火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

Insightのモールがもぐり始めたようです!

2020-10-23 00:44:59 | InSight

NASAのInSightのサイトによりますと、HP3のセンサーであるモールを地表面下に完全に押し込むことが出来たということです。下図のスクープが持ち上げられたところを見るとモールは、全く見えなくなっていますね!
https://mars.nasa.gov/news/8776/nasa-insights-mole-is-out-of-sight/?site=insight
この後は、モールを周りの地面と密着させて、地面との摩擦力とモールの掘削用のハンマーの作動によって、少なくとも地表面から3m(本来は5m)の位置に設置することを目指すためにスクープを使ってモールの周りの土を固める作業をするとのことです。
この作業などで、次にモールが地下に向かって前進を開始するのは、来年の初めになるようです。
(C)NASA / JPL-Caltech

10月16日付けのDLR(ドイツ航空宇宙局:Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)の「InSightミッションログブック」では、以下の通り苦労して前進した様子が報告されています。
https://www.dlr.de/blogs/en/all-blog-posts/the-insight-mission-logbook-1144.aspx/ressort-2/
ーーーー以下拙訳--------------
8月10日の前回の日誌で、予想以上に砂をピットに押し込むことに成功したと報告してます。しかし、それでも私たちは、モールの後端を傾斜したスクープで押し続けて、地面に少し深く入れたいと思っていました。次に、スクープの助けを借りずにプローブがさらに地面に移動するかどうかを再度テストすることを計画しました。言い換えれば、「フリーモールテスト」と呼ばれるものを実行します。

残念ながら、これらのテストは、より困難になった条件下で行われてました。特に、近くの砂嵐と太陽電池への塵の沈着の結果として火星大気中の塵は、利用可能な電力を大幅に減少させました。これにより、HP3放射計は必要な測定を実行できなくなりました。さらに、減少した電力可用性の管理に関連する運用チームへの要求の高まりによって、モールとスクープが9月以降は、2週間に1回しか運用できませんでした。従って、8月22日(Sol 618)と9月5日(Sol 632)に100ストロークで2回、9月19日(Sol 645)に250ストロークで1回、合計3回のハンマー操作が実行されました。

(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、2020年8月22日に30度傾斜したスクープで打つ様子です(Sol618)。 スクープが砂の中を移動していることがはっきりとわかります。 ケーブルの動きは、モールがスクープの下でさらに動くことも示唆しています。

(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、2020年9月19日に30度傾斜したスクープで打つ様子です(Sol645)。スクープは、最初は更に砂の中を移動しますが、約60%の時間が経過しても動きはありません。一方、ケーブルは、モールの動きの結果として動き続けますが、ケーブルが地面の奥深くまで進んでいることをはっきりと見ることはできません。

最初の2回のハンマー打ちと、3回目のハンマー打ちの前半で、スクープがさらに砂の中に入ることがわかりました。モールはスクープの下に隠れていたため、プローブ自体の貫通を直接観察することはできませんでした。打撃中、プローブに向かって走っている平らなテザーはかなり動きましたが、これらは8月22日の打撃中の前進運動としてのみ明確に識別できました。全体として、スクープの動きから、モールが最大で1センチメートル離れて移動したと推定できました。 9月19日の250回のハンマー打撃のラウンドの後半に、おそらくduricrust(表層固結物)に遭遇したために、スクープがそれ以上進まなかったことを観察することは興味深いことでした。これは、2回目のフリーモールテストの実施を可能にしたため、確かに望ましい結果でした。実際、プローブはテザーの動きに応じて動き続けましたが、これらの動きがモールを地面に深くしたことを明確に判断することはできませんでした。
 プローブの不確定な動きとかなりの時間がかかることを考慮して、チームは広範な議論の末、この方法をあきらめ、代わりにピットを埋めることにしました。この目的のために、スクープは10月3日に持ち上げられ、ピットが見えるようになりました。
(C)NASA / JPL-Caltech

上図は、10月3日にスクープを持ち上げた後のピット(Sol659)。砂の中のスクープの痕跡がはっきりと見えます。モールは完全に砂で覆われており、穴は大部分が埋めら​​れています。右側の画像は、10月17日に計画されている2つのスクープの動きを示しています。

