

 

《関連資料》

福岡県河川防災情報

福岡市水道局

 


枯葉剤埋設地の今~美しい国のAgent Orangeより

2019-07-16 09:21:21 | 245T剤埋設問題

今月6日の「枯葉剤シンポジウム」で配布された資料、『美しい国のAgent Orange』。これはフリーライター宗像充氏によるレポートで、枯葉剤問題の根本から最新の現地情報まで詳しく書かれている。調べてみると、アウトドア雑誌『Fieder』最新号に掲載されていた。これには少し驚いたが、確かに”サバイバル”には違いない。さて、若いサバイバーは、このレポートをどのように捉えているのだろうか。

全国には54ヵ所の枯葉剤埋設地(うち8ヵ所は撤去済み)があるが、宗像氏はそのうち18ヵ所の埋設地を訪問されている。記事を読むと、埋設地の多くが水源地や景勝地、住宅地の上流(岩手県雫石町、熊本県宇土市、佐賀県吉野ヶ里町、屋久島町)、食品工場のすぐ脇(高知県土佐清水市)、子供が入れる公園の中(屋久島町)、防衛省に所管替りして林野庁が点検をしていない所(宮崎県えびの市)、新設された道路の下になって確認できない所(高知県大豊町)と書かれている。信じがたい状況だが、これが現実なのである。 

こうしたことから、埋設地の自治体の中には、市民や議員が動いているところもある。高知県土佐清水市では、かつての営林署跡地にできた食品工場のすぐ脇の竹林内で、住民がタケノコ堀の最中に発見したとある。ここでは、2015年に県議会で取り上げられ、専門委員会まで設置されているが、状況は変わっていない。鹿児島県湧水町では、旧吉松町の川添地区から栗野岳方面に延びる林道近くに看板が立っているとある。ご存じのように、湧水町は日本名水100選の丸池湧水がある。埋設地はその上流域にあり、町議会で度々取り上げられている。そして、脊振山埋設地(吉野ヶ里町)。福岡市民の水源地、五ヶ山ダムのすぐそばに埋設されていることから、昨年、共産党の田村衆議院議員や高瀬福岡県議が、国会や県議会でこの問題を取り上げ、245T剤の撤去や無害化処理を求めている。(福岡市議会は動きなし)

今回、宗像氏のレポートを読んで、改めて、問題解決のためには市民の力が必要だと感じた。土佐清水市では「大岐の自然を育てる会」、鹿児島県湧水町では「 吉松自然を考える会」、国内最大の埋設量(3940kg)となっている岩手県雫石町では「御所湖の源流を守る会」と、それぞれの埋設地で市民が声を上げている。しかし、福岡市では市民の声を聞かない。五ヶ山ダムの水を使用している市民の一人として、微力ながら声を上げているのだが、なかなか広がらない。やはり、会を立ち上げるしかないのか、、

 

 

 

「ベトナム戦争で巻かれた枯葉剤の行方を追う日本一危険な森林ツアー」強烈な見出しだが頷ける(写真は脊振山埋設地)

 

 




全国54ヵ所の埋設地総量は固形状約2万5千kg、液体状約1830ℓ。うち8ヵ所は埋設地が民有地などの理由で撤去済み、現在46ヵ所

 

 

 

 

 

枯葉剤埋設地の今    

 

 

 

 

『Filder.46 最新号』に掲載されていた

  

 

 

 

《参考資料》

宗像充ホームページ 

 

 


【枯葉剤シンポジウム】全国埋設の枯葉剤はわずか2%、ほとんど散布されていた!

2019-07-14 08:35:35 | 245T剤埋設問題

今月6日、志免町で開催された「かすや未来」主催『北九州大学原田和明氏・枯葉剤(245T剤)シンポジウム』で、全国54ヵ所の国有林(うち8ヵ所は撤去済み)に埋設されている245T剤はわずか2%であり、そのほとんどが散布されていたことがわかった。しかも、場所は明らかになっていない。(確認できているのは下北半島のみだと原田氏)まさに、多くの国民の知らないところで『日本版 枯葉剤作戦』が行われていたのである。

この日、シンポジウムには粕屋町や志免町などから多くの市民や議員が参加し、枯葉剤問題に対する関心の高さが窺えた。まず、シンポジウム前半は245T剤埋設問題について。大規模災害によって流出するリスクがあること、現地の植生や陥没状況などからすでに漏れ出している可能性があること、さらに245T剤は移動し、そこに埋まっていない可能性があることなど。最新の報告として、岩手県雫石町では4トンの245T剤が紙袋のまま13ヵ所にわけて埋められ、フェンス内の窪みがはっきりわかるほどで、脊振山中の埋設地どころではなかったと。さらなる問題のところで、245T剤の埋設量は散布量のわずか2%といわれて、言葉を失う。

