INSPIRATION MARSは、MrasOneと比べると地味な感じですが、NASAの後押しもあり、事務局は実現性が高いミッションと思ってます。
MarsOneがバブル的な手法で国際的な国々を巻き込む形ですが、INSPIRATION MARSは、アメリカ人の飛行士2人で、宇宙分野でのアメリカの威信に重点を置いてます。
ただ、2018年に実施と言うのが、火星最接近を狙ったものですので、外的要因にスケジュールが縛られている点が不安要因です。
機が熟した訳ではない・・・でも、今でしょ!
INSPIRATION MARSは、既にフィジビリティスタディが実施されています。
INSPIRATION MARS FACT SHEETに沿って概略を確認しておきます。
ORGANIZER: Inspiration Mars Foundation(インスピレーション火星財団)
NASAと国際宇宙ステーションに由来した最新テクノロジーを使用し、先例がない科学、エンジニアリングおよび教育機会用のプラットフォームを提供することを目的とした501の(c)3のNPO。
MISSION: “fast, free-return”ミッションとして火星の周囲を廻って帰還するユニークな、501日間の歴史的なミッション。
「アメリカのためのミッション」として作り出されました。2018年が火星大接近となるため実現性がより高まっています。
TARGET LAUNCH DATE: Jan. 5, 2018(火星大接近は2018年7月31日、距離 5,759万km)
*火星接近距離は、2020年 6,207万km、2022年 8,154万km、・・・・2031年 8,278万km、2033年 6,328万km、2035年 5,691万km となっています。
2030年代は、オバマさんのミッションと重なるため2018年をターゲットにしたようです。
でも、このお陰で20年も早く有人火星探査の扉が開く可能性が出て来ましたね。
ニュースなどでは、2018年が駄目だったら2031年までチャンスが無いような言い方をしてますが、2020年と2022年でもチャンスは、あるのではないでしょうか?
MISSION DETAILS: 火星から100マイル以内を通過します。
*100マイル(160km)まで近づくと言うことは、火星周回機MRO、MarsOdyssey、MarsExpressや衛星Phobos、Deimosの内側を通ることになります。
万が一どれかとぶつかる可能性は、無いのでしょうね。
10時間程度は、火星から10万km以内を保つようです。
10万kmは、Phobos、Deimosの外側の距離です。
Phobos:公転半径が9,378kmで公転周期が7 時間 39.2 分、Deimos:公転半径が23,459kmで公転周期が1日 6時間 17.9分
ミッションは、利用可能な国際宇宙ステーションに由来し、実証されたlowEarth軌道(LEO)宇宙輸送システムおよびその技術を利用します。
詳細は次のものを含んでいます:
・地球から出発した改良されたカプセルは、1回の軌道修正で火星-地球自由軌道へ乗ることができます。
・打上ロケットは、既存もしくはそれを改良することで開発可能です。
*火星協会の見解と一致しますね。
・追加の修正は単に小さな軌道修正でしょう。そして、火星の重力の影響力により、地球への帰還コースに乗ります。
・膨張式の居住モジュールは発射の後に展開し、再突入に先立って分離します。
・閉ループ生命維持装置および運用上のコンポーネントは、宇宙船内部に置かれます。簡単で実用的なメンテナンスおよび修理が出来るように設計されています。
SIMPLICITY: フライバイの構成は、リスクが少ない。
・地球軌道上を離れた後は、危険な軌道修正などは必要ありません。
・火星大気へのエントリーはありません。
・遷移火星軌道に乗った後は、ランデブーやドッキングは、ありません。
・火星への最短の往復ミッションを描いています。
・2018年の打上機会は、11年毎の太陽活動極小期と一致し、最少の太陽放射線照射となります。
CREW MEMBERS: 2人の専門家の乗組員(1人は男性、1人は女性)が個人の米国市民として飛ぶこと。
乗組員選出および特定の基準の方法は、後日に発表されます。