次のステップについて話し合った後、10月17日土曜日に2つの平行スクープ移動を実行することを決定しました(Sol659)。その後、熱伝導率の測定が実行されます。これにより、埋め戻しに関する間接的な指標も得られます。次に、中身を押して砂を圧縮し、モールを押します。埋め戻しの結果に応じて、ピットを埋めるためのさらなるアクションが計画されてから、さらにハンマーで叩き、後で別のフリーモールテストが行われます。
――――以上拙訳ーーーーーーーーーーーーーー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モールが地表面下に・・・

2020-06-08 00:48:12 | InSight

6月3日付けのDLR(ドイツ航空宇宙局:Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)の「InSightミッションログブック」によりますと、InSightのHP3のセンサーであるモールを地表面下まで押し下げることが出来た!ということです。

本来ならば、下図のようにモール(温度センサー)は、地表面下5mの位置に配置されているはずでした。

(C)DLR(CC-BY 3.0)

目論見では、モールが地面との摩擦力を利用して掘削用のハンマーの作動によって、地下5mまで潜っていく予定でした。
しかしながら、周りの地面との摩擦力が十分でないためと、予想より硬い地盤の影響で潜っていくどころか、はじき返されたのです。
そこで、地面との摩擦力の替わりとして、モールの後ろにInsightのアームの先についているスクープの底を押し当てることでモールが地表下に潜り込んで行く「the 'back-cap push'」という作戦を実行しました。
その結果、Sol 458(3月11日)に地表から約7センチメートル上にモールの後端があった状態からスタートして、11週間にわたる6サイクルのハンマリングの結果、Sol 536(5月30日)にモールを押していたスクープが地表面と接触するところまでモールが地表下に潜ったとのことです。

これからは、スクープの先端を使ってモールがさらに深く潜っていくサポートを実施する予定です。
DLRでは、難しい作業であるが出来ないことではないと、自信を示しています!

詳しくは、DLR-Blogs「Logbook entry 3 June 2020」をご覧ください。
https://www.dlr.de/blogs/en/desktopdefault.aspx/tabid-5893/9577_read-1090/

*進展しましたね!関係者の粘り強い活動の成果だと思います。
 モールよ!5m地下まで潜ってくれ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火星の今を、突撃取材中!

2020-03-01 01:25:00 | InSight

2月24日にNASAのInsightの最新ニュースが発表されました。
当ブログ「火星の1年間の振動 ver2_2019.12.28 」で報告していた情報のNature Geoscienceの論文ですね!

https://mars.nasa.gov/news/8613/a-year-of-surprising-science-from-nasas-insight-mars-mission/?site=insight

(C)IPGP / Nicolas Sarter

Insightの探査結果の最初の10ケ月分がNatureに5つの論文として正式に掲載されました。
内容は、火震・ダストデビル・未知の磁気パルスについてです。
https://mars.nasa.gov/insight/mission/science/research-papers/
また、Nature Geoscienceの追加の論文で、エリシウム平原にある「Homestead hollow」と呼ばれる浅いクレーターであるInSightの着陸地点について詳しく説明しているそうです。

InSightが2018年11月に着陸してから最初の火震を記録するまでに数か月かかりました。 2019年末までに、SEISは1日に約2つの火震信号を検出しているので、たまたま火震が少ない時期にInSightが着陸したと考えられています。
その中で、より大きな火震のうち2つによって、その発生位置が、火山およびテクトニクス活動の最近の証拠を示しているCerberus Fossae地域と確定されました。

*Cerberusは、ギリシア神話に登場する犬の怪物から名付けられたそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AD%E3%82%B9
*Fossaeは、穴とか窩(あな、あなぐら)という意味

下図がCerberus Fossaeで観測された地すべりの画像です。

(C)NASA / JPL-Caltech /アリゾナ大学

下図は、地震活動を調査しているInSightの様子を示す火星の断面図。

(C)JT Keane / Nature Geoscience

火震の成果が上がっている反面、Insightは、火星内部の温度を測定するHP3(熱流量プローブ)のセンサー"the mole,"の設置に、未だ手こずっています!!
火震の測定などから、火星が生きている惑星であることが証明されつつありますので、HP3も頑張ってほしいところです。

