18日午後11時59分、山口県に線状降水帯が発生。気象庁は非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして「顕著な大雨に関する情報」を発表した。ちょうどその頃、激しい雨の音で目が覚めた。19日午前0時半頃、気象庁の雨雲レーダーを見ると、線状降水帯の真っ只中に自分がいた。同午前0時50分頃、国交省川の防災情報を確認すると、すでに厚狭川上流(美祢市東厚保)では氾濫危険水位を超えていた。
厚狭川は大丈夫か。と思っていたところ、19日午前1時15分、山陽小野田市から警戒レベル4(避難指示)のエリアメールが入った。その20分後、午前1時35分、厚狭地区に警戒レベル5(緊急安全確保)が出た。これは大変なことになったと思い、すぐさま厚狭大橋の水位を確認した。午前1時50分頃、氾濫危険水位まで約53㎝のところ。まだ余裕はあった。暫くすると、消防車のサイレンの音が聞こえてきた。街宣で何かアナウンスしている。どこかで被害が出たのだろうか。不安になり、山陽小野田市ホームページを見ると、桜川(厚狭川支流)と随光川(厚狭川水系)で越水の可能性があると書かれていたが、それ以外の情報はなかった。実家は厚狭川に近いが、川より高い位置にあるので避難の必要はないだろうと、そのまま朝を迎えた。(ほとんど寝れなかったが)
報道によれば、山陽小野田市は市内を流れる厚狭川が増水し、住宅が浸水しているという情報が入ったことから警戒レベル5を発表したとある。詳しい状況が知りたかったので、昨日、山陽小野田市危機管理室に問い合わせをしたところ、厚狭川支流の大正川と桜川が越水したことから、気象庁や消防署などの情報をもとに警戒レベル5を出したとのことだった。おそらく、12年前の豪雨が念頭にあったのだろう。なお、レベル5情報はJアラートを使い、厚狭地区の中でも地域を絞って発信したとのことだった。
2010年7月15日の厚狭豪雨災害では、美祢市東厚保で総雨量が588ミリを記録し、厚狭川や桜川が氾濫するなど甚大な被害が出た。そのため、5年の歳月をかけて河川改修工事(河道掘削や拡幅工事)が行われた。それ以降、厚狭川では大きな被害は出ていない。今回、厚狭大橋では降り始めからの雨量が223ミリ(美祢市東厚保では252ミリ)に上っていたが、氾濫危険水位まで到達することはなかった。レベル5が出た後、雨が小康状態になったからよかったが、もしあのまま雨が降り続いていたら、どうなっていたかわからない。
19日午前1時30分、警戒レベル5が出た頃の厚狭川 (山口県土木防災情報システムより)
氾濫注意水位超(水位約3.9m)、氾濫危険水位まで約60㎝
こちらは19日0時30分頃の様子。水位は2.9m、1時間で1m上昇したことに
19日午前0時から1時までに100ミリの雨が降っていた(目が覚めるはず)
目が覚めてみると、、線状降水帯の中だった、、
19日1時50分頃の水位は3.97m、氾濫危険水位(4.5m)まで53㎝のところ このあと水位は徐々に下がった
19日午後4時頃の厚狭川(厚狭大橋より撮影)
水位は下がり、濁った水が流れていた(正面に鴨橋)
このあと福岡へ、大雨で中国道が通行止めだったので下道で、、
《参考1》厚狭川豪雨災害による浸水対策事業(2011年)厚狭川激特だよりより
厚狭川と支流(大正川と桜川)の流量調整は大正川排水機場が担っている。厚狭豪雨災害によって排水ポンプが増設されているが、今回、大正川と桜川で越水が発生し、山川地区で3棟が床上浸水しており、2人が救助されている。市の話によれば、担当者が排水場で待機し、操作していたというが、急激な水位上昇で追いつかなかったのだろうか。ここは検証の必要がありそうだが。
《参考2》厚狭川洪水ハザードマップ
厚狭川で想定される最大規模の降雨(2日間総雨量552ミリ)で氾濫した場合に想定される被害
うちは50㎝未満
《関連記事》
・山口県西部に線状降水帯が発生 災害危険度高まる(NHKニュース 2022.7.19)
・緊急安全確保 命を守る行動を 山口 山陽小野田市の厚狭地区に(NHKニュース 2022.7.19)
・山口県で線状降水帯、山陽小野田市で床上浸水も(テレビ山口 2022.7.19)
《参考資料》
・山陽小野田市。防災・消防特設ページ
・山陽小野田市防災気象情報