いよいよドリルする場所を絞り込みました。
上図が"Windjana," の表面にブラシを掛けてダストを取り除いた様子です。
灰色で、きめが細かく、でこぼこの部分があり、ある部分は他の部分より硬いと言う特徴がわかったとのこと。
このような岩が形成された流体の化学を理解するためこの場所をドリルで削って岩の内部サンプルを採取することに決めました。
まずは、今週末にミニドリルで試し掘りとなるようです。
4月25日のWhat'sNewによりますと、いよいよ3回目のドリルを使用する目標地"Windjana," に到着しました。
"Windjana," は、3回目のドリルで掘られる岩となる可能性があります。そして、泥岩以外では初めてドリルを使われる砂岩となります。
下図が"Windjana," です。
Sol609(4月23日)Mastcamのleft-eye cameraで撮影されました。
この岩の大きさは、幅約60cmです。
ロボットアームのAPXS (Alpha Particle X-ray Spectrometer)、MAHLI (Mars Hand Lens Imager)、そしてChemCam (Chemistry & Camera)を使用してドリルをするかどうか決めるようです。
もちろん、ブラシで表面をきれいにします。
最新のCuriosityの位置については、EmillyさんのブログにSol608(4月22日)の位置が載っています。
2014年3月13日「三つの世界」で地球から見た火星、ベスタ、ケレスを紹介しました。
今度は、Galeクレーターから見たベスタ、ケレス、Deimos、Phobos、木星、土星を捉えた画像が下図の通り報告されました。
CuriosityのMastCamにてSol606(4月20日 PDT)の日没後に撮影されました。
Curiosityからの返礼ですね。
火星表面から小惑星を撮影したのは、初めてのことです。凄い!
上図は、二つのカメラで同じ場所で露出時間を変えて撮影された画像の合成です。
ベスタ、ケレスと3つの星は、12秒の露出時間で背景は、人の肉眼で見ることが出来る6-7等級明るさの星に制限された背景ノイズです。
この小惑星と3つの星は、火星上にいる人から見ることが出来るそうです。
Phobos、木星、土星は、二分の1秒の露出時間です。
Deimosは、かなり明るいので四分の1秒の露出時間で撮影されました。周りの黒い円は地球から見える月の大きさです。
4月16日のWhat'sNewによりますとSol597(4月11日)にCuriosityは、"the Kimberley."の中で調査目標に接近したようです。
下図がMROのHiRISEが撮影した立体画像です。 色は、強調されています。
Curiosityから見て8時の方向にあるのが"Mount Remarkable" と呼ばれている高さ約5mのビュートです。
*ビュート=山頂が平らで周りが絶壁になっている孤立丘
サイエンスチームは、この地域でビュートを形成している岩と、低い層の筋状のパターンを示す岩の中間である「中間ユニット」として"Mount Remarkable"のベースに注目しています。
下図は、Curiosityから見た"Mount Remarkable"です。
ここで3回目のドリルでのサンプル採取が行われる予定です。
ドリルですか~楽しみですね。
まずは、どこを掘るのか?
分析結果の発表は、ゴールデンウイーク後でしょうね。
Emillyさんもブログで「Drill, baby, drill!」と喜んでいます。
さらに"Mount Remarkable" のパノラマ画像が紹介されていました。
下図は、Curiosityが火星へ着陸してからの移動記録です。
ISROによりますと、4月9日9:50 IST(日本時間 13:20)に火星へ向かう軌道の中間地点を通過したそうです。
飛行は、順調で、4月に予定されていたTCM(a Trajectory Correction Manoeuvre)は、行われない見込みです。
この時点での地球と宇宙船との無線での距離は、約3,900万kmです。往復の交信に4分15秒掛かります。
次のTCMは、必要であれば6月に行われる予定です。
Curiosityが"the Kimberley."に到着した直後の4月2日と3日に、地平線上に光のスポットを発見しました。
それは、太陽光が岩に反射したものであるのか、宇宙線がカメラの検出器(CCD)を打ったものかのどちらかであるとのことです。
下図は、Sol589(4月3日午後)にNavCamのRight Bが撮影したものです。
左上方の地平線上に光のスポットが見えます。
ところが、下図のNavCamのRight_Bが撮影した後1秒以内にLEFT_Bで撮影した画像には、明るいスポットが写っていません。
Sol588(4月2日)でも同様のことが起っています。
なんなのか気になりますね~
行って見るべきでしょう!