論文等も読むと面白いのでお勧めですが、2月13日放送のNHKのコズミック フロント☆NEXT「浮かび上がる火星の真実 探査機インサイト」も見てください。面白いし、凄く良くわかりました。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/1861/2120256/index.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火星の1年間の振動 ver2_2019.12.28

2019-12-26 00:04:04 | InSight

12月22日のHazard labさんの記事によりますと、12月にサンフランシスコで開催された米地球物理学連合(AGU)の秋季学会で、NASAジェット推進研究所がInsightの最新報告を発表したそうです。それによりますと、Insightが過去1年間(地球年)で322回の地震(=火震)を観測し、その地震の中に2つの大きな地震が確認され、InSightの着陸地点から1600キロほど離れた「ケルベルス地溝帯」(下図)の断層が震源の可能性があるとのことです。
*InSightが火星に着陸したのは、2018年11月26日11:52 PST(11月27日4:52 JST)で、地震計の設置は、2018年12月19日でした。

(C)ESA / DLR / FU BerlinCC BY-SA 3.0 IGO

Hazard labさんの記事は、こちら:https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/2/32425.html

ーーーー*下記のAGUの発表は、ネタ元ではないようです。2019.12.28追記----

Hazard labさんのネタ元は、多分このAGUでの発表かと:https://eos.org/features/a-modern-manual-for-marsquake-monitoring

12月27日付のNationalGeographicさんの記事によりますと、ネタ元の論文は現在査読中とのことです。

NationalGeographicさんの記事:
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/122700763/

ーーーーーーーー追記終了ーーーーーー

*火星の内部が明らかになるのが楽しみですね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

火星の熱を!!

2019-10-07 11:45:40 | InSight

火星で静かに活躍中のInSightには、下記の3つの機器が搭載されています。
1)SEIS(地震計):火星内部活動の震動および他の活動の正確な測定。
     製造担当:CNES(the French Space Agency )、IPGP(the participation of the Institut de Physique du Globe de Paris)、ETH(the Swiss Federal Institute of Technology)、MPS(the Max Planck Institute for Solar System Research), Imperial College、JPL  

2)HP3(熱流量プローブ):惑星の進化の代表的指標の温度測定。
     製造担当:DLR(the German Space Agency)

3)RISE(位置情報):太陽引力による火星軌道のゆれや地球との位置変動の測定によって火星内部構造の測定。
     製造担当:JPL 

SEIS(地震計)とRISE(位置情報)は、着々と成果を上げています。
が、、、HP3(熱流量プローブ)は、未だにセンサー"the mole,"の設置に手こずっています!!
"the mole,"を地下5mまで打ち込む計画ですが、現時点で35cmしか打ち込めていないとのことです。
理由は、"the m
ole,"を打ち込む場所の地質条件が打ち込むための前提条件と異なっていたためでした!
"the mole,"を打ち込むためには、打ち込んだ場所の土から圧迫される力を利用する必要があるのです。
その土との摩擦力で"the mole,"は、下へ下へと打ち込むことが出来るということです。

ところが、地表面から5~10cmにduricrustという土壌の表面または表面近くの硬い層が有ったためだそうです。
この固い層は、"the mole,"を打ち込めないほどの固さではないものの、崩れやすいため"the mole,"が必要とする摩擦力が得られていないという訳です。
 今、火星で"the mole,"が頼りにできるのは、InSightのロボットアームだけです。でも、地球で多くの科学者が知恵を絞っています。
①アームで空いた穴を土で埋める ②アームで"the mole,"を土に押し付ける 等々いろいろなアイデアが試されています。

アームだけに、「腕の見せ所」ですね!
近いうちに朗報が聞けることを期待してます!!!

(C)NASA/JPL-Caltech.

