ずっと昔からプリアンプの真空管(電圧増幅管)には細心の注意を払っている。
理由はこのブログの読者ならお分かりだろうから省略(笑)。
で、今回は不要になった真空管とプリアンプ用の真空管を交換してもらったお話。
さて、我が家には真空管アンプが(プリとパワーを合わせて)10台以上ある。
それぞれのアンプに常時生気をみなぎらしておきたいので、真空管の「トライ&エラー」を繰り返していると、優勝劣敗の理で一敗地にまみれた真空管がどうしても出てくる。
そういう真空管はもはや用済みとなって溜まる一方でその処理に頭を悩ますことが多くなった。
とはいえ、周辺環境次第で復活の恐れもあるので慎重な判断が必要だが、100%近く「箸にも棒にもかからない」球が何本もある。
そういう球はオークションに出してもいいのだが、寿命を測定する機器を持ってないので後からクレームが来たりすると面倒そうでつい怯んでしまう。
で、そういう状況の中で実に都合のいい話が舞い込んできた。
あるとき、「北国真空管博士」と情報交換をしていたらプリアンプに使用される「12AY7」の話になった。
「12AX7や12AU7と違って純粋にオーディオ用として開発された球です。μ(ミュー=増幅率)も40前後と手ごろですよ。」と、博士。
「μが100前後もある12AX7は華やかな高音域とひきかえに、低音域が薄くなる気がします。その一方、μが20前後の12AU7は安定感はあるもののちょっと地味すぎます。その点、12AY7は現在3本持ってますがとてもバランスが良くてプリアンプ用に重宝してます。もっと欲しいのですがよろしかったら手持ちの真空管と交換していただくとありがたいのですが・・」
すると意外にも「はい、いいですよ」と、乗り気になられた博士。
で、交換用の球として、整流管 「5U4G」(ペア:ナス管、マルコーニ)ほか4本をリストアップした。
今後まったく使う見込みのない球だったが、博士から「OKです」とのご返事があり無事「物々交換」が成立。
めでたく「12AY7」を4本ゲットして、さっそくプリアンプ用として活用したが、その溌剌とした鮮度に惚れ惚れしている。
そして、これに続く第二弾が「13D3」(CV4068)という電圧増幅管。これもプリアンプ用だが3台持っているので何本あっても助かる。
で、今回の球のブランドといえば英国の「BRIMAR=STC」で「13Dシリーズ」はことのほか定評があるとのこと。
「μが30前後でとても使いやすい球です。この13Dシリーズには業務用として極めて丈夫な球です。それに出力管として使っても耐えられるように設計されています。何といってもツクリがあのウェスタン以上とも言われているSTC(ロンドンウェスタン)ですからね。現在新品が4本あります」
「ぜひ欲しいですね。交換用の球をリストアップしますのでご検討をお願いします。
で、「6SN7GT」を3ペア(レイセオン含む)、ほか「VT90」、「VR38=MHL4」、「A430N」といった具合。
これも見事に商談成立。
ほどなく我が家に到着したうちの2本がこれ。
まったくの新品で「しばらくエージングが必要ですよ」とのこと。
さっそく、ワクワクドキドキしながらプリアンプの球を「12AY7」
から「13D3」に差し替えた。
もう「STC」とくれば「音」が悪かろうはずがないので、どれだけの違いがあるかだけが焦点だが、結果は(12AY7と)いい勝負だった。
華やかさとスピード感と解像力のバランスが絶妙だし、エージングが進むとこれ以上になるのが末恐ろしいほどの仕上がりぶり。
どちらかといえば「13D3」に軍配を上げたくなるほどだった。このところ好調な我が家のサウンドがさらに絶好調になりそう(笑)。
また長寿命を誇るSTCなので「我が命」尽きるまでスペアはもう不要だろう。
これで「12AY7」が7本、「13D3」が4本、そして既に手持ちの「13D9」(12AT7と同等)が4本となって豊かな在庫量となった。
おかげさまで、常用管だった「12AU7」「12AX7」「12AT7」「E80CC」の出番が無くなり大量に余ってしまったのには一抹の寂しさを感じる・・。
どなたか要りませんかね(笑)。
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