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試験湛水中の五ケ山ダム放流へ 福岡市水活用(2月2日更新)

2019-01-31 21:41:54 | 五ケ山ダム

福岡市民の水道用水を確保するために、試験湛水中の五ヶ山ダムが放流されることになった。福岡市関連8つのダム貯水率は減り続けており、30%を切るのも時間の問題だと思っていた矢先、福岡市が動いた。30日、高島市長は、昨年秋以降の少雨の影響で、ダム貯水量は過去30年間で2番目に低い状況であることから、五ヶ山ダムの水を使うことにしたと述べた。来週、福岡市は福岡県に五ケ山ダムの放流を要請するという。これで福岡市民の水は確保されることになる。(これはこれで問題はあるが)

一方で、頭を抱えているのは那珂川市だろう。というのも、那珂川市はダム湖を活用した水上スポーツ(カヌーなど)のために整備を進めており(試験湛水中はダム湖は使用できないので)、試験湛水が終わるのを待ちわびている。しかし、放流によって試験湛水の遅れは必至となる。先日、那珂川市は、五ヶ山ダム周辺のアウトドア拠点「五ヶ山クロス」のグランドオープンを3月29日に決定したばかりだが、ダム湖での計画はずれ込むことになるだろう。那珂川市にとっては、さぞかし頭の痛い話に違いない。

五ヶ山ダムは、平成28年10月から試験湛水がはじまったが、なかなか水は貯まらず、昨年7月の西日本豪雨でようやく満水になった。その後、昨年秋からの少雨が影響し、常時満水位を保った状態だった。試験湛水を終わらせるには、サーチャージ水位まで水を貯める必要があるが、あと6m足りない(容量にして約800万㎥)。この状態で放流すれば、どれだけ試験湛水が遅れることになるかわからない。そんなことを考えているのかいないのか、福岡市は五ヶ山ダムから1日当たり18万㎥前後を取水する予定だという。現在、五ヶ山ダムには3200万㎥の水が貯まっているので(このまま雨が降らない場合)、約180日分の水が担保されていることになる。

「五ヶ山ダムをつくってよかった」という声が聞こえてきそうだが、喜んでばかりもいられない。というのも、五ヶ山ダムの水源地近く、脊振山中には枯葉剤の原料となる245T剤が埋設されたままだからである。続きは、次稿で詳しく。  

 


 

《2019.2.2更新》福岡県河川管理課へ問合せ

試験湛水中の五ヶ山ダムが放流されると言うので、ダム情報が公開されるのか(今は試験湛水中のため非公開)、昨日、福岡県河川管理課へ問い合わせをしてみた。すると、福岡市への取水がはじまったとしても公開の予定はないとの返事だった。反論はしなかったが、安全性の問題もあるので情報は公開されるべきだと思っている。

放流について尋ねてみると、何とも言えないと言葉を濁した。おそらく福岡市との協議が行われていないので、はっきりしたことが言えないのだろうと思い、重ねて問い直すと、今後の雨の降り方次第、1週間後になるか2週間後になるかわからないとの返事だった。もしかして放流しないこともあるのか。気象庁の1ヵ月予報を見てみると、2月は雨や雪が多いとなっているが。果たして、福岡市と県との協議はどうなるのか。まさか宿泊税のような対立はないだろうが、気になる。 

 

 

 試験湛水中の五ヶ山ダムに出番が、、(写真:1月12日撮影)

 

 

 

 

あと6mのところで放流、、(写真:1月12日撮影)

 

 

 

 

水は南畑ダムへ、そして福岡市へ ※南畑ダム31日現在の貯水率は16.09% (写真:1月12日撮影)

 

 

 

 

31日9時現在の貯水率は31.98%(15日間で6%、1日平均0.4%ずつ減少)30%を切る前に放流を決断したとみられる

 

 

 

《関連記事》

福岡市が県営五ケ山ダムの水を水道用水に 他ダム貯水量低下、来週にも(西日本新聞 20019.1.31)  

《関連資料》

福岡市HP。五ケ山ダムに貯水中の水を活用します!(2019.1.30)

福岡市水道局。きょうのダム状況(毎日更新)

 


3月9日・10日「五ケ山クロスキャンプ場」プレオープン(2月4日更新)