地球での検討状況の動画は、下記にて
https://www.youtube.com/watch?v=uuJoyZ0IuLk&list=PLTiv_XWHnOZpoZ2QD4-3PATeFxAXK-8uA&index=1

ネタ元
insight

https://mars.nasa.gov/news/8518/nasas-push-to-save-the-mars-insight-landers-heat-probe/?site=insight

https://mars.nasa.gov/insight/spacecraft/instruments/hp3/

日本語の情報
sorae

https://sorae.info/space/20191005-insight.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

転がる石!!!!

2019-08-24 11:04:32 | InSight

InSightが2018年11月26日、火星に着陸した時、歓迎に来ていた小さな石があったそうです!
余りに近すぎて、InSightの着陸時の噴射によって転がってしまいました!
その石は、JPLによって「Rolling Stones Rock」と名付けられました。
ミックを初めキース、チャーリー、ロンが喜んでいます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
ミックの話も聞けますよ!
https://mars.nasa.gov/news/8504/nasa-jpl-names-rolling-stones-rock-on-mars/?site=insight

It's Only Rock'n'Roll 懐かしい!

日本語の記事は、こちら
https://www.udiscovermusic.jp/news/nasa-gives-a-name-to-the-rolling-stones-rock

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マルコは、何処へ!

2019-02-07 00:22:44 | InSight

InSightの着陸を見届けたキューブサット”MarCO(Mars Cube One)”が火星から遠く離れて連絡不通になったようです。
昨年末に沈黙してしまい、1ケ月以上が経過しています。
InSightの着陸を見届けた後に、火星と木星間の調査をする予定だったそうですが、、、研究者は、がっかりです!
https://mars.nasa.gov/news/8408/beyond-mars-the-mini-marco-spacecraft-fall-silent/?site=insight

日本語の記事は、sputnikさんで、こちら
https://jp.sputniknews.com/science/201902065891313/

下図は、MarCO-B(WALL-E)がInSightと一緒に火星へ向かって接近している時に撮影した画像です。

(C)NASA / JPL-Caltech

軌道計算に基づいた推定によると、MarCO-B(WALL-E)は、現在火星を過ぎて100万マイル(160万キロメートル)以上離れており、MarCO-A(EVE)は、火星を過ぎてさらに約200万マイル(320万キロメートル)離れています。
現時点では、2機のMarCOと再び連絡がつくことはないと考えていますが、今年の夏にMarCOと連絡を取る試みをする予定です。
それまで、MarCOたちのバッテリやシステムが保つかどうかは、悲観的ですね。

しかしながら、今回のMarCOの働きのおかげで今後もキューブサットの活躍の場が広がっていくようです。
コストも格段に安くなるので、政府機関だけでなく民間企業でも宇宙開発に乗り出しやすくなるということです。

*NPO法人でも自前の探査機を飛ばせるようになるかも・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

収まった!地震計SEIS

2019-02-06 00:33:25 | InSight

Insightの地震計SEISが収まるべき場所に収まったと・・・
昨年の12月19日に地震計を火星の地表面に設置して調整を続けてきましたが、計器が正確なデータを集めるのを助けるために地震計を「Wind and Thermal Shield」で下図のように覆いました。
これで、火星の風と気温変化に影響されないで火星内部の調査に専念できますね!
詳しくは、下記サイトにて
https://mars.nasa.gov/news/8407/insights-seismometer-now-has-a-cozy-shelter-on-mars/?site=insight

(C)NASA / JPL-Caltech

地球で地震計は、地下約1.2 mに埋められていることが多いようで、温度を安定させるのに役立ちます。
InSightは火星上で、その地震計を保護するためにいくつかの対策をします。
風と熱のシールドは防御の第一線です。
防御の2番目のラインは、火星表面の野生の気温の変動を補正するために特別に設計されたSEISそのものです。
地震計は、一部の部品が伸縮するにつれて、他の部品が反対方向に伸縮してこれらの影響を部分的に相殺するように設計されています。さらに、この機器はチタン製の球体に真空シールされています。
この球体は敏感な内部を断熱し、温度の影響を軽減します。
しかし、それだけでは十分ではありません。球体はさらに別の断熱容器 - SEISの展開中に見える銅色の六角形の箱 - に囲まれています。
この箱の壁は、空気を閉じ込めて動かないようにするセルでハニカム構造になっています。火星はこの断熱材に優れたガスを供給します。その薄い雰囲気は主に二酸化炭素で構成されており、低圧では特に熱伝導が遅くなります。

