「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

新しいサウンドに対する3つの視点

2023年04月10日 | オーディオ談義

「新しいプリアンプが出来たのでお宅に持ち込んで試聴させてもらえませんか」と、連絡があったのは5日(水)のことだった。

発信者はNさん(大分市内)だが、今回の試聴会の裏で糸を引く張本人は我が家の近くにお住いの「Y」さんだろうとおよそ推測がついた(笑)。

我が家のシステムは音の微妙な変化を捉えるのに最適とのことだそうで、まことに光栄なことではある。

で、新しい機器や古い機器を改良したりしたときの対応にはなるべく「3つの視点」を持つよう心掛けている。

1 好きな音か嫌いな音か

2 正しい音か、正しくない音か

3 音楽的な音か、オーディオ的な音か

以上のうち、3についてはこれまで50年以上に亘ってクラシックを聴きこんできたので、それをベースにして「音楽的な雰囲気に浸れる音か否か」という、まったく主観的な視点となる。

そして当日の午後のこと、定刻通りNさん、Y さん、そして自分の3人による試聴会が始まった。

プリアンプの対象機器は全部で5台。

内訳は我が家の分が3台で、このほど導入した「E80CC」アンプ、マランツ7型、安井式、そしてNさんが持参された新プリアンプ、Yさんが持参されたプリアンプで、それぞれ「とっかえひっかえ」しながら丁々発止の戦いとなった。

で、戦いが始まる前に「スピーカーは何にしますか?」「もちろんAXIOM80です。これじゃないと微妙な差は出せません!」と異口同音の答えに思わず苦笑した。



そして、AXIOM80を駆動するアンプだが、これまた注文がついて「Y」さんから「あの黒いアンプが癖が無くて周波数レンジが一番広いように思います」



我が家のサウンドを熟知している「Y」さんならではの鋭い指摘に内心驚いた。

このアンプは日頃「WE300Bアンプ」や「PX25アンプ」に比べて、陽の当たらない存在だが、「あなたのアンプの中で周波数レンジは一番広いはずですよ」と、改造してもらった「北国の真空管博士」からお墨付きをいただいたアンプである。

ボリュームを「クラロスタット」に交換しており、初段管は「ECC35」(ムラード)、出力管は「6098=6AR4(初期の楕円型プレート)
」で、3極管接続にしており周波数特性カーブはあの銘管「PX4」とそっくりとのこと。

こういう「いざとなった」ときに、本性を現す「Y」さんはとても油断できない存在だということを改めて噛みしめた(笑)。

そして、実力伯仲のもと、一同耳をそばだてる
中で最終的に見事に栄冠に輝いたのはNさんが自信を持ってご持参されたプリアンプだった。



自分もまったく異論なく、「1」と「2」の視点からも賛同できるものだった。Yさんから「一番鮮度が高いです!」との一押しがあったのも充分頷ける。

ただし、自分からすると肝心の「3」の視点からは、あと1か月ほど体調のいいときも悪いときも含めてじっくり聴いてみないとわからない気がした。



というのも試聴盤がジャズだったので、クラシックを聴いたときに長時間にわたって聴き疲れすることなく音楽的な雰囲気に浸れるかどうかは未知数、かなあ。

とはいえ、Nさんの入魂の力作が優勝したのだから一番いい結果に終わったことは素直に喜びたい。(Nさんは)きっと今晩は枕を高くしてぐっすり眠れるはずだ(笑)。

ちなみに、このプリアンプはボリュームに拘っていて「アムトランス」の高価なものを使ってあった。そのせいか、「S/N比」(静けさ)が際立っているように感じた。



ネットから画像を拝借したが、まったく同じかどうかは自信がないけれど、これと似たような感じだった。

アンプ系については一定のレベルに到達すると、最後にものを言うのは「ボリューム」かもしれませんね~。



この内容に共感された方は積極的にクリック →    


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする