今月2日、脊振山系で計画されていた風力発電事業について、事業者の大和エネルギー(本社・大阪府)が事業から撤退する方針を固めたと佐賀新聞が伝えていた。先日、山口でこの報道を目にして、思わず、やった~と叫んだ。これで脊振の自然が守られた。
撤退の要因は、保安林の指定解除に見通しが立たないからで、事業者は5~6月、撤退の方針を唐津市側に伝え、6月下旬に七山3地区の関係者に説明をしたという。大和エネルギーは、今年1月、七山3地区の区長から環境影響評価(アセスメント)の実施に関する同意書を得ていたので、一時はどうなるかと心配していたが、それから間もなく断念していたことになる。
建設予定地は唐津市所有の保安林が含まれており、開発には保安林の指定解除が必要になる。しかし、佐賀県と唐津市は開発要件に満たしておらず、指定解除は困難との見解を示していた。事業者としては諦めざるを得なかったのだろう。が、そもそも保安林に指定されているところに風力発電を計画すること自体、どうかしている。撤退報道から10日程経つが、未だに事業者から正式に撤退表明はされていない。当然のことながら、きちんと説明する責任はあると思うが、こういうところからして、この企業の体質が見て取れる。
何より、唐津市民や糸島市民をはじめ、多くの人が計画に反対したことは大きい。「自然と人々の生活を守りたい」との思いが(撤退を)後押ししたと言ってよいだろう。(私も必死に意見書を書いた甲斐があった)今回の風力発電計画は白紙になって良かったが、これからもずっと脊振の自然が変わらないよう願いたい。
脊振山頂より脊振山系を望む (2021年11月13日撮影)
《関連記事》
・唐津市七山の風力発電撤退へ 大阪の事業者 保安林の指定解除困難で(佐賀新聞 2022.9.3)
・佐賀唐津風力発電事業から撤退 住民の反対運動で(NetIB-News 2022.9.8)
《参考》
・唐津∧糸島の山の未来を考える会(公開グループ) | ついにダイワエネルギー社が本事業からの撤退を表明しました | Facebook