Dingo Gapを乗り越えたあとのCurisityの勇姿をMROのHiRISEは見ていました。
Emillyさんがthe Lunar and Planetary Science Conferenceで見た画像を紹介しています。
Sol538(2月10日)HiRISEが撮影。
Dingo Gapを越えて3Sol目ですね。
下図は、上図と同じSol538に撮影されたものでより広い範囲を含んでいます。(幅 750m、たて 500m)
この風景を見ていると、改めて凄いことをやっているんだなと思いますね。
生命の起源を探究する熱意と行動を目の当たりにしている自分が幸せです。
そして、人類に対する希望を感じています。
What'sNewによりますとCuriosityは、'The Kimberley' Waypoint に到着したとのことです。
'The Kimberley' (正式には "KMS-9")は、軌道船からの画像によって分離可能な多様性のある岩があることが確認されているため、ミッションのための主要な調査ポイントとして選ばれています。
そして、それらの岩は、この場所に解読可能なそれぞれの地質学的関係を持って近くに一緒に露出されています。
下図は、MROのHiRISEの画像で、Sol589(4月3日JST)に撮影されたものです。
横縞の構造がはっきり見えていますね。調査結果が楽しみです。
Curiosityは、火星着陸以来6,100m移動したことになります。
CuriosityがYellowknife Bayの調査に2013年の前半を費やして以来、"the Kimberley," での調査は最大の規模で計画されています。
Yellowknife Bayにおいて、Curiosityは、火星の岩石からドリルを使用した最初のサンプルを採取分析しました。
その結果、生命に必要な化学成分やエネルギーを提供する古代の湖底環境の証拠を見つけました。
"the Kimberley,"とその後の調査地点のSharp山の斜面の露頭で、生命の存在に適した過去の状態や環境の変化を調査するためにCuriosityの科学機器を使用する計画です。
この地域の岩岩をCuriosityは、科学機器を使って「観測」「サンプルのドリル」「搭載科学機器での分析」を数週間に亘って行う予定です。
下図は、着陸から"the Kimberley," までの経路です。
Curiosityの最新情報Sol570から583をEmillyさんがアップしてましたので紹介します。
*Sol570=3月14日、Sol583=3月28日
現在、Curiosityは"Kimberley"でいろいろ作業中です。そのうちに正式な発表が有ると思います。
Sol574から583の間、Curiosityは"Kimberley"に止まっています。
Sol576から578の間、"Kimberley"のドリルの準備をしていたロボットアームで問題があったようですが、現在、ローバーには何も問題がないとのことです。
ただし、時間を浪費してしまった訳ですが、その間を利用して科学者が露頭をじっくり観察することが出来ました。
そこでいくつかのロボットアームでの活動をして、この週末、再び道を進む必要があるとのことです。(Sol587(4月1日)に横に19.33m移動しています。)
下図は、Sol580にMastCamで4mの距離から撮影した"Kimberley"の露頭です。
最近2週間のCuriosityの活動に関する詳細な報告は、USGS websiteのKen Herkenhoffさんのレポートを見てください。
Sol571-573、Sol574、Sol575、Sol576、Sol577、Sol578-580、Sol581、Sol582、Sol583、Sol584、Sol585-586
下図は、Sol571に左のMastCamで撮影されたサンプルトレイです。
Sol70の画像と比べると火星生活の埃が溜まっているのがわかりますね。
下図は、Sol70(2012年10月16日)に左のMastCamで撮影されたものです。
Sol571には、大変美しいパノラマ写真を撮りました。
Emillyさんは、下図の絵葉書バージョンが好きだとのことです。
下図は、Sol576にRMI()で撮影されたKimberley 露頭の断面写真です。
RMIの6枚の画像で構成されており、MastCamのデーターからカラー化したものです。
横の縞模様が良くわかりますし、埋め込まれた小石等の質感もはっきりわかりますね。
先週のWhat'sNewで話題になった砂岩に関する調査がいよいよ始まっている様です。「砂岩層に迫る、少し足が痛いけど・・・」
Emillyさんも期待しています。
砂岩は、直径0.63mmから2mmの粒子の砂で構成されているのになぜそれぞれに性質の違いがあるのでしょうか?