これら3つの絶縁バリアにより、SEISはデータに入り込むノイズから十分に保護されています。
最後に、火星環境からのさらなる干渉の大部分は、InSightの気象センサーによって検出され、その後ミッション科学者によって修正されます。

InSightのチームは、次のステップの準備をしています。
熱流と物理特性パッケージ(
HP 3と呼ばれる熱流プローブを火星表面に配置することです。
それは来週やってくれるようです。

*着々と準備が進められてますね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポーラー!聞いてくれ、火星の風だ!

2018-12-09 00:04:50 | InSight

Insightから火星の風による振動の音が送られてきました。風速は、5~7メートルとのこと。
Insight搭載のSEIS(地震計)と気圧計による観測ですね。
*SEIS(地震計:火星内部活動の震動および他の活動の正確な測定)

初めての火星からの音です。下記サイトで聞いてみてください。
InsightのHPです。
https://mars.nasa.gov/news/8397/nasa-insight-lander-hears-martian-winds/?site=insight

youtubeです。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=yT50Q_Zbf3s

日本語の記事
NHK:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181208/k10011739741000.html

CNNの記事:https://www.cnn.co.jp/fringe/35129837.html

でも、マイクロフォンによる直接的な音ではないことが少し残念です。
そして、1999年1月に打上げられて、12月に火星着陸を目指して火星大気圏に突入後、着陸に失敗したMars Polar Lander のことを思い出しました。
そのマイクロフォンは、米惑星協会が作成したものだったのです。
Mars Polar Landerの概要:https://mars.nasa.gov/msp98/lander/fact.html
Mars Polar Landerのマイクロフォン:https://mars.nasa.gov/msp98/lidar/microphone/index.html

下図は、Mars Polar Landerと思われる火星地表面の画像

(C)NASA / JPL / MSSS

失敗の原因は、失敗学会のこちらの記事で。
コスト削減で火星探査機が消失」http://www.shippai.org/fkd/cf/CA0000640.html

でも、次のアメリカの火星探査機MARS2020に2つのマイクロフォンが搭載される予定です。
待ち遠しい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やったあ!!見事な着陸でした。

2018-11-27 23:28:42 | InSight

InSightがElysium平原に無事着陸しました。
着陸時間は、11月26日11:52 PST(11月27日4:52 JST)です。
Phoenixでの実績があるとは言え、見事な着陸でしたね!
地球を出発してから約7ケ月間、4億8千万kmの旅でした。
今回の新しい試みであるCubeSats のMarCOもInSightの大気圏突入から着陸までをしっかりフォローしてその役割を果たしました。
これからは、OdysseyがInSightと地球の橋渡し役となります。
それにしても、いつもながら凄い喜びようでした!

(C)NASA/B. Ingalls. 

https://mars.nasa.gov/news/8392/nasa-insight-lander-arrives-on-martian-surface/?site=insight

そして、下図がInSightから送られてきた火星の画像です。
太陽パネルが無事展開しました。

(C)NASA / JPL-Caltech

https://mars.nasa.gov/news/8393/insight-is-catching-rays-on-mars/?site=insight

InSightは、Phoenixと同型機ですが、わずかに大きくなっています。これらの変更は、活動期間が1火星年(2地球年)を予定しているため必要でした。
*Phoenixは、火星のひと夏の活動のみでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すべて順調!TCM6の必要なし!