2019-01-30 11:03:30 | 五ケ山ダム

3月9日と10日、那珂川市の五ヶ山クロスキャンプ場で「五ヶ山フェスティバル」が開催される。3月9日は音楽イベント、10日はウォーキングイベントが予定されている。それに伴い、五ヶ山クロスキャンプ場がプレオープンする。(グランドオープンは3月29日)

那珂川市によると、両日は特別に宿泊できるというのだが、その料金の高さにびっくり。民営キャンプ場ならまだしも、市が運営・管理をするのだから、もう少し安くならないものか。特に、フェンス付きサイトなど(こう言っては何だが)安価なフェンスが設けてあるだけ。それで約1万円。ペットと同伴できるという付加価値があるというのだろうが、いさかか高すぎるのでは。ちなみに、プレオープンでは、ペット同伴は不可。常設テントサイト(白いテント部分)も立入禁止となっている。 

 

 

《2019.2.4更新》2月2日の様子 

2月2日に撮影した写真です。(以下2枚)

 

プレオープンに備えて準備が進む(2月2日撮影)

 

 

 

 

ペットサイト(2月2日撮影)

 

 

 

 

五ヶ山クロスキャンプ場 写真左にフェン付きテントサイト 写真奥に常設サイト(1月12日撮影) 

 

 

 

 

 キャンプ場から陣ノ尾山と一ノ岳城が見える(写真右のふたつのピーク) (1月12日撮影)

 

 

 

 

常設サイトは立入禁止  ここはモンベル考案の「ウォールテンテッドキャンプ」とか、どれだけ高くなる?

 

 

 

 

まさか、グランドオープン前の特別料金?   

 

 

 

※宿泊の申し込みはこちら⇒那珂川あそ部五ケ山フェスティバル宿泊申込フォーム

 

《関連資料》

五ケ山クロスオープン情報

 


博多駅前陥没事故から2年2ヵ月、難関工事はじまる~水抜きのリスクとは

2019-01-29 09:58:08 | 博多駅前陥没

衝撃的な陥没事故から2年2ヵ月、今月18日から事故現場では、最大の難関である水抜き工事がはじまった。工事開始から10日余り、今はまだ準備段階のようだが、もうすぐ試験水抜きが行われる。トンネル坑内には1万4,000㎥(1400万リットル)もの水が溜まっており、さらに6,200㎥の土砂が詰まっている。地盤改良されているとはいえ、これらを上手く取り除くのは容易ではないだろう。

先日、福岡市建設技術専門委員会のメンバーでもある、九大三谷教授は「今からはじめる水抜きが一番の肝、ここが上手く進むかどうかによって、今後の計画も変更になる可能性がある。これは本当に慎重にやらなくてはならない作業だ」とコメントされている。さらに、水抜き後の再掘削(ナトム工法)についても「中の状況が以前掘った時とほぼ同じような健全な状況であれば、それなりの工法(ナトム工法)でいけるが、もし、変状が起こっていると工法は変えなければいけない」と工法変更の可能性を示唆されている。福岡市は、ナトム工法にかなりの自信を持っている(というか懲りていない)が、リスクは潜んでいる。そこを三谷教授も指摘されている。

水抜きが上手くいくかどうかは、地盤改良がいかに確実にできているかによる。というのも、地盤改良範囲には、地下約11mに直径約2.5mの雨水幹線が通っており、陥没時に一緒に落ちた信号機や管路なども埋まっている。こうした箇所は、固化材の噴射や撹拌の度合いを適切に設定できず、改良不足になる恐れがあるといわれている。また、岩盤層と改良部の境界部分、いわゆる難透水性風化岩層の改良が上手くいっているかどうか。高圧噴射撹拌工法は、難透水性風化岩層のような比較的固い地盤では効果を発揮しにくいといわれている。これらの改良が上手くいっていなければ、トンネル内の水位と一緒に周辺の地下水位も下がり、上からの水の流れを止められなくなる。そうなると(ここで手を打たなければ)、ふたたび陥没する恐れもある。こうしたリスクは、市民には知らされていない。

高島市長は著書「福岡市を経営する」の中で、陥没事故の対応を安倍首相や世界から称賛されたことを得意げに語っているが、そもそもの原因は福岡市にある。にもかかわらず、その振り返りも、市民への説明も未だになされていない。あり得ない話だが、これが今の福岡市。そんな中で、水抜き工事がはじまる。工期は約2ヵ月。ポンプを使い、溜まった水を下水管に流す。その後、約4ヵ月かけて土砂を撤去、夏頃から再掘削がはじまる。大成JVも威信をかけて臨むだろうが、油断はできない。



