火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

ローバーは、どこへ行く・・・

2014-10-09 21:52:44 | EXOMARS

ExoMars roverの着陸候補地が下記の4ケ所に絞られました。
昨年12月に検討開始してMawrth Vallis、 Oxia Planum、 Hypanis Vallis、Aram Dorsumの4候補まで絞りました。
下図を見ると着陸について、結構厳しい制約があることが分かります。
着陸しやすいのは、Oxia PlanumだとJorge Vagoさん(ESA's ExoMars project scientist)が言ってます。
次の段階は、4候補地について着陸成功の確率も含めて検討を進めることになるようです。
2016年の中ごろまでには、少なくとも1候補を抽出し、2017年のしかるべき時に最終決定がされるとのことです。
*予算の関係があるからか、なんだか歯切れが悪いですね。 

4候補地は、着陸したクリュセ低地の周辺でViking1号とMars Pathfinderが着陸した地域と似通った場所です。
35億~40億年前、火星では気候が温暖で水分が多くあって、原始生命が誕生した可能性が高いと考えられています。
この4候補地ともに、水の存在が確実視される地形と古い岩石が確認されており、生命が過って存在した可能性があると言うことです。

MawrthVallis は、Curiosityの着陸候補地でもありました。
火星で最も古い(38億年前)水の流れた跡がある場所のひとつです。
ここに、過って水が作用したことを示す素晴らしい層状の粘土に富んだ岩石の露出面が見られます。
この画像は、NASAのMROのMORAの地形データとESAのMars ExpressのHRSC画像を組み合わせて作られました。
黄色と青色の楕円は、それぞれ2018年打上の場合と2020年打上の場合の着陸楕円を示しています。
大きさは、170km×19kmです。 

Oxia Planumには、火星で粘土に富んだ古い(約38億年前)もっとも大きな露出面のひとつがあります。
その素晴らしい層状の地層は、Mawrth Vallisの地層と似ていることから堆積と湿潤の様々な環境を記録している。
この画像は、NASAのMROのMORAの地形データとESAのMars ExpressのHRSC画像を組み合わせて作られました。
黄色と青色の楕円は、それぞれ2018年打上の場合と2020年打上の場合の着陸楕円を示しています。
大きさは、104km×19kmです。  

Hypanis Vallisは、侵食された河川扇状地にあって、大きなvalley networkの端に位置する古代の河川の三角州の残部と考えられています。
きめの細かい堆積岩の明瞭な層は、約34.5億年前に堆積した物質へのアクセスを提供します。
この画像は、NASAのMROのMORAの地形データとESAのMars ExpressのHRSC画像を組み合わせて作られました。
黄色と青色の楕円は、それぞれ2018年打上の場合と2020年打上の場合の着陸楕円を示しています。
大きさは、104km×19kmです。  

Aram Dorsumは、西からのAram Dorsum channelから名前を受け継いでいます。
Channeiの周りの堆積岩は、はるか地球のナイル川の周辺に堆積した沖積堆積物と同様であると解釈されます。 
この画像は、NASAのMROのMORAの地形データとESAのMars ExpressのHRSC画像を組み合わせて作られました。
黄色と青色の楕円は、それぞれ2018年打上の場合と2020年打上の場合の着陸楕円を示しています。
大きさは、104km×19kmです。   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年のヒートシールド完成!2018年の着陸候補地は、4ケ所に絞られたようです。

2014-07-14 00:14:14 | EXOMARS

7月8日Airbus Defence and Spaceが2016年のミッションのEDM(the Entry, Descent and Landing Demonstrator Module)の為のヒートシールドを完成したと発表しました。
EDMは、Schiaparelliと呼ばれていますね。
下図がSchiaparelliのヒートシールドで、前と後ろの2枚で構成されています。

左が火星大気突入時に前にあるフロントシールドで直径 2.4メートル、質量 80キログラムで90枚のタイルからなり、最大1,850度の高熱に耐えることができます。
右がリアシールドでパラシュートが収まり、質量 20キログラムで12種類の異なるタイプの93枚のタイルからなっています。
2016年1月にプロトンMロケットで打上げられる予定。 

Space Airbus Defence and Space :Airbus Groupの1部門で、従業員 4万人、総利益 140億ユーロの防衛・宇宙企業です。ヨーロッパで一番大きく、世界で2番目に大きい。

Schiaparelli(EDM)の着陸サイトは、下記の赤い★のところです。Opportunityの近くですね。

 

EXOMARS 2018年の着陸候補地は、現在下記の4ケ所となっています。
 Mawrth Vallis (2ケ所重なってます)、Oxia Planum、Hypanis Vallis、Oxia Palus

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロンドンに火星の砂場

2014-03-30 14:31:51 | EXOMARS

3月28日のCNNのOdd Newsによりますと、2018年に予定されているESA(ヨーロッパ宇宙機関)のExoMARSのローバーのテスト施設が完成したとのことです。
ロンドンの郊外にAirbus Defence and Space社が建設した「MARS YARD」という施設です。
Airbus Defence and Space社の発表は、こちらです。
* http://airbusdefenceandspace.com/airbus-defence-and-space-opens-state-of-the-art-extended-mars-yard-rover-test-area/

長さ30m、幅13mで壁面も含め全体を火星を模した作りとなっています。
使用された砂が300トンとのこと。施設内も火星の明るさに合わせてあるとのことです。
総工費は、約50万ポンド(8,500万円)。
ヨーロッパ初の火星探査ローバーは、1日に70mの自律航法(autonomously navigate)が計画に入れられています。
最低でも2018年の打上までには、autonomous navigation systemを完成する必要があります。
「MARS YARD」は、その為の試験施設となります。
更に、ローバーが2019年に火星に着陸したあとも、火星上で何か問題に直面した際の解決策を検討するために利用されます。
「MARS YARD」がイギリスに建設されたことで、イギリスのVince Cableビジネス担当国務長官は、「イギリス製造業の高い技術力を示すと共に、今後も最先端の技術力を維持することができる。更に雇用の創出に繋がる。」と喜んでいますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ESAとロシア正式合意!米もサポート

2013-03-17 22:54:31 | EXOMARS

3月14日のESAの発表によりますとESAとロスコスモスがExoMarsを協同で開発することで正式に合意したとのことです。
2016年、2018年に計画されている2つのミッションを協同で実施します。
SpaceRefにも同じ記事が載っていますが、ミッションの概要のメモがあり親切です。


ESA のJean-Jacques Dordain事務局長と RoscosmosのVladimir Popovkin長官がESA本部(パリ)でサインしているところです。

火星に生命がかつて存在したことがあるかどうか確証することは、現代において顕著な科学的な問かけでありExoMarsプログラムの最も高度な科学的優先事項のうちの1つだとのことです。

*ESAは、以下の提供をします。
2016年度:the Trace Gas Orbiter (TGO)と the Entry, Descent and Landing Demonstrator Module (EDM)
2018年度:the carrier と rover
*ロスコスモスは、以下の提供をします。
2016年と2018年の打上のためプロトンロケット
2018年の降下モジュールと地表プラットフォーム
*両パートナーは、科学機器を供給し、ミッションの科学的な開発に緊密に協力します。

下図は、TGOです。
TGOは、活発な生物学または地質学のプロセスのサインであるメタン及び他の大気中のガスの調査をします。
また、2018年のミッションでデーターの中継をする予定です。


EDMは、2018年のミッションのための重要な技術を証明するために火星に着陸します。

下図は、2018年のローバーです。現在もしくは過去の生命の証拠を調査します。
地下深く約2m掘ることができるので、宇宙線やオキシダントの影響を受けていないサンプルを採取できるでしょう。
このローバーは、ロシアの降下モジュールで火星の地表まで運ばれる予定です。
降下モジュールには、科学機器を装備した地表プラットフォームが含まれています。

「ExoMarsの2つのエキサイティングなミッションでヨーロッパとロシアが産業界と科学者達を含め協力し合うことは、将来の国際的ミッションのじゅんびとなるし、新技術の開発にも繋がる。ソユーズに次ぐ重要なプロジェクトになるだろう。」とのことです。
今後の宇宙開発が国際協力の下で行われるのが当たり前になっていく歴史的な実験といえるでしょうね。
NASAも全く知らん振りということではなく、TGOにthe Electra UHF radio package、EDMにMars Proximity Link telecom と engineering supportを供給するとのことです。
2016年1月の打上に向けてExoMarsは、まさに国際協力の実験場となります。

ExoMarsに続いては、火星からのサンプルリターンという大目標が控えているということですから
ワクワクしますね~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱いぜイ!

2012-06-20 23:17:14 | EXOMARS
2018年打上予定のESAのExoMarsに使用されるローバー「the Seeker」のテストが5月にチリのアタカマ砂漠で行われた様子が6月18日に紹介されています。



実物大の大きなローバーは、室内実験や屋内実験を繰り返していました。
そして、火星環境に近いアタカマ砂漠での実地テストとなったわけです。
テストでは、目的の6kmの走行は、残念ながら5.1kmに止まりましたが、素晴らしい多くの経験を積むことが出来たとのことです。
6kmを完走できなかったのは、天候が理由でした。
試験当日は、非常に暑く風が無かった為、「the Seeker」が異常に熱くなり、風が出るまで停止させた影響とのことです。
下図は、ローバーの走行の様子です。
大きな画像で見ると人が写っていてローバーの大きさが判ります。




流石に火星っぽいです。
しかし、NASAのローバーと大きく違うのは足回りです。
壊れにくさを追求した結果なんでしょうか?なんだか走りにくそうですが・・・
試験した場所は、ヨーロッパ南天天文台の近くで、寒さや風の強い夜には避難場所を提供してくれたとのこと。
「the Seeker」は、完全自律走行を計画していて6kmを時速900mで走り、最初の場所に戻る予定でした。
ESAでは、火星とのタイムラグが最大で40分ほどとなるので自律走行での探査を計画しているとのことです。

下図は、UAVを整備しているところです。
このUAVで航空写真を詳細に撮影してその情報を元に「the Seeker」の走行プログラムを作成したそうです。


下図は、このテストを実行したThe StarTiger Seeker industrial teamです。



手前左から
Gary Crossさん - BAE Systems - Robotic Platform
Dr. Mark Woods - SciSys - Seeker Technical Lead
Dr. Bach Van Pham - LAAS - DEM Generation and Absolute Localisation
Patricio Raul Arias Ortizさん - Field Guide
後ろ左から
Unal Artanさん - MDA - Path Planning
Estelle Tideyさん - Roke Manor - Visual Odometry
Dr. Andy Shaw - SciSys - Software System Lead
Wayne Tubbyさん - RAL - Programme Logistics and Support
Aron Kisdiさん - RAL - Programme Logistics and Support
Brian Maddisonさん - RAL - Project Manager
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Phobos-Gruntの遺産

2012-06-11 22:56:17 | EXOMARS

RIA Novostiの写真です。

6月11日のMarsDailyに6月8日付のRIA Novostiの記事が紹介されていました。
ESA spokesmanの Rene Pischelさんが「今年の11月に火星探査プロジェクトへのロシアの参加が正式に決まる。」と先週の金曜日(6月8日)に発表しました。
現在、調整中で11月のESA閣僚会議の後に正式調印となるようです。
既にロシア側は、ロシア科学アカデミーの宇宙会議でExoMarsへの参加が承認されたとのことです。
また、この記事によりますとRoscosmosは、以前、あっけなく失敗に終わったPhobos-Gruntの12億ルーブル(約4070万ドル)の保険金でExoMarsの調達資金を一部カバーすることができるかもしれないと言ってたとのことです。
3月18日の当ブログ「何とか粘り腰で、行くぞマーズ」での情報では、3.5億ユーロ程の資金が不足しているので、焼け石に水のような額ではありますが、心強い援軍です。
Phobos-Gruntと違って今回は、Protonロケットを使用する計画なので大丈夫かと思います。
しかしながら、ロシアの惑星探査は、曰く付きですから不安があります。
過去に囚われず、最善を尽くして欲しいものです。

国際プロジェクトとして進んで欲しいと期待してます。
人類の英知を!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカ抜きでの国際プロジェクト・・・

2012-04-09 21:56:28 | EXOMARS
4月6日のロシアの声によりますとESAのExoMarsにロシアが参加の意向を示しています。



「ロスコスモス(ロシア連邦宇宙庁)のウラジーミル・ポポフキン長官と欧州宇宙機関のジャン=ジャック・ドルデン長官はモスクワで会談を開き、欧州共同の火星調査プロジェクト「エクゾ・マース」へのロシアの参加について協議する。」
とのことです。
アメリカ抜きでの国際プロジェクトとなりますね。
でも、願わくばアメリカにも参加して欲しいものです。
火星は、人類が総力を上げて協力し合うことでしか辿り着けない難しいテーマだと思いますし、それが故に人類が一体となれるテーマだと・・・
今後の動きを注視したいと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何とか粘り腰で、行くぞマーズ

