4月26日にESAの
サイトで、Mars ExpressがOlympus山を含むTharsis bulgeを上空から重力測定して火山の形成の歴史に迫ったと言う記事が載りました。
5年間に亘って測定されたgravity mapping dataとNASAのMars Reconnaissance Orbiterのデータを統合して分析したとのこと。
素晴らしい国際協力の成果でもありますね。
Mars Expressの測定は、その離心軌道のもっとも接近する間(Tharsis火山上空275-330kmの高さにいる時)に行われました。
Tharsis地域は、1億年-2.5億年前まで火山活動が活発であったと考えられています。
地質年代上では、比較的最近となります。
Tharsis三山は、水が存在する状態で生ずる比較的軽い安山岩質の溶岩から、次により重い玄武岩質溶岩で覆われています。
しかしながら、Ascraeus山は、溶岩の密度は後期段階で減少し、その結果、火山の上部は低密度です。
「火山の高さの変化から、私たちはArsia山が一番古く、次にPavonis山、最後にAscraeus山が出来たということが出来ます。」とMikael Beuthe さんが言ってます。
*Mikael Beutheさん(the Royal Observatory of Belgiumの人でthe paper published in the Journal of Geophysical Researchの著者のリーダー)
Tharsis三山は、Olympus山と比べて非常に高密度な地下の根を持っていることが分かりました。
これらの根は、凝固された溶岩の濃厚なポケットあるいは地下マグマ溜の古代のネットワークであるかも知れないとのこと。
Olympus山の下に高密度な根がないことは、Olympus山が固い地殻の上に作られたことを示します。
一方、Tharsis三山は、それほど剛性でない地殻に部分的に沈み込んでいることを示しています。
「これらの結果は、火星の内部のデータが赤い惑星の発展を理解する鍵であることを示します。そして、火星への将来のミッションに対する1つのオプションは、火星内部を調査するため同時に地震活動を測定する、小さな着陸船のネットワークになるでしょう。」とOlivier Witasseさんが言いました。
*Olivier Witasseさん(ESA Mars Express Project Scientist)
下図は、Mars Express搭載のHRSC(the High Resolution Stereo Camera)の画像です。
タルシス・バルジは、火星には地球のようなプレートテクトニクスが存在しない為、長期間に亘ってマグマが供給された結果、Olympus山のような巨大な火山と共に形成されたと言うことに現時点では、なっています。
しかしながら、地球の海洋プレートと同様の磁気異常が見つかっており、過ってはプレートテクトニクスのような活動があった可能性もあるようです。
火山活動の歴史を解明することが、生命探査の目的に近づく近道かも知れませんね。
3月3日の当ブログ
「火星を丸裸に!」で紹介したNASAの「InSight」と連動すれば、より真実に迫れるはずです。