梅雨末期モードの日本列島。心配していた台風3号(熱帯低気圧)による大きな被害はなかった(鹿児島県などで大雨になっていた)が、九州北部は梅雨前線の影響を受け、29日夜から7月2日頃にかけ、災害級の大雨になるおそれがあるという。
昨日(28日)、福岡管区気象台と国土交通省九州地方整備局は合同で記者会見を開いた。昨年の西日本豪雨を教訓に、今季から災害級の雨が予測される場合、気象台と国交省、それに報道各社は合同で緊急の記者会見を開催することを申し合わせていたようで、昨日、初めてそれが実施された。
記者会見によると、今回の大雨の注意点は二つ。一つは、大雨のピークが2回あること。1回目が29日夜~30日朝、2回目が30日夕~7月1日夕。どちらも夜にかかるため、気象台と整備局は「避難は明るいうちに」と呼びかけている。二つめは、気圧配置が西日本豪雨の時と類似していること。梅雨前線は7月2日頃にかけて対馬海峡付近に停滞し、暖かく湿った空気が大陸から東シナ海を通るルートと、太平洋高気圧の周辺を回るルートの2方向から流れ込み、九州付近で合流する。そのため福岡県では、30日6時から7月1日6時までの24時間の降水量(多い所)は、300ミリから400ミリと予想されている。まさに災害レベルだ。
そこで必要になるのが防災情報。が、これが何ともややこしい。西日本豪雨の教訓を生かして、国(内閣府)は、防災情報を5段階の警戒レベルにしたというのだが、そもそも「市町村が出す避難勧告・避難指示」と「気象庁が出す警報・注意報」があったところに、「都道府県が出す土砂災害警戒情報」が入ってきた。そこに今回、「国が出す警戒レベル」が加わった。さらに、「国が出す警戒レベル」と気象庁が使用している「警戒レベル」は一致していない。これで情報がきちんと伝わるのだろうか。何はともあれ、今のうちに備えを。
西日本豪雨時と酷似した気圧配置(6月28日、RKBニュースより)
大雨のピークはふたつ!(6月28日、RKBニュースより)
内閣府公表したわかりにくいガイドイン表に、静岡大学防災総合センター牛山素行教授が加筆作成
福岡県が、市町村が出す避難情報と国や県が出す防災気象情報を5段階に整理(福岡県HPより、5月24日公表)
福岡市の警戒レベル表 何より市町村の情報を優先に(福岡市HPより、6月19日公表)
それにしても福岡市。公表が遅すぎ、G20でそれどころではなかったのか、、
《関連記事》
・九州 災害級大雨に警戒 熊本、48時間600ミリ予想 気象庁(西日本新聞 2019.6.29)
・九州は来月2日にかけ大雨に警戒(NHK福岡ニュース 2019.6.29)
・九州「災害級」大雨の恐れ 29日から7月1日まで 気象台「西日本豪雨に類似」(西日本新聞 2019.6.29)
・週末大雨警戒!300ミリ予想~気象台会見(RKB NEWS 2019.6.28)
《関連資料》
・福岡市HP。「避難指示(緊急)」「避難勧告」「避難準備・高齢者等避難開始」「警戒レベル」とは(2019.6.19)
・福岡県HP。水害・土砂災害の防災情報の伝え方が変わります(2019.5.24)