2012-03-18 18:55:45 | EXOMARS
アメリカの突然の離脱によって危ぶまれていたExoMarsは、ロシアの参加を得て生きながらえた模様です。
詳しくは、SpaceNewsMarsDailyにて
SpaceNewsは、space-libraryさんから教えていただきました。



しかしながら、ミッションは2016年と2018年を一体として実施することで成果が得られるものです。
2016年のミッションは、実施に向けて動き出しましたが、資金面での課題が引き続き残された形でEU19カ国内で調整をしつつ、資金獲得に知恵を絞る必要があることに変わりは無いようです。
ESAは、ExoMarsの予算を10億ユーロ獲得していますが、EU各国から8億5千万ユーロの確約しか得ていないのが実情です。
更にNASAの撤退によって予算総額は、12億ユーロとなることが予想されています。
全世界の経済状態が悪い中で厳しい状態が続くことに変わりはありません。
でも、とりあえず2016年のミッションは、青信号が点灯した訳で、ESA本部は、スケジュールの点検に入っています。
このミッションは、Thales Alenia Space(フランスとイタリア)が主導しています。

また、ExoMarsはESAによる有人火星探査を目指すAurora計画の一環で計画されたものです。Wikipediaは、こちら
2016年には、周回機と着陸機。
2018年には、着陸機2機の構成となってます。
生命の探査のほか2020年代にサンプルリターン計画があり、更に有人探査を視野に入れた調査となる模様です。


当面のミッションのタイムラインは、以下の通り。

2012年
March - April : Mission concept review concluding on the joint Rover architecture
March     : Preliminary Design Review of the DREAMS payload - kick off
January    : Study completion on the possible cooperation with the Russian Space Agency

2016年、2018年の打上を目指して粘り腰を発揮して欲しいものです。
日本の参加も考えてみましたが、当面日本は、MELOS計画をしっかりやって技術者の育成に繋げるのが良いと思います。
それにしてもロシアの参加は、PHOBOS-GRUNTの失敗と関連あるのではないでしょうか?
ミッション中止によって予算も人員も余裕が出た訳でしょう。
今度は、プロトンロケットを使用するということですので火星までしっかり届けてくれることを期待しましょう。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仲間が増えそう!

2011-10-20 22:25:50 | EXOMARS
10月18日のMarsDailyによりますと先日のESAの事務局長のJean-Jacques Dordainさんのロシアへの呼びかけが実を結びそうです。
Oleg Korablyov(ロシア科学アカデミーの宇宙研究研究所の本部長補佐)さんがロシアにとってもExoMars計画に参加することが大変意義のあることだとえらく乗り気です。
将来的には、ESAとロシアで火星の気象観測のネットワークを構築できると期待しています。
ESAは、プロトンロケットの使用に関してロシアと話し合いを開始する意向です。
この記事では、ロシアの発言にアメリカに対しての対抗意識がある様に伺えますが、アメリカも巻き込めれば、欧米ロの協力関係が進む可能性が大です。
更に日本や中国も参加した人類による人類の為の火星探査そして入植計画が・・・構築され、実行される日が~待ちどうしいです。
夢を見過ぎでしょうか・・・
それにしてもESAのサイトでは、この件について確認できていません。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピンチをチャンスに!仲間を増やそう!

2011-10-17 22:35:38 | EXOMARS
10月13日のSpaceNewsによりますとExoMarsの計画が危機的状態となっているようです。
ピンチをチャンスに変えるべくESAの事務局長のJean-Jacques Dordainさんが必死の綱渡りを始めています。



ExoMarsは、2016年に周回機と着陸機。2018年には、着陸機2機の構成となってます。
いずれも打上げは、NASAが担当していましたが、昨今の経済情勢の中、2016年のNASAの打上げが怪しくなっているようです。
実際には、来年の2月にNASAは最終決定するとのことですが・・・
Dordainさんは、当然NASAの決定を待つといってますが、急遽ExoMarsの正式なメンバーとしてロシアに声を掛けた次第です。
2016年の打上をロシアに依頼したい思惑ですが、NASAも引き止めておきたい・・・
でも、ロシアを単なる助っ人としてではなく、正式メンバーとして招請している訳なので、ひょっとすると願っても無い素晴らしい国際協力のプロジェクトになるかもしれません!

