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オバマ大統領がNASAの Kennedy Space Center(Florida)で歴史的な発表をしました。
ブッシュのコンステレーションを破棄して、新しいより高い目標に向かって資源を投入する方針です。
地球の軌道から離れていよいよ「火星への有人飛行・着陸を目指す」方針が打ち出されました。
そして、このことが人類の宇宙での活動範囲を広げるだけではなく、アメリカのリーダーシップを強めると言ってます。
計画は、以下のとおりです。
①ISS(the International Space Station)の運用を5年以上延ばして2020年以降も運用する。
ISSへの人間と物資の輸送を民間に任せる。
②2020年までに月を越えていくためのロケット等の技術を確立。
③2025年までに有人ロケットで月を越えての長旅に出る。小惑星などの探査・研究。
④2030年台半ばに有人ロケットを火星の周回軌道に乗せて、無事に地球に帰還させる。
⑤その後、有人で火星への着陸を実行する。
詳しくは、下記にて
http://www.nasa.gov/about/obamaspeechfeature.html
Augustine委員会の報告を受けた2月1日のオバマさんの発表(当ブログの2月6日)に落胆しながらも、火星が当面の目標という言葉が入っていたので期待していましたが、ここまで踏み込んだ発言となるとは予想してませんでした。
コンステレーション計画は、成り立ちや進行具合から胡散臭いものを感じていましたが、やはり一部の利権と化していたものと思われます。日本の官僚主導の公共プロジェクトも多くは予算超過の常習犯ですが。
これで議会を乗り切れるのではないでしょうか?
オバマさんが言っているとおり、8月15日までにこの計画がオバマさんの執務机に届けられることを祈ってます。
それにしても、もう少し早く実現できないものでしょうか?
博報堂生活総合研究所の未来年表によりますと火星探査は
http://seikatsusoken.jp/futuretimeline/index.php
2020年米が有人探査。
2030年米が火星滞在500日。欧州がオーロラ計画で有人探査。
2035年ロシアが有人探査。
2050年中国が有人探査。
となってますね。(日本は、どこかに相乗りなのかも。)
研究が進む中で実現が早まることを期待して待ちましょう。
大きな問題は、誰が行くかです。往復2年半です。火星まで6ヶ月、火星に1年半、地球に帰るのに6ヶ月。この飛行に耐えられる人間は、長い年月にかけて訓練された人間でしょう。
また、宇宙飛行が実現するのは今から20年後、30年後です。つまり今の小学生とか中学生が火星宇宙飛行士になるのです。
日本火星協会としては、そのための準備として、未来の火星宇宙飛行士の準備を開始したいと考えています。
オバマ大統領の発表はニュースで見て、自分も大変心躍りました。
発表の一つに民間企業によるロケット開発の支援があり、
コレには大賛成です。
ISSへの物資や人員輸送等、いわばルーチンワークは民間に任せることでより効率化が図れると思います。
また宇宙開発市場も活発になると思います。
その上で、NASAは全力をもってフロンティア火星への有人探査を目指してもらいたいと思います!
宇宙開発のステージは次に進む時が来た気がします。
”これからの宇宙開発は、国家のような強大な組織力をもってしかなし得ない”ーフォン・ブラウン