2018-11-22 18:18:27 | InSight

いよいよInsightが火星に近づいて来ました。
現在、18:14時点で火星までの距離が722,138kmで到着時間が4日10時間40分と言う感じです。

https://mars.nasa.gov/insight/

10月24日に当ブログでお知らせしたように同伴しているMarCOが計画通り働いてくれると、InsightのEDLと着陸の様子がリアルタイムで中継されることとなります。

リアルタイムと言うことは、火星から地球までの通信時間が8分7秒掛かりますので、そのタイムラグで知ることができるということです。
この凄いところは、大気圏突入から着陸までタイムラグなしで実況されると言うことです。
今までには、無かったことです。
(今までは、火星大気圏突入が分かってから後、着陸してから送られてくる画像を確認するまでのなんともいえない空白の時間がありました。)
Insightは、順調に飛行しているということで、着陸22時間前に予定されている軌道調整(TCM6)を行わない予定だそうです。
NASAは、自信を持っていますね。
*TCM:Trajectory Correction Maneuvers

下記が10月26日(PST)にJPL Mission ControlがInsightのクルーズステージ分離から着陸までのイベントに関する信号を受信する時間です。

  • 11:40 am PST(27日4:40 JST) - 火星までInsightを運んだクルーズステージからの分離
  • 11:41 am PST(27日4:41 JST) - 大気進入のために宇宙船を適切に向ける
  • 11:47 am PST(27日4:47 JST) - エントリー、降下および着陸フェーズを開始する約12,300 mph(19,800 kph)での大気進入
  • 11:49 am PST(27日4:49 JST) - 減速、保護熱シールドのピーク加熱は約2,700°F(約1,500°C)に達し、
  • 15秒後 - ピークの減速、強烈な加熱により無線信号に一時的なドロップアウトが発生する可能性がある
  • 11:51 am PST(27日4:51 JST) - パラシュート展開
  • 15秒後 - 熱シールドからの分離
  • 10秒後 - ランダーの3脚の展開
  • 11:52 am PST(27日4:52 JST) - 地面までの距離を感知するレーダーの起動
  • 11:53 am PST(27日4:53 JST) - レーダー信号の最初の取得
  • 20秒後 - バックシェルとパラシュートからの分離
  • 0.5秒後 - retrotockets、または降下エンジンが発射を開始する
  • 2.5秒後 - 着陸のための正しい方向に着陸させるための「重力ターン」の開始
  • 22秒後 - InSightはソフトランディングのために一定速度(17mphから一定の5mph、または27kphから8kphまで)に減速し始めます
  • 11:54 am PST(27日4:54 JST) - 着陸、火星の地表面に到着
  • 12:01 pm PST(27日5:01 JST) - InSightのXバンドラジオから「ビープ音」を直接地球に戻し、InSightが無事に、火星の地表面で機能していることを示します

午後12時04分(27日5:04 JST)、火星表面上のInSightからの最初の画像

午後5時35分(27日10:35 JST) - Mars Odysseyによるソーラーアレイを展開したInSightの確認

ーーーーーーーーーー以上、EDLイベントーーーーーーーー

記者会見は、NASA_TVなどで配信されます。https://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/#public

11月26日3:00から 着陸前最終記者会見

11月26日6:00から NASAソーシャルスピーカープログラム

11月26日8:00-12:00 Insightのライブショット(メディアチャンネル)

11月27日4:00から InsightのEDLライブ放送

11月27日7:00から 着陸後の記者会見

詳細は、惑星協会のEmilyさんのブログが分かりやすくまとめられています。
http://www.planetary.org/blogs/emily-lakdawalla/2018/mars-insight-landing-preview.html

着陸地点の概要
https://mars.nasa.gov/insight/timeline/prelaunch/landing-site-selection/

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1,280万km先に、火星が!

2018-10-24 12:14:44 | InSight

(C)NASA / JPL-Caltech 

上図は、InSightと同伴しているCubeSatsのMarCOが10月3日に初めて火星を撮影したものです。
火星までの距離が1,280万kmです。はるばる3億9,900万kmを飛んできました。
InSightの着陸を見届けるために、
あと8,500万kmを飛行しなくてはなりません。

https://mars.nasa.gov/news/8377/nasas-first-image-of-mars-from-a-cubesat/?site=insight

MarCOは、InSight打上時に同じロケットで打上げられて、InSightと同伴して単独で火星を目指して飛行しています。
その、目的は、InSightの着陸後の情報を素早く地球に届けることです。
InSightが大気圏突入してEDL(突入、減速、着陸)の情報は、MRO(マーズ・リコネイサンス・オービター)が担当します。
その補助をMarCOが担うというわけです。

