NASAが7月23日にRequest for Information (RFI) を発行しました。
2020年以降の火星-地球間の通信システムを一新したいということです。
RFIの詳細は、こちらです。
現在、火星地表面では、OpportunityとCuriosityが活動しています。
軌道上には、OdysseyとMRO(Mars Reconnaissance Orbiter)そしてESAのMars Expressが周回しています。
さらに、今年の9月には、MAVEN(the Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)が火星軌道に投入されます。
2016年には、ESAのExoMarsのTrace Gas Orbiterが火星軌道に投入される予定です。
Odysseyは、2015年頃、MROは、2018年頃には役目を終えることと思われます。
その後継機としてMAVENが投入されたのですが、それ以降の予定は立てられていません。
2020年代には、火星-地球間の通信に問題が生じることとなります。
NASAは、2020年代には、従来型の通信ではなく、革新的な通信手段を採用したい考えです。
そのため、民間の活力を利用したいとのことです。
現在考えられている技術としては、レーザーや光通信だそうです。
レーザーは、2013年10月に月-地球間でLADEE(Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer) missionにより実証されました。
*LADEE(Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer) mission
LADEEは、月-地球間の382,000km以上の距離で622メガビット毎秒(Mb/s)の驚異的なダウンロード速度を達成しました。
因みに、Curiosityが直接地球との通信をX-band direct-to-Earth (DTE) を用いて地球のDeep Space Network 34m antennaと通信した場合は、500 b/s以下の速度です。
Curiosityが火星周回機を経由して地球と通信する場合は、 2 Mb/sとなり、1Solあたりで500 Mbの通信が可能となります。
LADEEの通信速度は、火星-地球間の現状の速度と比べると夢のようですね。
今回のRFIは、ロボットミッションのためとなっていますが、事務局は、有人探査のためにも通信速度を高めてほしいと思っていたところです。
やはり、映画や音楽はもちろんスポーツ(サッカーのワールドカップ、ツールドフランス等)も自由にダウンロードして楽しみたいですものね。