ESAとしては、2016年と2018年の2つが連動することでより良い成果を期待しているので、片方だけにする訳には行かないのです。
また、ESAの18の加盟国のうち13国がExoMars プログラムに参加していますが、それぞれどこかを分担することで費用を出し合っている状態です。
そのため、2つの計画の一部でも中止すると脱落する国が出てくるのは、必然で、そうなると資金はますます減ることとなります。
全体計画には、約10億ユーロ(13億5000万ドル)が予算として必要ですが、19か国の機関は今までで8億5000万ユーロしか確保できていないのです。約85%ですね。
当ブログの2009年12月23日では、予算が8億5000万ユーロでしたので、増えたんでしょうか?
それにしても、15%足らないだけで、安易な対応をするとExoMarsプログラムそのものが無くなってしまう可能性がある訳です。
ESAのDordainさんが必死になるのは、理解できますね。
ロシアに来年1月末までに回答をくれるよう要請してます。
今のところ、事務局としてロシアの情報は掴めておりません。
ぜひ、参加して欲しいものです。
日本のMELOSも丸ごと参加したらどうでしょうか?研究者としては、難しい面もありますかね・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また一歩近づきました

2010-08-05 23:33:37 | EXOMARS
NASAとESA共同のEXOMARSは、2016年、2018年と周回機と着陸機を打上げる予定です。
そして2020年代には、いよいよ火星からのサンプルリターンが実現します。

その第一陣の2016年打上げ予定の周回機(The ExoMars Trace Gas Orbiter)に搭載する機器を決定したとの発表が8月2日にありました。



周回機は、ESAの着陸機(Europe’s entry, descent and landing demonstration vehicle)と一緒にNASAのロケットで火星へと打上げられます。

<搭載機器>
①MATMOS(Mars Atmospheric Trace Molecule Occultation Spectrometer)
 大気の分子成分の極低濃度を検出する赤外分光計。
 主任研究者:Paul Wennberg(カリフォルニア工科大学、パサディナ、米国)
 参加国: 米国、カナダ。

②SOIR/NOMAD(High-resolution solar occultation and nadir spectrometer)
 大気の中の微量な構成成分を検出して、表面でのそれらの分布を描くための赤外分光計。
 主任研究者:Ann Vandaele(宇宙航空ベルギー研究所、ブリュッセル、ベルギー)
 参加国:ベルギー、イタリア、ES、GB、米国、カナダ。

③EMCS(ExoMars Climate Sounder)
 赤外放射計は、分光計データの分析を補助するため、大気中のほこり、水蒸気、および化学物質の毎日の全球測定を供給する。
 主任研究者:John Schofield(ジェット推進委研究所、パサディナ、米国)
 参加国: 米国、GB、フランス。

④HiSCI(High-resolution Stereo Color Imager)
 カメラは、8.5kmの幅でpixel当り2mの解像度の4色立体画像を提供する。
 主任研究者:Alfred McEwen(アリゾナ大学、ツーソン、米国)
 参加国: 米国、CH、GB、イタリア、DE、フランス。

⑤MAGIE(Mars Atmospheric Global Imaging Experiment)
 他の機器をサポートする全体像を提供する広角のマルチスペクトルのカメラ。
 主任研究者: Bruce Cantor(マリン宇宙科学システム、サンディエゴ、米国)
 参加国: 米国、ベルギー、フランス、RU。
 
詳しくは、下記にて(国の略号で分からないものは略号のままとしました。)
http://www.esa.int/export/esaCP/SEM6XEZNZBG_index_0.html

まだ、先の話ではありますが、計画が着実に進んでいる様子です。
社会情勢に左右されるわけですから、早まる可能性もあるということを期待してましょう。
これだけの国が参加するプロジェクトは中々ないと思います。
具体的にやることで、技術は磨かれるし、新しい発想や発見も生まれてくることでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いよいよゴーサイン!