MarCOに関しては、下記サイトで
https://www.jpl.nasa.gov/cubesat/missions/marco.php

下図は、MarCO-Aと-Bの2機の勇姿です。
今回のデモンストレーションミッションが成功すれば、将来の火星ミッションでの大気突入とタッチダウンの間の大変重要な数分間を自前で通信することが可能になります。

(C)NASA / JPL-Caltech

基本的なCubeSatユニットは、約10センチメートル四方の箱です。
MarCOは、6ユニットのCubeSatです。
2つのMarCOは、約36.6センチメートル×24.3センチメートル×11.8センチメートルの収納サイズを有するとのことです。
こんな小さなCubeSatで4億8,400万kmも飛行して、火星で一仕事するなんて・・・凄い!と思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大変だ!急がなくては・・・

2018-08-27 00:14:48 | InSight

NASAがInSightの火星着陸を盛り上げるデジタルクリエーターを募集しています!
締め切りは、9月3日20時59分 PDT(日本時間9月4日12時59分)です。
1.募集人数は、30名
2.日程
11月25日:InSightについて学ぶ
11月26日:InSightの着陸をNASAの関係者と共有する
3.参加者には、次のようなチャンスが与えられます。
・特別な放映前の着陸説明会に参加する
・NASAのジェット推進研究所周辺の特別施設ツアー
・InSightミッションの科学者とエンジニアと話す
・NASAのソーシャルメディアマネージャーなどとの交流
4.応募資格
デジタルツールを使用して多くの人に情報を伝えた実績のあるクリエーターを募集しています。
(NASAやマスコミが伝え切れていない多くの人にも情報を伝えたい!)
あなたが伝えていることと、支持者の特徴を教えてください。
5.その他
・JPLまでの旅費(交通費・宿泊費)は、自前。
・米国民でなくても応募可能。
・登録は、譲渡不可。

詳しくは、こちらこちら

https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2018-201&rn=news.xml&rst=7222&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

https://www.nasa.gov/social/digital-creators-apply-for-nasa-mars-landing-event

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Insightは、巡航ステージです。

2018-05-07 21:09:05 | InSight

5月5日午前4時5分 PDT(5月5日20時5分 JST)にNASAの火星探査機「Insight」がアトラスVロケットで米・カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられました。
https://mars.nasa.gov/insight/news/8333/nasa-ula-launch-mission-to-study-how-mars-was-made

飛んでいく軌道は、下図のとおりです。Insightは、約483百万kmを飛行して、11月26日12時 PST(11月27日5時 JST)に火星に着陸する予定です。
https://www.jpl.nasa.gov/news/press_kits/insight/mission/

AstroArtさんの記事は、こちら
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9893_insight

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勇気ある決断・・・

2015-12-23 16:14:48 | InSight

12月22日InSightのニュースで、NASAは、打上げ延期を発表しました。
http://insight.jpl.nasa.gov/newsdisplay.cfm?Subsite_News_ID=38476

理由は、SEIS(地震計)の真空シールの不良です。
今年の初めには、解決されていた真空化の問題が再発したようです。
月曜日に極低温(マイナス45℃)でのテスト中に真空を保持できなくなりました。
詳細は、不明ですが、来年3月の打上げまでには、解決できないと判断し、打上げ延期を決断したとの事です。
次の打上げチャンスは、2018年5月頃となる見込みです。
12月16に、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に運ばれた宇宙船は、デンバーのロッキードの施設に返されます。 
残念! 

SEISです。

ただ、NASAの担当者は、このようなことは過去にもあり、その結果、確実な成果を得て来ている。今後とも火星探査を推進していく方針に変更はないと言ってます。

Curiosityも打上げ延期がありましたが、その結果、Galeクレーターで大活躍してますね。
当ブログの2008年12月7日 「え!え!延期~」をご覧ください。

がっかりしましたが、確実な成果に繋がることを期待して、次のチャンスを待つことにしましょう! 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする