先日、自分のブログを見ている知人から、”クロという魚はそんなに簡単に釣れるものですか、年中釣れるものですか”という問いを受けた。
何しろ釣行のたびに、約50匹前後コンスタントに釣っているので自然に尋ねたくなる疑問だろう。
自分の記憶では、初期のクロ釣りではせいぜい1日で10匹釣れればいい方で、今のように沢山釣れだしたのは独自の仕掛けを工夫したときから。
したがって、”慣れてしまうと簡単ですが、それまでに結構ノウハウを身につける必要がありますよ”という返事をしておいた。結局、20年近いクロ釣り経験を踏まえての現場を通じてのノウハウである。自分の釣り方はどんな釣り雑誌にも書かれていないはずだし、同じような釣り方をする人も全然知らない。
その「ノウハウ」とは次のとおり。
①独特の仕掛け
重めの飛ばしウキと2連玉ウキの選択、極端に短いウキ下、極小の「道糸、ハリス、ガン玉、釣り針」
②マキエの種類と打ち方
本命用のクロとエサ取り用の小魚との2種類のマキエ(当然中身が違う)を準備して、お互いをできるだけ切り離すように距離をとってマキエを打つ。したがって、大量のマキエを準備。
③頻繁に仕掛けを変化させる
魚は結構学習能力があるので、頻繁に目先を替えてやる必要がある。たとえば、ウキ下の長さ、ガン玉の数と位置など。
④長竿の使用
エサの投入をマキエを打ったところにできるだけ正確に、しかも遠くに打ち込むため、リールのベールを起こさずにアンダースローで投入する。したがって6m以上の長竿が有利。
⑤予備の仕掛けの準備
釣り場での時間を有効に活用するため、大量の仕掛けを前もって準備しておき、少しでも傷んだら即交換する。したがって、事前準備に丸1日以上かける。
といったところだろうか。とにかく、この釣り方でいちばん肝心なのはクロをマキエに狂わせて海面に浮き上がらせることで、釣りはそこから始まる。
ただし、以上の釣り方は6月から10月前半ぐらいにかけての比較的暑い時期のもので、やや冷え込む11月以降から厳寒の2月ぐらいにかけてはまったく違う釣り方になる。
また、3月から5月にかけてはクロはほとんどいなくなるので年中釣れる魚でもない。
いちばんおいしいくて値打ちのあるのは寒グロといって厳寒期のクロで海苔を主体に捕食するので臭みがなく、刺身は絶品である。一度食べるとヤミツキになること請け合い。
しかし、なかなか数が釣れない。しかも深場を探るのでついチヌ(黒鯛)と同時並行の釣りとなり、二兎を追うものの類でいい結果が得られない。冬季は海上の風も強くなり釣りづらい。
11月以降にクロを沢山釣るのは本当に難しく、どういう風に釣るかこれが本当の腕の見せどころで、おそらく釣れないだろうと半分諦めているが今から釣り場所に合ったエサの種類や仕掛けを工夫しなければと思案中。
飛ばしウキ(左)と当たりウキ 予備の釣り針つきハリス