火星への道

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ラマン分光計を持っていくのは初めてです!

2009-09-13 12:46:16 | MARS on EARTH


9月5日のMarsTodayでAMASEでの活動が報告されていました。
今回は、スペインのValladolid大学のFernando Rull教授とAntonio Sansanoさんが、ExoMARSに搭載予定のラマン分光計のテストを実施している様子です。

詳細は、下記にて
http://www.marstoday.com/news/viewsr.html?pid=32300

Fernando Rull教授は、ExoMarsのための接触ラマン分光計の実験責任者です。
Antonio Sansanoさんは、Fernando Rull教授のもとで博士号取得を目指している学生さんです。
お二人の様子です。
ラマン分光計を以前もローバー等に搭載する案が有りましたが、重量などの問題で搭載が見送られてきたようです。如何に小型化するかにも知恵を絞っているようです。



ラマン分光計は、対象にレーザーを当てて散乱する光を測定することでその表面の成分を定量分析できるのが特徴です。
下記は、サンプルにレーザーを当てているところです。(接触型です。)



今回のテストでは、8~130m離れたところの氷や岩の成分も分析できると期待されており、下記がそのテストをやっている様子です。(接触型と同じ精度が期待できるそうです。)
これが上手くいくと格段にローバー等の活動範囲が広がることとなりますし、効率良くサンプル採取が出来るので時間の節約にも繋がります。



ExoMARSでは、2mの深さまでのサンプルを採取できるように考えられており、採取されたサンプルをサンプル箱に保管するよう設計されています。
サンプルは、ラマン分光計と赤外顕微鏡の両方で分析されるのでかなり漏れのない分析が出来ると期待されます。
ラマン分光計と赤外顕微鏡とでは、測定可能な官能基が違うので両者は相補い合う関係です。
ラマン分光計については、下記を
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C

ラマンと赤外の関係です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:RamanScattering.png

期待しましょう。でも、ExoMARSは、2018年打上で2019年火星着陸の予定です。
かなり先ですね。

「AMASE 2009は、北極海のSvalbard(74-80*N)に作られたNASAとESAの将来の火星ミッションで使用予定の「生命の探索」機器のための国際実験場で今年も研究者が活動してます。」

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4 コメント

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プラントメンテナンス (ラマン分光ファン)
2019-08-22 20:35:14
 最近、CCSCモデルの出現で大型軸受などの境界潤滑状態監視に盛り上がりがありそうですね。
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時代は、変わる! (観無量)
2019-08-23 09:31:12
コメント、ありがとうございます。昔々分析などをしてましたが、隣の部屋に金属表面のテストをするおじさん2人が居ました。テストピースを煮たり干したりつるしたり・・・潤滑剤だけではなく軸の金属組成も関係していたわけですね~
下記サイトをみて、少し勉強しました!
https://www.hitachi-metals.co.jp/rad/pdf/2017/vol33_r03.pdf#search='CCSC%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF'
返信する
機械摩擦の本質 (播磨科学技術)
2020-04-24 12:24:53
昔、ノーベル賞物理学者パウリは「表面は悪魔がつくり、固体は神が作った。」といわれ、境界潤滑の悪魔をなかなか捕まえることができませんでした。それをダイセルリサーチセンターの久保田邦親博士がCCSCモデルとして解明した模様です。
返信する
トライボロジーの未来 (見つけ)
2020-05-29 17:54:28
低フリクションを実現する自己潤滑性特殊鋼
高面圧下で潤滑し、駆動部品の小型 -低摩擦損失化が可能
1.開発の目的
 世界的な自動車の燃費規制が広がる中、内燃 / 非内
燃機関の両者とも低燃費化が求められ、パワートレイ
ンの軽量・摩擦損失の低減が求められている。それに
は高面圧あるいは貧潤滑下でも低い摩擦係数が維持で
きる部品が必要とされている。
2.開発の内容
 従来の鉄鋼材料には見られない、開発特殊鋼 SLDMAGICの自己潤滑性の発現原理を解明した。その
原理とは、
① 境界潤滑時の凝着のメカニズムを明らかにし、油か
ら変質したナノレベルのダイヤモンドが起点である
ことを解明した(図 1 反応経路①)。
② 開発材は、炭素がダイヤモンドになりにくい結晶構
造物質(グラファイト層間化合物;GIC*1)にする
ことで潤滑性能を向上させた(図 1 反応経路②)。
③ 摩擦反応で発生し、潤滑物質 GIC の構成物ともな
る硫酸イオンを CuSO4 にすることで表面に固定化
し、防食を行い(図 1 反応経路③)極圧添加剤でみ
られる腐食摩耗を抑止。
 すなわち、境界潤滑下での摩擦損傷の起点はダイヤ
モンドであり、ギ酸等の悪影響も説明できる理論であ
る。つまり本材料の応用だけではなく、新たな潤滑油
や機械の設計則の構築の基盤となりうる原理である。
3.開発の成果
 冷間塑性加工用金型向けの工具鋼として 3600ton/
年出荷。現在、自動車メーカーを中心とした機械メー
カーと共同で基礎評価中。数社で好結果が出ている。
図 2 に示すように硬くても従来材に比べ摩擦係数が上
がりにくい特徴があり、摩擦部品のダウンサイジング
化と摩擦損失の低減を同時に狙える。
日立金属株式会社 冶金研究所
〒692-8601 島根県安来市飯島町 1240 -2
TEL. 0854-22-1919 FAX. 0854-22-6374
kunichika.kubota.rd@hitachi-metals.com
図 1 解明された表面反応の全体像
      (炭素結晶の競合(CCSC*2
)モデル)
4.特記事項
 日本トライボロジー学会、日本金属学会、日本塑性
加工学会、日本鉄鋼協会にて発表。
 2006 年度日刊工業新聞十大新製品賞、2007 年度素
形材経済産業大臣賞、2010 年度発明協会文部科学大
臣奨励賞を受賞。
(文責:久保田邦親)
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