3月24日のWhat'sNewによりますと、SAMで過熱して生じたガスの中にNO(一酸化窒素)を確認したとのことです。
Yellowknife Bayで採取した3ケ所のサンプルすべてからです。
"Rocknest"で風成堆積物を、"John Klein"と"Cumberland"で泥岩の堆積物を採取しています。
分析結果は、以下の通りです。(酸化窒素の由来となる硝酸塩の濃度:Curiosityによる汚染を差し引いた。)
・"Rocknest" 110~ 300ppm
・"John Klein" 70~ 260ppm
・"Cumberland" 330~1,100ppm
この一酸化窒素は、硝酸塩(NO3)の加熱によって生成したものであり、硝酸塩は、生命由来物質と考えられ、生命が存在していたことの証拠となるということです。
ただし、地球上の硝酸塩のほとんどは、生命活動によるものですが、火星では、隕石の衝突や落雷などの熱衝撃でも生成されると考えらます。
しかしながら、今回得られた硝酸塩の濃度は、上記の熱衝撃による生成量に追加して、何らかの生命活動による生成があったことを示唆しているようです。
研究チームは、硝酸塩の生成が現在も火星で行われているのか、過去においてのみ行われていたのかを今後、調べたいということです。
ネタ元は、Jennifer Sternさんが主筆の「a paper on this research published online in the Proceedings of the National Academy of Science March 23.」です。アブストラクトは、こちら。関連資料は、こちら
*Jennifer Sternさん:NASA's Goddard Space Flight Center in Greenbelt, Maryland
火星の大気中の窒素は、2.5%程度ですが、2013年3月14日の当ブログ「ドンピシャ 大当たり!」でお伝えしてますように "John Klein"と"Rocknest"で窒素を確認しています。
でも、その時は、SAMの加熱による分析に一酸化窒素は、引っかかっていなかったようです。
この辺は、かなり専門的なので、事務局には、ついて行けない面がありますが、NOの確認と存在量のデーターは、上記の「ドンピシャ 大当たり!」で報じた、生命の構成要素である硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素の6元素を確認したことと、2014年12月18日の当ブログ「確信を得ました!」で報じた、有機物とメタンを確認したことに繋がる、生命が存在していたことの証拠になりますね。
下図は、"Rocknest"、"John Klein"と"Cumberland"の位置を示しています。
下図は、"John Klein"と"Cumberland"の画像です。