6月29日の
MarsDairyによりますとサイエンスライターの
Henry Bortmanさんが Atacama砂漠で行われている生命探査に同行した第1報が紹介されています。
Jacek Wierzchos(Madridのthe National Museum of Natural Science)が率いる科学者のグループに同行したそうです。
5月8日のレポートです。
科学者達の目的は、地球の生命の乾いた限界で生きる微生物を研究することです。
Atacama砂漠は
Wikipediaによりますとアンデス山脈とその後の造山運動による海岸線の隆起の間に挟まれた盆地型高地砂漠とのこと。
東西に平均160km、南北に約1,000kmの細長い形をしています。
左右が山脈に囲まれている為、世界でももっとも乾燥した砂漠です。
レポートによるとこの地域では、乾燥状態が数百万年の間続いており、火星のどこに生命がいるのか研究するのに良い場所であるとのことです。
どこをどうやって捜したらいいのか?
アタカマの超乾燥地域は、年間降水量が平均1ミリメートルで、雨は、だいたい10年に一度の割合で降ります。
アタカマのいくつかの気象観測所は降雨を一度も記録したことがないとのことです。
当然ながら、植物も動物もそこでは生残ることができません。それは不毛の地であって、まさしく岩石と土の場所ということです。
それでも、過去に海であった証拠となるアタカマ塩湖(Salar de Atacama)が砂漠の中央部の低地に残されています。
今回の調査では、比較的湿った地域を選んだとのことです。
アタカマで「Wetter」ということは、1年間でおよそ20ミリメートルの降水量の場所を言うようです。
雨とは限らず、沿岸の霧そして雨と霧の組み合わせによる湿気を受ける地域だそうです。
何年間も、科学者は、微生物さえアタカマの最も乾いた地域で生き残ることができないと信じていました。
しかし、2005年、チリのYungayにおいてWierzchosさんが大きい塩の層で、バクテリアのコロニーを発見しました。
純粋な岩塩で作られた短く太くて、ノブ形をしている岩石の中に微生物が生きていたんです。
Bortmanさんは、日曜日に、以下の二人のメンバーとAntofagastaから南へ約350kmのアタカマの比較的湿った場所へドライブしました。
Jocelyne DiRuggiero(a biologist with Johns Hopkins University in Baltimore, Maryland)
Alfonso Davila(an astrobiologist with the SETI Institute who works at NASA Ames Research Center in Mountain View, California)
今回の主役は、Jocelyne DiRuggieroさんです。
従来、超乾燥地帯のアタカマの微生物の研究の多くが岩石に焦点を合わせてきました。
また、世界中の他の非常に乾いた砂漠、
南極Dryバレー、および
the Negevでも微生物群が岩石の中、または、岩石の下で見つけらています。
今まで、超乾燥地帯では、微生物は土の中にほとんど検出されていません。
DiRuggieroさんは、岩石と岩石にいる微生物は、土を経由して繁殖しているという仮説のもとに必ず土の中に微生物が隠れていると考えています。
DNAの検出感度を上げて、多くの人が歩き回った痕跡に影響されないよう注意深くサンプルを採取する必要があります。
アタカマは、人跡未踏の地と言うにはかけ離れています。
銅、銀、ニッケル、リチウムなどの資源が豊富にあり、なんといってもチリ硝石の最大産出地で1940年までは、大規模に採掘されていたとのこと。
また、アンデス山脈に近い地域は、雪解け水の地下水脈が形成されており、それに沿って集落がありアタカマ砂漠横断の交通の要衝となっているとのことです。
そのため、インカ帝国の時代からアタカマ道とも呼ばれて現在は、国道が整備されているところもあるようだ。
また、多くの科学者が岩石中の微生物をしらみつぶしに調べた後でもあります。
それでも彼女は、人為的汚染を防ぐ為に慎重に行動して目的に迫っています。
まず、彼女のツールを消毒して、ニトリル手袋を身につけて、一連の3つの穴を掘ります。
それぞれ5cm、10cm、および20cmの深さで各穴から土のサンプルを集めて。
いくつかのサンプルが小さい丸い防水の金属スズ(軟膏に通常使用されるタイプ)に入れられる。これらは、土の含水量を決定するために分析される。
他のサンプルは、無菌ポリ袋に置かれて、慎重に封をされました。 これらは、DNAを抽出するのに使用される。
DiRuggieroさんは、サンプル採取に集中するあまりその日の曇り空の夕景を見逃してしまったとのこと。
Bortmanさんは、アタカマで曇りの日はめったに無いことなのに・・・と同情的です。
でも、目的が明確で、やることが決まっていて、信念に揺るぎが無い・・・「微生物!覚悟!」