「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

レコードの整理

2012年10月29日 | 音楽談義

我が家の小さな倉庫の片隅にもう30年近く埋もれているレコード群。LPに限らず中には、中学、高校時代に愛聴していたポピュラーのドーナツ盤も沢山ある。

もしかして、そのうち気が変わってオーディオシステムの中にレコードプレイヤーを入れるときがあるかもしれないと、これまでずっと保管してきたわけだが、どうやら「時は待ってはくれない」ようで、この際、きれいさっぱり整理することにした。

それに先日のブログにも記したように、ヴァイオリンとフルートの演奏による「魔笛」(モーツァルト)のレコードを、オーディオ仲間のMさん(奈良)に頼んでCDにコピーしてもらったことも一つのきっかけ。こういう形で愛惜のあるレコードをCDに焼き直してもらえればいつでも聴けるのでその方がずっと現実的。

たとえば手持ちのレコードのうちコレルリの合奏協奏曲(イ ムジチ合奏団)は、同楽団の40年前くらいのメンバーのうち第一ヴァイオリンの「フェリックス・アーヨ」の頃が一番好きである。このアーヨ盤のものは、CD盤として発売されていないし、今後ももう無理だろう。

ただし、Mさんがこの面倒なコピー作業を引き受けていただけるかどうかが焦点だが、恐るおそるお伺いしてみると「いつでも、どうぞ」とご快諾をいただいた。

28日(日)は朝からレコードの仕分け作業に没頭した。現在、CD化して発売されているのものはわざわざ焼き直してもらう必要が無いので除外。いちいち、ネットの「HMV」でその確認作業をしなければならないので思いのほか時間がかかる。

しかし、気になったのがオットー・クレンペラー指揮の「ミサ ソレムニス 2枚組」(ベートーヴェン)。

           

いかにも「もったいぶり屋のクレンペラー」らしい堂々たる演奏で、CDが発売されてなければ、ぜひコピーしてもらいたいレコードの最右翼だが、調べてみるとちゃんと発売されていた。お値段の方は1,500円なり(SACDは3000円)。

さ~て、どうしようか?市販のCDよりもMさんの秀逸なプレイヤーで「CD-R for master」(太陽誘電)にコピーしてもらった方が音がいいような気もするのだが。

ところで、この「ミサ ソレムニス」(荘厳ミサ曲)はベートーヴェンにとっては数少ない宗教曲の一つだが、それにしてはどうも神の概念が希薄のような印象を受けてしようがない。レコード時代にこの曲を何度も聴きながら、いつもそう思ってきた。

このことを裏付けるように「ウィキペディア」にはこうある。
 

≪この曲の献呈の相手は親交のあったルドルフ大公 

当初、大公の大司教就任祝いとして書き始められた。しかし、書き進むうちに次第に構想が広がって、就任式に間に合わなくなり、完成までに結局5年間を要した。実際に大公が演奏したかは不明だが、現在でもベートーヴェンが書いた最後の大宗教曲として広く演奏されている。~略~

ベートーヴェンは権威的・教条主義的なキリスト教会に対しては十分批判的な思想と宗教観を持っていたという事も注目されてきた。 

例えば、ワーグナーはこのミサ曲を「真正なベートーヴェン的精神を持つ、純粋な交響曲的作品」と評し、20世紀を代表するベートーヴェン研究家のパウル・ベッカーなども、「(バッハのような)素直な信仰から生じる歌詞に(音楽を)合わせる様な処理はベートーヴェンの考えには現れえず」、音楽家として自身の深く自由な思想を、単なる歌詞の意味を超越した音楽によって表現した、と語っている。≫

ベートーヴェンの音楽の特徴は「神への信仰」よりも、むしろ「人間賛歌」にあるような気がしているが、はたしてそう思うのは自分だけかな。

ところで、どうしても録音してほしいドーナツ盤が歌謡曲を含めて23枚あった。

「I fall to pieces」(パッツィ・クライン)、「Walk on by」(ルロイ ファン ダイク)、「Both side now」(青春の光と影 ジュディ・コリンズ)、そして「長崎は今日も雨だった」など。

勧進元のMさんにはたいへんな手間をかけることになるので、メールで慎重にお伺いを立ててみた。


「実は、次のようなお願いはあつかましいでしょうか。

 中学~高校時代に親しんだポピュラー音楽のドーナツ盤(45回転)が かなりあります。中には、CD化されていない懐かしい曲があります。23枚ほどですが、これをCD-Rに録音していただけないでしょうか。

 ただし、盤の状態があまり良くありませんので廃棄同様のレコード針で結構です。 なお、ドーナツ盤の再生に必要なターンテーブルの芯に乗せる丸型のアダプター をお持ちでしょうか。」

Mさんから折り返し、次のメールが。「かなりハードですが、ご奉公させていただきましょう。ドーナツ盤用アダプターはあります。」

万歳!

 


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