2009-12-23 15:18:46 | EXOMARS
12月18日ESA(欧州宇宙機関)は、EXO-MARSが承認となったと発表しました。
費用は、8億5千万ユーロ。
ESAの18の加盟国のうち13国がExoMars プログラムに参加しています:
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、およびカナダ。
NASAとも提携して計画が進められていますので、国際的協力体制による宇宙探査の時代が進んでいくことが期待されます。



2016年には、周回機と着陸機。2018年には、着陸機2機の構成となってます。
生命の探査と2020年代にサンプルリターン計画があり、更に有人探査を視野に入れた調査となる模様です。

詳細は、下記にて
http://www.esa.int/esaCP/SEMIH8AK73G_index_0.html

更に詳しくは、下記にて
http://exploration.esa.int/science-e/www/area/index.cfm?fareaid=118

最接近日は、2016年は、5月30日(7,528万km)。
2018年は、7月31日(5,759万km)。
今までの打ち上げ時期からすると最接近日の4-5月前に打ち上げられるのでしょう。
また、一歩前進です。楽しみですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突入実験は熱い

2009-11-03 14:25:54 | EXOMARS
10月27日のMarsTodayによりますと、ドイツの研究機関のDLRでExoMarsの火星大気圏突入のシュミレーションを行っている模様が報告されてました。
DLRとは、「Germany's national research centre for aeronautics and space」のことです。(下記にて)

http://www.dlr.de/en/desktopdefault.aspx/tabid-636/1065_read-1465/

実験は、ドイツのゲッチンゲンにある高エンタルピートンネル(the high-enthalpy tunnel)を使用して行われています。
此処は、超音速での大気圏突入の研究をする為のヨーロッパの大規模実験装置の一つだそうです。



上の画像は、風洞内のExoMarsカプセルの様子です。
火星大気圏への突入は、音速の数倍の速度で行われカプセルの周囲を火星大気が時速約1万6000キロメートルの速度で流れます。
表面温度は、6000℃となり太陽の表面温度より高くなるようです。
火星の高度40kmの大気中での飛行の状態のシュミレーションとなります。
風洞内でカプセルを固定した場合と糸で吊った場合とでテストするとのことですが、吊った場合は、糸がすぐに熱で切れてしまうそうです。
しかしながら、カプセルはほんの一瞬のあいだフリーに優雅に飛行を続けるとのこと。
そのほんの一瞬でデータが充分に取れるそうです。
画像の詳しい説明がないので色とか線については、解りません。
ところで、記事の最後にExoMarsの最新の計画として下記の2点が書かれてますが、

・2016年にESA単独での着陸船と軌道船。
・2018年にNASAのリードの元にドリルを持った着陸船。

ExoMarsのサイトは、いまだ2013年打上となってましたが?
現時点の私の認識では、2016年打上げというところなんですが・・・。
やはり、経済危機の影響で更に伸びるのでしょうか?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火星探査技術が地球を抽出(キュウシュツ?)する!

2009-06-14 22:27:13 | EXOMARS


6月10日付けのMARSTODAYによると、2018年打上げ予定のESAのExoMarsで使われるために開発された岩石から有機物を抽出する技術が従来、コスト的に使用できなかったタールサンドの使用に道を開くとのこと。
これを開発したのは、Mark Sephton教授(ロンドンのImperial大学Earth Science and Engineering学部)です。
石鹸などでお馴染みの界面活性剤を使用するということ。それ以上の情報は、出てませんが、特許などの関係でしょうね。

MrasTodayの記事は、下記にて
http://www.marstoday.com/news/viewpr.html?pid=28415

そしてこちらが原本です。
http://www.stfc.ac.uk/PMC/PRel/STFC/marksephton.aspx

エネルギー資源は、世界経済に不可欠なものです。その中でも原油は、主要エネルギー資源で、世界のエネルギー消費の35%以上を占めるとのことです。原油の供給に翳りが見えるようになって、今まで使われなかったタールサンドのような原料に注目が集まっています。しかし、今まで使われなかった理由がある訳で、タールサンドは、抽出して精製されなければ使用できません。そして、その精製を経済的に行う必要がある訳です。
詳しくは、分かりませんが、抽出には大量の水が必要になるようです。
そして、今回開発された新技術は、水の使用を抑え、更に汚染された水の再生もするということで画期的にコストをさげられるとのことです。
どうもイギリスの資金で開発されてますので、特にイギリスに利益があるような言い方をしてますね。「イギリスと世界経済に利益となる」というような言い方です。
それにしても、ExoMarsは、打上が2年延期されたんですよね。いい技術持ってんだから打ち上げを早めて欲しいですね!
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする