”オミクロン株は軽症”と流布されてから感染者数はみるみるうちに増え、全国の死者数は17日、271人と過去最多を更新した。そんな中、厚労省にコロナ対策を助言する専門家組織の脇田座長(感染研所長)が「全国の感染者数は2月上旬にピークを越えた」と明言していた。15日までの1週間の新規感染者数が、全国で前週と比べて0.9倍になったことが理由らしいが、まだまだ感染者が増えている自治体もある。福岡県もその一つ。今週は感染者が減少するかと思いきや、じわじわ増えている。17日の感染者数は4384人で、死者数は過去最多の18人。死者は減るどころか増える一方で、予断を許さない状況となっている。
オミクロン株のウイルスはのど付近にとどまり、デルタ株のようなウイルス性肺炎を起こしにくいため、重症化しにくいと言われている。しかし、持病がある高齢者が感染すると話は違う。感染症の専門医で埼玉医科大学の岡教授によれば、高齢者はオミクロンに感染した後、基礎疾患が増悪したり合併症を起こして亡くなっているという。福岡大学病院ECMOセンターの石倉センター長も「介護施設で陽性になり、施設で療養している中で重症化している。コロナで肺が障害を受け誤嚥性肺炎を合併して亡くなる人が増えている」と述べている。持病がある高齢者が感染すると一気に重症化する。オミクロンを軽症扱いしているとそれこそ命取りになる。侮れない。
もう一つ、注意すべき点がある。それは厚労省の診療分類。重症者の区分は、呼吸不全や肺炎により人工呼吸器が必要な人となっている。(肺炎になりにくい)オミクロン株で重症者が少ないのはこうした背景がある。このカラクリに嵌まっているのが福岡県。緊急事態宣言の要請基準を重症者と中等症者が730人を超えてからというから恐ろしい。そうしている間に死者は増えている。大丈夫か。
恐るべし、オミクロン (画像:西日本新聞/国立感染症研究所提供)
福岡県新型コロナ陽性者数(RKBニュースより)
先週より減っているものの、じわじわ増えている (画像:RKBニュース)
福岡県新型コロナ感染症発生状況(福岡県HPより)
これまでが可愛く見えてしまう、、
軽症者の多さが目を引くが、死者は(2月18日時点)157人に上る
《福岡県、病床使用率トップ 2022年2月20日更新》
福岡県の病床使用率(2月19日時点)が84.5%となり全国1位になった。次に高いのは大阪の77.8%。ついに危険水域に入った。
・9府県、病床「警戒水域」 福岡や大阪、使用率70%以上(共同 2022.2.20)
・病床使用率(新型コロナウイルス) (uub.jp)
《余談》
今回、姉の体調が良いこともあり(母に託して)、どうにか福岡に戻って来れた。頼みの綱だった介護施設は感染者が増えて以降(私が県外なので)利用できない上、介護施設でクラスターが相次いでいるので慎重にならざるを得ない。昨日は都内でオミクロンBA2の市中感染も確認されており、さらに感染が広がる恐れもある。ここは踏ん張るしかない。(福岡滞在時間が少なくブログを書くのも必死😅)
《関連記事》
・「いきなり重症化」第5波の3倍…オミクロン株で死者が最悪ペースの理由(西日本新聞 2022.2.17)
・“新型コロナ死者”福岡県は2月に入り120人超~福大病院の医師に聞く(RKBニュース 2022.2.17)
・脇田座長「第6波 2月上旬にピーク越えた」厚労省 専門家会合(NHKニュース 2022.2.16)
・福岡県「重篤度を判断要素に」緊急事態要請、重症・中等症者数など新基準(西日本新聞 2022.2.8)
《参考資料》
・厚労省。新型コロナ感染症COVID-19 診療の手引き(第6.0版)
・福岡県HP。福岡県内の発生状況