russianspaceweb.comによりますと2月3日にRoskosmosは、公に調査委員会の「主な結論」をリリースしたとのことです。
その題名は、「The investigative commission completes its work」です。
調査委員会は、Phobos-Gruntプロジェクトの開発および試験のすべてと関係する700部を超えるドキュメントを評価しました。
その結果、事故に至るまでの経過を以下の通り確認しました。
①2011年11月9日の01:10:28モスクワ時間まで、ミッションが順調に進んでいたことを確認しました。
②最初の異常は、ソーラーパネルが展開していたにもかかわらず、宇宙船からの合図が無く地上で確認できなかったことです。
(もちろん、観測によって確認されたのですが・・・)
③電源の中断が11月24日から始まりました。
④11月27日には、KhITバッテリーが気圧調節を失い、宇宙船から分離して落下する様子がアメリカの観測者によって確認されています。
⑤11月29日までに、2次電池、および緊急化学電池(KhIT)の資源がすべて使い尽くされた。
⑥宇宙船の高度変化は、姿勢制御用のスラスターが点火されていた為であった。
⑦電源の損失が操縦系統の失敗に結びついたことを確認しました。
Looking for a culprit (犯人探し)
考えられる原因は、以下の通りです。
・Main propulsion unit, MDU-F;
・Launch provision system, SOZ (Sistema Obespecheniya Zapuska);
・Solar panel deployment system
・Star tracker unit, BOKZ-MF (Blok opredeleniya coordinat zvezd);
・Baseless Inertial unit, BIB-FG (Besplatformenny Inertsialny Blok);
・Chinese microsatellite, KMS
・Power supply system, SES (Sistema Elektropitaniya);
・Onboard cable network, BKS (Bortovaya Kabelnaya Set);
・Onboard calculation complex, BVK (Bortovoi Vycheslitelny Kompleks);
・Onboard Radio Complex of the cruise stage, BRK PM, (Bortovoi Radio Kompleks);
しかしながら、Roskosmosは、上記の容疑者は事故の原因ではないとの結論に至りました。
結局、この事故のもっとも重大な原因は、メインコンピューターのTsVM-22上で2つの運用プロセッサーが同時に再起動したことであるとの結論です。
2月1日の当ブログ「Phobos-Gruntの結果」でもそのことに触れています。
しかし、その原因は意外なもので、最も可能性の高い要因として宇宙からの重い荷電粒子の影響が上げられています。
Roskosmosによりますと、委員会は、さらにTsVM-22の「2重の再始動」を引き起こす可能性のある他の要因を評価しました:
・コンピューター・ループ中の電磁妨害(それらは断続的なハードウェア障害を引き起こすかもしれないし、その結果、エラーおよび飛行シーケンスの中断に結びつくかもしれない);
・タスク(飛行)でのあらかじめプログラムされたプログラム実行におけるエラー:個々のタスクの実行のための許容時間の超過は、2回以上繰り返えされました。(ロジック・タスク、インタープロセッサー交換、動作制御(オリエンテーションと安定化)、主エンジン・コントロール);
・同時にコンピューターを操作する相互作用中のプログラムのエラー(software errors);
Simulating the failure 失敗のシミュレート
2012年1月に、NPOラーボチキンは、flight control systemのオペレーション上での有り得べき電磁気の影響およびプログラムエラーをモデル化するためにPhobos-Gruntの宇宙船の integrated stand(全てが揃った代替品?)を使用しました。
しかしながら、上記のどのシナリオでもプログラムエラーを確認できなかったとのことです。
これで、幕引きでしょうかね。
再チャレンジの話もあるようなので、ロシア魂に期待したいと思います。
「おまけ」
Phobos-Gruntが失敗に終わった後、プロジェクトのエンジニアリングの不始末への非難を遠ざける為の明白な意図を持った様々なソースによって失敗の外的原因が流されたようです。
意図的に流された原因について下記にまとめられています。
1.「日にち」2011年11月/「提案された原因」米国HAARP電離圏研究実験の影響/「ソース」高位のロシア軍幹部/「判定」技術的な意味をまったくなさない。(不可能)
2.「日にち」2012年1月9日/「提案された原因」外国軍の秘密裏の影響(米国を暗示)/「ソース」Roskosmosの長官、副総理/「判定」ありそうに無い
3.「日にち」2012年1月17日/「提案された原因」太平洋の米国レーダーからの偶然の影響/「ソース」Roskosmosの長官、調査委員会の委員/「判定」非常にありそうもありません;公式に、米国によって否定されました。
4.「日にち」2012年1月26日/「提案された原因」太陽フレア/「ソース」調査委員会/「判定」ありそうに無い
5.「日にち」2012年1月31日/「提案された原因」宇宙線/「ソース」Roskosmos、調査委員会/「判定」ありそうに無い
失敗を宇宙環境のせいにし、歴史的に外部要因を責めるロシアのパターンとのこと。
外国(中国?)の安い半導体チップを使用していたのが原因との報道も目立ちましたが・・・
少し調べたところ、今や半導体チップの製造拠点は中国だそうです。
耐放射線仕様の半導体製品は存在する様ですが、高価とのことです。
半導体チップと放射線に関しては、ここ
中国の「蛍火」を乗せたのが原因ということも言われていますが、全くおかしなことです。