FEASIBILITY: 火星は、挑戦だが人間の宇宙探検および知識を進めるための到達可能なゴールを示します:
・人間の宇宙探検技術、およびNASAと宇宙産業によるオペレーションへの投資は、この火星探査ミッションを達成可能にする適切な時に集中しています。
・エキスパートは危険、報酬および積極的なスケジュール、発見技術とシステムが今日存在し、テストされて、単に適切に統合される必要があるということを調査しており、飛行の準備をしました。
・もっと詳細な実行可能性調査は、2013年のIEEE航空宇宙会議で3月前半に示されるでしょう。
*提出済みとなってます。
その結果、財団は、このミッションを試みる実現可能性を完全に調査し、アメリカのためにこのユニークな機会を利用するのに可能なことすべてを行うつもりです。
MISSION BENEFITS: インスピレーション火星探査ミッションは、次のものを含むことでアメリカの多くの利点を示します:
・宇宙探検の次の大きな時代の知識、経験および勢いの促進
・新しく最先端の研究および潜在的な発見の生成
・さらに技術開発を駆り立てること
・NASAの技術への納税者投資の数十年間を有効にすること
・調査でリーダーとしての米国の地位を強くすること
・科学、技術、エンジニアリングおよび数学(STEM)教育による若さおよび動機づけの励起
*STEM:science, technology, engineering and math
KEY PLAYERS: Inspiration Mars財団は、このユニークな挑戦に取り組むために低コストで、協力的、非営利的な方法を確立しました。
財団は、ミッション、計画監視、トレーニング、システム開発、処理およびオペレーションのための初期の契約者として以下の人々がいます。
・Dennis Tito:インスピレーション・マールス財団の議長
・Taber MacCallum:インスピレーション・マールス財団および最高経営責任者の最高技術責任者およびパラゴン宇宙開発株式会社の最高技術責任者
・Dr. Jonathan Clark:インスピレーション・マールス財団、およびベイラー医科大学の神経病学および宇宙医学の準教授のチーフ保健所員および国立宇宙生医学研究所の宇宙医学アドバイザー
NASA INVOLVEMENT: パラゴン宇宙開発株式会社は、再突入設計および熱保護用の技術、システムおよび戦略を確証するために返済すべき宇宙行為協定の下のNASAエイムズ・リサーチ・センターとの協力を確立しました。その基礎は、さらに環境管理、被曝管理、および人間の健康および生産性計画を含むもっとこのミッションの中で挑戦的な要素のうちのいくつかに的を絞る際にNASAの援助を求めるでしょう。
EDUCATIONAL OMPONENT: STEM教育で私たちの学生の間の興味を再生することは、財団の全面的ミッションのきわめて重要な部分です。
Inspiration Marsは、全国的に著名な教育者に協力しており、人を動かさずにはおかない教育のK-12プログラムを設計するのを支援することをSTEM組織およびスペース教育エキスパートに依頼しています。
教育チームおよびプログラムの開発は、ナンシー・コンラッド、コンラッド財団の創立者およびCEOによってリードされています。
*同感ですね。火星に行く意味については、人類の発展の継続性に繋がると言う部分が大きいと思います。
今もっている技術の延長線上に「火星へ行って、無事帰還する技術」が見えていると考えていますので・・・若い人材の育成が重要となります。
FINANCING: 主として個人の博愛の寄付金を通じて資金提供されました。
財団は、さらに官民のパートナーシップの一部としてユニークな専門知識、インフラストラクチャーへのアクセスおよび他の技術援助を提供することができる政府パートナーを捜すでしょう。
*Dennis Titoさんが、既に2年分の資金を提供したとの情報があります。
WEBSITE: www.InspirationMars.org
こういったチャレンジが有人火星探査及び火星への入植の促進となることを期待してます。
ぜひ、成功して欲しいものです。
我々日本人も負けずに冒険心溢れる活動を目指しましょう。