現在ゴールデンウィークの真っ只中だが、温泉観光地「別府」は県外ナンバーがうようよしている。「福岡」「北九州」「熊本」「宮崎」など、どうかすると「和泉」(大阪)「金沢」(石川)まで目に付いた。
日頃クルマの渋滞とはまったく無縁の町だが、自宅に戻るのにメインロードをわざわざ遠回りする方が速いくらいだった。
旅館業、飲食業などのサービス業で持っている町だから関係者には朗報に違いない。どうやらコロナ禍が一段落しつつあるようで良かったですねえ。
それにつけてもひどいのがお隣の国「中国」の上海で、中国共産党の融通の利かない「ゼロコロナ政策」で2千6百万都市のロックダウンが凶行されている。
自国開発のワクチンの問題もあって身動きが取れないらしいが、科学とイデオロギーが折り合うはずもなく「お気の毒」の一言~。
さて、以前「日本経済新聞」に大きく一面を使って「日本人の夢を大調査」という記事があった。
そのうちのランキングベスト3を紹介してみよう。(調査の対象は全国47都道府県から各300人、総勢14,100人)
第1位 健康な生活を送りたい(810件 11.1%)
第2位 好きな趣味に打ち込みたい(724件 9.9%)
第3位 マイホーム(一戸建て)に住みたい(626件 8.5%)
「夢」とはいいながら誰にでもちょっと手を伸ばせば届きそうな、いかにも堅実でささやかなものばかり(笑)。
このたびのウクライナ紛争からしたら、「平和ボケ」と謗られても仕方がないが、取り分け第2位の「好きな趣味・・・・」は簡単に実現できそうな気もするが、中高年の働き盛りにとっては日常の仕事に追いまくられているので趣味に割く時間がもっと欲しいという欲求の表れなのだろう。
好きな趣味に打ち込むことがいかに楽しいかということを改めて思い知らされるとともに、引退したら思う存分熱中したいという願望は自分にも切実な思いだったのでその気持ちはよく分かります(笑)。
幸いなことに、ここ15年ほどはたっぷり恵まれた自由時間をフルに活用し、明けても暮れても「音楽&オーディオ」三昧だったのは読者ならご承知のとおりだが、実を言うとこれでもう十分「夢」をかなえた気がしている。
人間は「おぎゃあ」と生まれた時点で「100年以内にお前を死刑執行する。具体的な時期と執行方法は教えない。」と宣告される悲しい存在だそうだが、もし「お前は明日死ぬ」と宣告されたとしても「ハイ、わかりました。もう思い残すことはありません。」と従容(しょうよう)として死を受け容れてもいいほど楽しませてもらった気がしている。
まるで達観したような物言いだが、実は先年の「九州ハイエンド・オーディオ・フェア」の影響もこういう気持ちの背景のどこかにある。
なぜかというと、アンプもスピーカーも数百万円もする高級機器群が期待以上の音を出してくれないことにガッカリしてしまった。
たとえばこの画像は1000万円ほどのレコードプレイヤーだけど高級DACで再生するCDの音とさして変わらなかった。
お値段が高い機器はそれなりの実力を発揮してくれないと困る。もう「夢」がぶち壊し~。
つくづく「お金」だけではカタがつかないオーディオの限界を思い知らされたわけだが、「夢をもらう」積りで出かけたオーディオ・フェアが逆に「夢を断ち切る」方向に作用したのだからほんとうに困ったことです(笑)。
現実に高級機が期待できないなら自分の価値観に基づいて新たに発掘するしかないが、いろいろやってみてもドラスティックな改善は望むべくもなく、所詮は五十歩百歩という気配がより一層濃厚になってきた気がする。
これが進歩か退歩かよく分からないが、オーディオは音に満足した時点で進歩が止まるのが通例で、その代わり音楽の方に専念できるという別の魅力的な世界が開けてくる。
「好きな音楽さえ気持ちよく鳴ってくれれば細かい音質の差なんかどうでもいい」という「オーディオ仙人の枯れた夢」に到達できればそれで良しとしたいが、はたしてこれからどうなることやら(笑)。
旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる(芭蕉)