今日から9月ですね。読書の秋ですよ。
今年の出版業界の話題は、芸人又吉さんの「火花」が全部持ってっちゃった感がありますが、直木賞受賞作 東山 彰良作<流>もお忘れなく。
史上初の満票での直木賞受賞。ある選考委員が、「20年に1度の傑作」と言っていましたよ?
受賞後すぐ図書館で予約したら、何百人も予約待ちで、こりゃあ自分の順番が来るまでに、10年くらいかかりそうだな、と新刊を買いました。
舞台は1970年代後半の台湾。おもしろかったです。躍動感がすごい。日本人には無いバイタリティにあふれたエネルギッシュでパワフルな登場人物たち。
1人の少年の成長物語なのですが、その無軌道ぶりや、たくましさが熱くて、胸躍ります。冒険活劇であり、青春小説であり、家族の物語であり、そして戦争に正義は無いことを教えてくれます。
若い頃、台湾に出張した時は、街の騒々しさや、亜熱帯のカジュアルさに、どうしてもなじめなかったのですが、齢を重ねて、今はそんなんヘッチャラだと思う。
台湾のエネルギーを受け止めるだけの図々しさは身についたと思うし。汚い屋台こそウマイ、とい言われたら、そうだろうな、と。
台湾ネタをもうひとつ。「あの頃、君を追いかけた」という珠玉の台湾映画があります。こちらもあわせておすすめしたい。
ハッピーエンドじゃないのに、爽快過ぎて、涙が出るくらいハートウォーミングな映画です。
(公式サイトより)