昨日(22日)は1年半ぶりの胃カメラの日。
主治医の指示でやむなく受けたものだが、受診の結果「逆流性食道炎」の直りかけだった。
「自覚症状がありませんでしたか。」「はい、このところ何だかおかしかったです。先生、ガンではないでしょうね?」
「いいえ、違いますよ~。胃の方は綺麗なもんです。ハイ、記念写真です」と画像をくれた。
たしかに、食道の入り口の周囲の粘膜が一皮むけたようになっている。別に専用の薬をくれなかったのでそのまま放置してもいいと医師は判断したのだろう。まずはホッと一息。
自宅に戻って遅い朝食をとってしばらくすると玄関のチャイムがピンポ~ン。
おっ、意外に早く着いたな。待ちに待った宅配便の到着。
中身は修繕が済んだ古典管がドッサリ詰まっているのだ。以下、経緯を説明しよう。
年始早々に「北国の真空管博士」(以下、「博士」)から落札した「171」(最初期ヴァージョン)をきっかけにして、いろいろと博士からご教示をいただいている。
とにかく、古典管について信じられないほどの膨大で詳しい知識をお持ちである。貴重な文化遺産(古典管)を保護されている意味で自分にとっては人間国宝にも匹敵する方。仲間からも次のようなメールが届いた。
「真空管博士と呼べる様な人達は昔は全国に沢山いらっしゃったのでしょうが、今では稀少な存在になりましたね。いわば絶滅危惧種みたいなものですから、レッドブックに載せて真空管ファン達で保護しなくてはなりませんね(笑)。」
保護というとおこがましいので、ご迷惑にならない範囲で精一杯活用させていただき、世の中の古典管の啓発に少しでもお役にたてればという気持ちである。
真空管オーディオを詰めていくと、どうしても1930年代前後に製造された球に行きつくのだから仕方がない。
とはいえ、実を言うと実益も兼ねている(笑)。手元には華々しく脚光を浴びる古典管の陰に使い物にならなくなった球がドッサリある。
まさに「一将功成って万骨枯る」。1920年~1930年代の古典管に夢中になると、何せ90年ほど前の真空管だから、当たりハズレがあるのは当たり前。
たとえば急に音が小さくなったり、雑音がしたり、はてにはウンともスンとも言わなくなったりする。こういう古典管たちは
とうぜん元手もかかっているし捨て去るには忍びないのでずっと手元に保管している。
せっかく博士の知遇を得たこの機会に、この際これらの古典管をとりまとめて故障の原因を診てもらうおうと申し出た次第。
すると、「いいですよ。送ってください。診て差し上げます。」
「いやあ、ありがとうございます。感謝です。お言葉に甘えて送付させていただきます。」
送付したリストの中身は次のとおり。
「MH4(1本:メッシュプレート)、171(4本:トリタン仕様)、ML4(1本:メッシュプレート)、171AC(1本)、227(メッシュプレート(8本)、271A(1本、レイセオン・エンボス付き)、デ・フォレの471B(2本)」 計18本。
どうせ使えないのだから、たとえ1本でも蘇生できたら「御の字」というわけだが、何とほとんどの球が息を吹き返したのだからたまらない!
これらの球の病の原因と治療結果をそれぞれ述べてみよう。
以下、続く。