ロシアは、自ら同乗者を探しており、日本もかっては誘われていたのですから・・・
その題名は、「The investigative commission completes its work」です。
調査委員会は、Phobos-Gruntプロジェクトの開発および試験のすべてと関係する700部を超えるドキュメントを評価しました。
その結果、事故に至るまでの経過を以下の通り確認しました。
①2011年11月9日の01:10:28モスクワ時間まで、ミッションが順調に進んでいたことを確認しました。
②最初の異常は、ソーラーパネルが展開していたにもかかわらず、宇宙船からの合図が無く地上で確認できなかったことです。
(もちろん、観測によって確認されたのですが・・・)
③電源の中断が11月24日から始まりました。
④11月27日には、KhITバッテリーが気圧調節を失い、宇宙船から分離して落下する様子がアメリカの観測者によって確認されています。
⑤11月29日までに、2次電池、および緊急化学電池(KhIT)の資源がすべて使い尽くされた。
⑥宇宙船の高度変化は、姿勢制御用のスラスターが点火されていた為であった。
⑦電源の損失が操縦系統の失敗に結びついたことを確認しました。
Looking for a culprit (犯人探し)
考えられる原因は、以下の通りです。
・Main propulsion unit, MDU-F;
・Launch provision system, SOZ (Sistema Obespecheniya Zapuska);
・Solar panel deployment system
・Star tracker unit, BOKZ-MF (Blok opredeleniya coordinat zvezd);
・Baseless Inertial unit, BIB-FG (Besplatformenny Inertsialny Blok);
・Chinese microsatellite, KMS
・Power supply system, SES (Sistema Elektropitaniya);
・Onboard cable network, BKS (Bortovaya Kabelnaya Set);
・Onboard calculation complex, BVK (Bortovoi Vycheslitelny Kompleks);
・Onboard Radio Complex of the cruise stage, BRK PM, (Bortovoi Radio Kompleks);
しかしながら、Roskosmosは、上記の容疑者は事故の原因ではないとの結論に至りました。
結局、この事故のもっとも重大な原因は、メインコンピューターのTsVM-22上で2つの運用プロセッサーが同時に再起動したことであるとの結論です。
2月1日の当ブログ「Phobos-Gruntの結果」でもそのことに触れています。
しかし、その原因は意外なもので、最も可能性の高い要因として宇宙からの重い荷電粒子の影響が上げられています。
Roskosmosによりますと、委員会は、さらにTsVM-22の「2重の再始動」を引き起こす可能性のある他の要因を評価しました:
・コンピューター・ループ中の電磁妨害(それらは断続的なハードウェア障害を引き起こすかもしれないし、その結果、エラーおよび飛行シーケンスの中断に結びつくかもしれない);
・タスク(飛行)でのあらかじめプログラムされたプログラム実行におけるエラー:個々のタスクの実行のための許容時間の超過は、2回以上繰り返えされました。(ロジック・タスク、インタープロセッサー交換、動作制御(オリエンテーションと安定化)、主エンジン・コントロール);
・同時にコンピューターを操作する相互作用中のプログラムのエラー(software errors);
Simulating the failure 失敗のシミュレート
2012年1月に、NPOラーボチキンは、flight control systemのオペレーション上での有り得べき電磁気の影響およびプログラムエラーをモデル化するためにPhobos-Gruntの宇宙船の integrated stand(全てが揃った代替品?)を使用しました。
しかしながら、上記のどのシナリオでもプログラムエラーを確認できなかったとのことです。
これで、幕引きでしょうかね。
再チャレンジの話もあるようなので、ロシア魂に期待したいと思います。
「おまけ」
Phobos-Gruntが失敗に終わった後、プロジェクトのエンジニアリングの不始末への非難を遠ざける為の明白な意図を持った様々なソースによって失敗の外的原因が流されたようです。
意図的に流された原因について下記にまとめられています。
1.「日にち」2011年11月/「提案された原因」米国HAARP電離圏研究実験の影響/「ソース」高位のロシア軍幹部/「判定」技術的な意味をまったくなさない。(不可能)
2.「日にち」2012年1月9日/「提案された原因」外国軍の秘密裏の影響(米国を暗示)/「ソース」Roskosmosの長官、副総理/「判定」ありそうに無い
3.「日にち」2012年1月17日/「提案された原因」太平洋の米国レーダーからの偶然の影響/「ソース」Roskosmosの長官、調査委員会の委員/「判定」非常にありそうもありません;公式に、米国によって否定されました。
4.「日にち」2012年1月26日/「提案された原因」太陽フレア/「ソース」調査委員会/「判定」ありそうに無い
5.「日にち」2012年1月31日/「提案された原因」宇宙線/「ソース」Roskosmos、調査委員会/「判定」ありそうに無い
失敗を宇宙環境のせいにし、歴史的に外部要因を責めるロシアのパターンとのこと。
外国(中国?)の安い半導体チップを使用していたのが原因との報道も目立ちましたが・・・
少し調べたところ、今や半導体チップの製造拠点は中国だそうです。
耐放射線仕様の半導体製品は存在する様ですが、高価とのことです。
半導体チップと放射線に関しては、ここ
中国の「蛍火」を乗せたのが原因ということも言われていますが、全くおかしなことです。
ロシアは、自ら同乗者を探しており、日本もかっては誘われていたのですから・・・