2か月ほど前の8月中旬に「チューブ・オーディオ・ラボ」さん(新潟県)からお預かりした真空管アンプ。
古典管で由緒あるテレフンケン(ドイツ)の出力管「RS289」を4本使った凄いアンプだった。
我が家の既存のアンプではどうしても出てこない低音域の伸びに驚愕しつつ欲しくて欲しくてたまらなかったが、その一方では寄る年波には勝てずこれから楽しめる時間も限られているし、手元にあるアンプも沢山あることだしでとうとう涙を呑んで諦めた。もちろん懐具合も影響していないと言えばウソになる(笑)。
このアンプは我が家の手を離れて福岡県内のマニアの間を転々とした後、「チューブ・・」さんのところに無事戻り、先日(10月7~8日)開催された「真空管アンプオーディオフェア」(於東京)へ出品された模様。
丁度、うまい具合に新品の真空管やコンデンサーなどのエージングが済んだことになる(笑)。
いわば絶好調の状態で試合に臨んだわけだが、その首尾(評判)やいかにと期待していたところ、終了後の10日(水)にわざわざ「チューブ・オーディオ・ラボ」さんからご連絡があって、ほかの大概の出品者が近代管を使っていたのに、当ショップでは古典管を使っていたので大いに注目を浴びたとのこと。
お客さんが入れ替わり立ち代わりで、おまけに即決で他のプッシュプルアンプも売れた由。
「それは良かったですねえ」と、心からお喜びを申し上げておいた。
販売用の真空管アンプをまとめて製作するとなると古典管はどうしても量の確保に限界があるので、近代管を使うしかないが、悲しいかな近代管を使ったアンプでこれまで満足のいく音を聴いた験しがない。
真空管は用途別にいろんな種類があって、たとえば電圧増幅管、出力管、整流管などがあるが、これらのうちで1本でも近代管を使うと即アウト!
真空管アンプは一人でも異端者がいると全体がダメになってしまう。それほどシビアな世界である。
おおかたの近代管はどうしても古典管の持つ「ふっくらとして艶やかな音=色気のある音」には程遠いのが実情だ。まあ、こればかりは「好き好き」なので外野席でいくら喚いたとしてもいいも悪いもないわけだが・・・。
ただし、近代管を使ったアンプの音を聴いて「これが真空管アンプの音か」と、簡単に決めつけないでほしいというのが古典管愛好家の切なる願いである。
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