そのためには、SAMとChemMinでの分析が必要なので、いよいよドリルを行うことになりそうです。
Sol575にCuriosityと Pasadenaの時間が同期していないことが判明し、Sol578にはコマンドエラーでアームに問題が生じたりして時間をロスしていますが、何とか仕事を進めているようです。
Sol585-586には、夜間のremote science(APXSとCheMin)が行われているでしょう。
しかしながら、このままですとYellowknife Bayを出発してからShrap山への入口となる"Murray Buttes"までの中間地点"Kimberley"に到着するだけで300Solを費やしてしまうことになります。
当面の目標地点であるSharp山の下部にある岩に到着する前に2015年を迎えることになりそうだとEmillyさんは嘆いてますね。
当初の活動予定は、1火星年(687日:98週)を予定していたので、今年の7月12日でお仕舞いとなるのですが・・・
ただし、Curiosityは原子力電池を使用しているので14年間稼動可能とも言われています。
気長に待つとしましょう!
興味をそそるパノラマを見てください。
下図は、Sol581のドライブ後の撮影です。
下図は、Sol582に撮影したものです。
CuriosityのWhat'sNewで火星の接近が取り上げられました。いよいよあと11日で最接近となります。
Science Castのビデオは、こちらです。
現在は、1分間で約300km近づいています。
衝が4月8日です。
*「衝」=火星-地球-太陽が一直線に並ぶ現象です。因みに地球-太陽-火星の順番で一直線に並ぶことを「合」といいます。
最接近は、4月14日で地球と火星の距離が約9,200万kmとなります。
*2003年の大接近時には、5,576万kmまで近づきましたので、今回は小接近となりますね。
下図は、国立天文台の「今日の星空」からの引用です。横浜からの星空となっています。
4月14日は、満月の傍に火星がありますので見つけやすいです。
火星は、1等星の約10倍明るく輝いています。現在でも東南東から南東の方向に輝いていますので、探してみてください。
また、最接近時の14日と15日には、アメリカなどでは皆既月食が見られるようで、あたかも赤い火星の色に月が染まったように見えるとのことです。
国立天文台によりますと今回日本では、月食を見ることが出来ないとのことです。
下記の通り、月食が終わった頃に月の出となるためで、残念ですね。
場所によっては、半影食を見ることが出来ますので、詳しくは、こちらにて確認してください。
半影食の始め | 13時52.0分 |
部分食の始め | 14時58.0分 |
皆既食の始め | 16時06.4分 |
食の最大 | 16時45.7分 |
皆既食の終わり | 17時25.0分 |
部分食の終わり | 18時33.4分 |
半影食の終わり |
19時39.2分 |
4月14日の最接近の前後は、火星観測の良い機会ですので肉眼でも、または仕舞い込まれている望遠鏡などで火星を見てみませんか。
数ケ月は楽しめますので何かの折に眺めて火星へ行けたらなにをしたいか考えるのも良いのではないでしょうか?
下図は、オーストラリアのアマチュア天文家Anthony Wesleyさんが3月6日に撮影したものです。
*16inch(40.64cm)の望遠鏡
2月に火星の北半球での夏が始まっていて、北極冠の変化の様子やダストストーム、火山に掛かる雲そしてヘラス盆地に発生する氷の霧を見ることが出来るかも知れませんよ!