ようやく国が動き出した。3月末、政府は全国46ヵ所の山林に埋設されている245T剤(枯葉剤の原料)を撤去する方針を固めた。この春、林野庁は自治体に撤去方針を伝える。(もしかすると、すでに伝えているかもしれない)
林野庁は昨年11月、4ヵ所の埋設地(佐賀吉野ヶ里町・熊本宇土市・高知四万十市・岐阜下呂市)をモデルケースに245T剤撤去に向けた調査を開始していた。ただ、昨年度は調査方法を提示するところまでと北九大原田氏からお聞きしていたので、今年度早々、自治体に撤去方法を伝えるというのは意外だった。(なにせ半世紀動いていないので、こちらも悠長に構えていた)
報道によれば、調査の結果、技術的に安全な撤去が可能との結論が出たという。撤去作業については、周囲を汚染しないよう環境省の助言を受けて作業を進め、まず調査した4ヵ所を先行して撤去し、全国に広げるという。林野庁が想定する撤去方法は、埋設地をボーリングし、地中の245T剤の状態やダイオキシン含有量を調べる。その後、245T剤が飛散しないよう覆いを掛け、245T剤を含むコンクリートの塊を取り出す。塊は破断してドラム缶に保管し、無害化処理の専用施設に運ぶ。(この作業にどうして50年もかかるのか)
ところで、今月7日、RKB放送が枯葉剤埋設問題を取り上げていた。脊振山中の埋設地(吉野ヶ里町)の取材で、原田氏が同行されている。埋設地が福岡市民の水がめである五ケ山ダムの近くにあることを空からレポート。また、飲み水への影響はないのか、水質調査をしている福岡市水道局水道水質センターを取材している。さらに、25年前の県議会で発覚した埋設地の陥没ついても触れていた。(おそらく原田氏が情報提供されたのだろう)番組は続き、次回後編は埋設地を管理する佐賀森林管理署を取材する。(放送日は不明)
※本日(5月12日)午後6時半から後編が放送されました。詳しくは別項で報告します。(2022.5.12更新)
【RKB・山中に埋まる「枯れ葉剤」~福岡と佐賀の県境で取材】※画像は動画をキャプチャー(動画はまだ見れます)
五ケ山ダム上空 埋設地はおそらく一番左の鉄塔あたり(五ケ山ダムの向こうに南畑ダム、水は那珂川へ)
五ケ山ダムから約1km
そばに那珂川の番托井堰があり、井堰で溜められた水は浄化されて福岡市民の水道用水に
検査場所は、五ヶ山ダム入り口、南畑ダム入り口、南畑取水口の3ヵ所
※3年前、福岡市に水質検査の情報公開請求をした際の資料など掲載しています。詳しくはこちら。
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