立坑の長さは28m、ここからポンプを使って排水する(写真:RKBニュースより 以下同じ)





このイメージ図には書かれていないが、岩盤層と改良部の境に難透水性風化岩層がある





九大三谷教授、御用学者揃いの委員会の中で貴重な存在

 

 

 

 

トンネルの状態はいかに、、(ナトム工法がよくわかる写真)




 

地盤改良、果たして上手くいっているか、、


 

 

 

現在は準備中、来週5日ごろから試験水抜きがはじまる予定(福岡市資料より)





福岡市交通局がウエブで発信している「工事だより」、市民への説明はこれだけ(1月25日)



 

《関連記事》

博多駅前陥没現場で水抜き工事開始 再掘削に向け、福岡市(西日本新聞 2019.1.18)

《関連資料》

福岡市交通局HP。七隈線延伸事業。

大成JV。福岡市地下鉄七隈線建設工事 博多駅工区(ナトム・人工岩盤掘削区間)に関する情報

 


「五ケ山クロス」3月29日グランドオープン モンベル五ヶ山店も

2019-01-26 09:16:16 | 五ケ山ダム

那珂川市は、昨日(25日)、五ヶ山ダム周辺のアウトドア拠点「五ヶ山クロス」で整備している、キャンプ場など全ての施設のオープンを3月29日(金)にすると発表した。また、ダムサイト記念公園内にある商業施設の物販スペースには、アウトドアメーカーモンベルのグループ会社ベルカディアの入居が決定。モンベル福岡五ケ山店」となる。モンベル直営店は福岡県内では6店目。当初、那珂川市は、全ての施設のオープンを3月1日に予定していたので、約1ヵ月遅れとなる。なお、商業施設内の飲食店はまだ決定していない。 

キャンプ場など施設も充実して、県内外から多くの人が「五ヶ山クロス」に集まることになるのだろうが、問題はシーズンオフ(冬期)をどう活用するか。個人的には、ダムサイト記念公園内に歴史資料館のようなものをつくってほしかったのだが。というのも、ここ五ヶ山は歴史的にも大変貴重な場所であるにもかかわらず、ダム建設のためにそれらが失われたからである。五ヶ山に纏わる歴史を若い人達に伝授するためにも、史料などが見れるような場所があれば。アウトドアをしながら歴史を学ぶのもよいと思うのだが、、

 

 

 「モンベル福岡五ヶ山店」イメージパース(那珂市HPより) 

 

 

 

 

ダムサイト記念公園内に整備中の商業施設 ここにモンベルが入る (1月12日撮影)

 

 

 

 

 

展望台から見る 左が商業施設、右は無人管理棟(1月12日撮影)

 

 

 

 

オープンが延期されたキャンプ場 (1月12日撮影) 

 

 

 

《関連資料》

那珂川市。五ケ山クロスベース商業施設の物販テナントの入居者が決定しました(2019.1.25)

那珂川市。五ケ山クロスオープン情報(2019.1.25) 

 

 


難所ヶ滝情報2019

2019-01-25 16:12:12 | 山・火山

今年に入って暖かい日が続いているが、予報によると、明日はこの冬一番の寒気が流れ込んでくるとか。そこで、気になるのが難所ヶ滝。早速、宇美町のホームページを見てみると、先週末の様子が掲載されていた。が、予想通り、滝は全く凍ってないし、凍った形跡もない。雨は降らないし、気温も高いので無理もないだろうが、これほど凍っていないのも珍しいのではないだろうか。昨年秋からの少雨に加え、冬の気温の高さが、のちにどう影響することになるのか、いろいろ心配になる。もう起きてほしくはないが、災害への備えも必要だろう。いずれにしても、登山はもう少し先がよさそう。登山前には宇美町の難所ヶ滝情報ををチェック!

 

 

先週、1月18日の様子(宇美町HPより)

 凍った形成なし、、

 

 

 

こちらは、昨年2月5日の様子

 昨年、最大の氷壁

 

 

 

《関連記事》

九州北部 26日は雪に注意(NHK福岡ニュース 2019.1.25)   

 

《参考資料》

宇美町HP。河原谷の大つらら(難所ヶ滝)の状況