シンポジウム後半は、どうして245T剤が全国の山に埋められることになったのか。そもそも、ベトナム戦争で使用された枯葉剤は、1967年から福岡県大牟田市の三井東圧化学(現・三井化学)でつくられていた。日本から枯葉剤の中間製品(245TCP)が輸出され、第三国(オーストラリアやニュージーランドなど)で加工された後、最終的にベトナムへ渡ることになる。一方、国内では枯葉剤を製造する過程で発生する副産物(塩素酸ソーダやPCP)を処分するため、塩素酸ソーダは枯刹剤として全国の国有林に撒かれ、PCPは水田の除草剤として使用された。これにより各地で異変が発生。有明海などでは魚の大量死事件が起きている。その後、アメリカが枯葉剤の使用を中止したことで、在庫として残ったものが、全国の国有林(営林署が力を持っているところ)に埋設されてしまった。そして、 半世紀経った今もなお、人々を脅かし続けている。福岡も例外ではない。

講演終了後、会場からいくつか質問が出た。その中の一つ「最近はテロが多い、もし埋設地から245T剤を持ち出されたらどうするのか」。昨年12月、衆議院農水委員会でも田村議員(共産党)が同様の質問を林野庁にしているが、国は適切な管理をしている(コンクリートで固めている)から問題ないと答えている。 しかし、その証拠はない。つまり、いつ何が起きるかわからないのである。

今回のシンポジウムには、糟屋町や周辺自治体から市民や町議が多く参加されていた。しかし、福岡市民の水道用水として使われている、五ヶ山ダムの近くに猛毒な245T剤が埋設されているにもかかわらず、(私以外、たぶん)福岡市からの参加はなかった。そのため、次回は福岡市内でシンポジウムを開催する必要があると思っている。多くの人が関心を持たない限り、この問題を動かすことはできないから。 

 

撮影日:2019.7.6 

シンポジウムの様子(左は原田和明氏、スライドは脊振山中の埋設地が2ヵ所大きく陥没していることを証言する元社民党・入江県議)

 

こちらは満員となった会場の様子

※写真は「かすや未来」さんのフェイスブックより、前の席に座っていたため全体が写せなかったため。

 

 

245T剤埋設地 九州が圧倒的に多い(営林署の力が強かったということに)

 

 

 

 

林野庁長官の通達前に各営林署で下請け業者に処分指示が出ていた、そのため通達どおりに処分されていない

 

こちらは林野庁長官通達内容「245T系除草剤の廃棄処分について」 ほとんど守られていない    

 

 

これ以上、手遅れにならないように、、

 

 

 

 

 

アウトドア雑誌『Filder 』最新号に枯葉剤最新情報が!




『美しい国のAgent orange/宗像充氏』(赤枠部分)

シンポジウムの資料として配布されました(詳しくは次項で) 

 

 

《参考記事》

ベトナム戦争後、行き場を失った枯葉剤が日本に埋められている――全国54か所の国有林リスト(日刊SPA 2017.11.27)

九州20ヵ所に猛毒埋設 ベトナム戦争の枯れ葉剤成分 専門家「漏出の恐れも」 地元に不安(西日本新聞 2018.8.23)

テレビ西日本・福岡NEWSファイルCUBE2019年2月9日放送) 

 

 

 


脊振山中埋設枯葉剤(245T剤)問題を考えるシンポジウム、本日(6日)開催

2019-07-06 10:30:55 | 245T剤埋設問題
福岡県と佐賀県の県境、背振山中に枯葉剤の原料となる245T剤が埋設されている問題について、本日(6日)午後2時から、粕屋町の政治団体「かすや未来」は、枯葉剤を研究されている北九州大学の原田和明氏を迎え、志免町でシンポジウムを開催します。

今回、九州南部では記録的な大雨によって、各地で被害が発生していますが、1年前の今日、西日本豪雨では、埋設地の近くで土砂崩れが発生しました。埋設地のそばには、福岡市民の水道用水として使用されている五ヶ山ダムがあり、大雨などによる災害で245T剤がダム湖へ流出する危険性が指摘されています。

当事者である福岡市民の関心は今一ですが、今回、福岡市の隣町である粕屋町の方々が問題意識を持って、シンポジウムを開催されます。これを機会に福岡市民の関心が高まればと思っています。お知らせが当日になってしまいましたが、お時間のある方は、ご参加下さい。

開催場所など、詳しくはこちらをご覧ください。



枯葉剤(245T剤)埋設現場(今年2月撮影
九州自然歩道坂本峠入口から10分程のところ




五ヶ山ダム流入口/大野橋付近(先月6月1日撮影)
埋設地は(写真中央)沢の上部






少雨の影響でダム湖の水が減っているため流込部分がよく見える(福岡市はこの沢の上流部で水質検査を行っています)


ふたたび大雨、危険迫る~九州南部記録的な大雨に(7月5日更新)

2019-07-02 22:44:00 | 災害

30日から1日にかけて、九州南部は大雨となった。気象庁によると、30日朝には九州の中央部を発達した線状の雨雲がゆっくり通過、熊本や大分では、積乱雲が連なる「線状降水帯」が発生し、24時間雨量は200~250ミリを観測した。1日は、鹿児島や宮崎で発達した雨雲が次々にかかり、24時間雨量は300ミリを超えた。2日は小康状態で経過したが、明日(3日)からふたたび大雨になるという。気象庁は「命を守らなければならない状況が迫ってきている」と警戒を呼びかけている。西日本豪雨と同じだ。

気象庁が本日(2日)午後2時に発表した資料によると、3日昼前から4日にかけて、梅雨前線の活動が一段と活発となり、九州を中心とした西日本では、猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、所によっては24時間雨量が平年の7月1ヶ月分の雨量を超える記録的な大雨となるおそれがあると警告している。大雨は少なくとも6日頃にかけて続く見込だという。甚大な災害が起きないことを祈るしかない。


※7月3日から5日まで更新しています。(上から順に)


撮影日:2019.7.2

2日午後7時半ごろの福岡市 曇っていた空がローズ色に

 

 

 

 

嫌な予感、、

 

 

 


  《7月3日更新》

3日朝6時の時点で既に記録的な大雨になっている。このあと10時から気象庁は再度、会見を開いて警戒を呼びかける。

 

6月28日から7月3日午前6時までの総雨量(7月3日、NHKおはよう日本より)

熊本県湯前町横谷に注目。観測所は、横谷トンネル(宮崎県境)の北側にあり、近くに市房山(1721m)がそびえる。地形的に線状降水帯が発生しやすいのではないだろうか。 

 

 

 

気象庁・梅雨前線による大雨の見通し(7月3日10時発表) ※大雨特別警報が出される可能性も 

 

 

 


《7月4日更新》

3日、九州南部は記録的な大雨となり、各地で土砂崩れや河川が浸水するなどの被害が出た。残念ながら、鹿児島県では土砂崩れによって2名の方が亡くなられた。(こういう言い方をしては申し訳ないが)これほどの大雨でありながら人的被害は少なかったのではないだろうか。気象庁による二度の会見や自治体による避難勧告が功を奏したのか。はたまた内閣府の警戒レベルは足かせになったりしていなかったか。検証はこれから行われるだろうが、西日本豪雨の悲惨な光景が頭をよぎって避難したという人のコメントが耳に残る。

鹿児島大地頭薗教授は、鹿児島県内では土壌の水分量が高い状態が続いており、少しの雨でも崖崩れが起きる可能性があると警告している。今週末、九州南部はふたたび雨の予報、まだ気を緩めてはならない。 

 

雨量が半端ない まだまだ警戒レベル (7月4日、NHKおはよう日本より)   

 

 

 


《7月5日更新》 

 鹿児島県内の土砂災害現場を見る。(写真及び説明は鹿児島大井村准教授ツイッターより)※説明は要約しています。 

 

 鹿児島市南鹿児島駅周辺の斜面崩壊(シラス斜面の表層崩壊)ここは2012年6月27日にも崩壊が起きており、下部に擁壁が施されている





鹿児島市広木の斜面崩壊(シラス斜面の表層崩壊) 監視カメラで崩壊時の映像が撮られたところ

 

 

 

 

鹿児島市中山の土砂崩れ(指宿スカイライン法面の崩壊)崩壊深は3m程度、深層崩壊未満



今回、単発的な斜面崩壊は見られたものの、九州北部豪雨や西日本豪雨のような同時多発的な土石流など大規模な被害は確認されてない。その理由として、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨は降ったが、同じ場所で2~3時間降り続かなかったことが考えられるという。しかし、来週10日から九州ではふたたび大雨の予報が出ている。今一度、警戒が必要だ。 

九州 来週中頃は大雨か 対策を早めに(ウェザーニュース2019.7.5) 

 

《関連記事》

災害級大雨 厳重警戒 気象庁「命守る行動を」(西日本新聞 2019.7.3)

大雨 鹿児島で1人死亡 九州北部、今夜激しい雨(西日本新聞 2019.7.2) 

大雨・台風情報 タイムライン(西日本新聞2019 7.4)

「少雨でも崖崩れに警戒」専門家 鹿児島県上空から確認(NHKニュース 2019.7.4)

 

《関連資料》

国交省・川の防災情報 

2019年7月九州南部豪雨 被害状況(アジア航測株式会社 2019.7.5)