ESAの10月21日の発表によりますと、Schiaparelli は、軟着陸に失敗したことが確実となりました。
http://exploration.esa.int/mars/58480-mars-reconnaissance-orbiter-views-schiaparelli-landing-site/
*huffingtonpost.jpさんの日本語の投稿は、こちらです。
http://www.huffingtonpost.jp/engadget-japan/mars-orbiter_b_12604474.html
下図は、MRO(NASA's Mars Reconnaissance Orbiter)によって撮影されたものです。
Schiaparelli が着陸する予定の地点に新しい黒点が見つかりました。
地域と時間的に、この黒点は、Schiaparelli が火星地表に激突した結果と考えられます。
火星大気への突入は、予定通り10月19日の14:42 UTC(23時42分 JST)だったようです。
ただ、着陸予定の1分前に通信が途絶えたとのことで、パラシュートの切り離しが早すぎたのと、スラスターが十分に機能しなかったと考えられています。
MROが発見した黒点の状況からSchiaparelli は、高度2-4kmの高さから落下して300km/hの速度で地表面に激突したと見積もられています。
着陸のタイムラインは、以下のとおりです。
0m00sec:14時42分 UTC
Enter the atmosphere altitude of about 121 km、speed of nearly 21,000 km/h
1m12sec:14時43分12秒 UTC
Heatshield Protection 45km、19,000 km/h
3m21sec:14時45分21秒 UTC
Parachute deploys 11km、1700 km/h
4m01sec:14時46分01秒 UTC
Front Shield separates, radar turns on 7km、320km/h
5m22sec:14時47分22秒 UTC
Parachute jettisoned with rear cover 1.2km、240km/h
5m23sec:14時47分23秒 UTC
Thruster ignition 1.1km、250km/h
5m52sec:14時47分52秒 UTC
Thuster off, freefall 2m、4 km/h
5m53sec:14時47分53秒 UTC
Touch down 0m、10 km/h
上記を見ると、着陸1分前に通信が失われたということは、4m01sec:14時46分01秒 UTC (Front Shield separates, radar turns on 7km、320km/h) と5m22sec:14時47分22秒 UTC (Parachute jettisoned with rear cover 1.2km、240km/h)の間にトラブルが発生したと推定されます。
したがって、パラシュートの切り離しが早すぎたのとスラスターが十分に機能しなかったことの裏付けとなります。
NASAのMROの報告は、こちらです。
http://mars.nasa.gov/mro/news/whatsnew/index.cfm?FuseAction=ShowNews&NewsID=1947
ESAでは、Schiaparelli は、軟着陸に失敗したが、火星大気突入から降下までの情報を取得できたので、2020年のExoMarsのミッションは、予定通り実行可能との見解ですね。
まだ、情報収集しているところなので、 Schiaparelliが画像を取得していることを期待してます。