昨日(6日)の早朝から、ガサゴソと家の中を動き回る我が家のカミさん。
何をしているのかと思ったら、“米・酒・塩・水”の「お供え」だった。そういえば、今日は病院に行って1年に1回の定期的な内臓のCT検査をやると言ってたなあ。”今どき、何と古風なことを”と、きっと苦笑される方もいることだろう。
数年前に胃の大病を患い、手術後に幸い回復したもののそれから何かといえば「神頼み」で、家族それぞれの病理検査の日ともなると欠かさずこの“おまじない”をしている。現在までのところまったく異常はないので霊験あらたかといったところかな?
「神頼み」で、つい連想してしまったことがある。
先日のこと、このところ音信がないオーディオ仲間のMさん(奈良)が気になって、「お元気ですか?」とメールを差し上げたところ、「元気ですよ」と次のようなメールが返ってきた。
「〇〇さん(自分のこと)と、ご同様に隠居生活にも関わらずに大忙しでご無沙汰です(笑)。
医療控除作成、家内のピアノデュオのチラシ、そのプログラム作成、等々で忙しいです。昨日は、義弟と京丹後の木下酒造に商売の潤滑を兼ねて試飲と酒倉見学をしてきました。
ここは、杜氏がフィリップ・ハーバーという英国の方です。発酵の世界で人間には制御し切れないところがあるせいか至る所に神頼みの”お札”が貼ってあるのが、印象的でした。」
あまりにも科学の進歩が著しいと、その一方で「人知」の及ばない”神秘の世界”につい憧れてしまう。
「発酵の世界」もさることながら、陶磁器を窯に入れて焼くときに釉薬(ゆうやく)の溶け方次第で独特の紋様が出来る現象も似たようなものだろう。
代表的な事例としてすぐに想い出すのが「曜変天目茶碗」。
ネットの解説によると、
「曜変天目=ようへん てんもく
曜変というのは、漆黒の釉面に結晶によるさまざまの斑紋が群 をなして現れ、その周りが瑠璃色の美しい光りを放っているものを言う。
曜変は”窯変”からきている。つまり窯の中の偶然の変化、窯変(ようへん)で釉面に 種々の美しい自然の文様が現れることがあり、茶人はこれを曜変(ようへん)と呼んだ。中国で宋時代に作られたが、残っているのは日本の3点だけ。非常に貴重なものである。
日本には留学僧が持ち帰ったとされ、藤田美術館蔵のものは徳川家康が一時所有していたとか。現代の技術で復元しようとしても復元できない。従ってニセモノも出まわらない。天目(てんもく)とは、黒い釉薬のかかつた焼き物を広く一般に天目と呼んでいる。
中国・南宋時代12-13世紀に作られた。
毎日、「いい音」へ向けて熱心に勤しんでいるオーディオも、このところどうも人知の及ばない世界のような気がしてならない。これから毎日、オーディオ・ラックの上に「お供え物」をしてから聴こうかな。ひよっとすると「神がかりの音」が出るかもしれないぞ(笑)。
最後に、カミさんはCT検査の結果、「これで完全に喪が明けましたね、まったく心配いりません。」と、医師から太鼓判を押されたとかで、実にうれしそうだった。
これも「神頼み」のおかげかな!?