今朝起きたときに家人が開口一番、「昨晩(13日)地震が起きたのを知っている?」「何時ごろだ?」「9時ごろだったかしら」「ぐっすり寝ていてわからなかったなあ、大きかったのか?」「かなり大きかったわよ」
すぐにパソコンで確認・・、震源地は宮崎県で「震度5」、大分県中部(別府市を含む)では「震度4」だから、かなりの揺れである。
単発なら怖くないけど、いずれ確実に来るとされている大規模な「東南海地震」の前触れだとするとちょっと怖いですね。
なるべく高いところに物を置かないようにしようと心掛けているが、ことオーディオばかりはそうもいかない(笑)。
こういう風に配置換えしたのは、つい2日前のことだった。
このところ、重箱の隅を突っつくような繊細な音が続いていたので、その反動というのか、たまには低音がたっぷりとした「豊かな響き」が聴きたくなりました(笑)。
まあ「魅力的な音」とか「正しい音」とか言ったところで、初めから終わりまでどうせ理屈では割り切れない混迷の世界なんだから、その日の気分次第で臨機応変というのが我が家のポリシーである。
で、このウェストミンスターを導入してからもはや30年以上になるが、当時その購入を巡って家人としばらく冷戦状態が続いたのも今となっては懐かしい思い出だなあ(笑)。
さて、拙い経験から言わせてもらうと、このスピーカーから豊かな低音を引き出そうと思ったら、まずオリジナル仕様の「クロスオーバー1000ヘルツ」のままでは無理である。
ムンドルフ(ドイツ)のコイルを使い、200ヘルツあたりでハイカットしてやると、ようやく満足できる低音が出てくる・・、主観的な話ですけどね。
もちろん、ユニットの交換は必須で、現在付けているのはワーフェデール「スーパー12」(赤帯マグネット)だが、質感と量感が上手くマッチングしていると勝手に悦に入っているところ。
とはいえ、タンノイのオリジナル仕様を弄るなんてとても怖くてできないというのがホンネのところだろう・・、そういう方々には「オーディオはメーカーに不信感を抱くことから始まる」という金言を捧げたい(笑)。
ともあれ、このシステムで600ヘルツ以上を受け持っているのは「コーラルのドライバー+マルチセルラー・ウッドホーン」だけど、これを真空管アンプ「6A3シングル」で駆動してやると水も滴るようなヴァイオリンが聴けるのが不思議・・、普通「金属のダイヤフラム」を使ったホーンはヴァイオリンが苦手なんだけどな~、いずれにしろ「うれしい悲鳴」である。
というわけで、たっぷりとした低音の響きのもと「You Tube」でモーツァルトのヴァイオリン曲集を聴いていたら、身も心も奪われるような美しい旋律が聴こえてきた。
慌てて、確認してみると「ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ K261」だった。
モーツアルトに本格的にのめり込んでから軽く40年以上になるが、まだこんな名曲があったなんてと、思わず胸が打ち震えた(笑)。
急いで、「K261」でググってみると、ヴァイオリン協奏曲の中でも白眉とされる「第5番の第二楽章」について、親しいヴァイオリン奏者のために「代替曲」を二十歳の時に作曲したとのこと。
オリジナルの第二楽章は巷間「霊妙な美しさを誇る」と讃えられているが、この代替曲もそれに劣らない、いや上回るほどの出来栄えである。
「重さが浮かび、軽さが限りなく重い音楽」(カール・バルト)。
とまあ、そう感じさせてくれるのも豊かな低音の響きが「ピラミッド型」となって曲目全体を支えているせいかもしれませんね。
低音の響きの大切さについては、メル友の「K」さん(横浜)からもちょくちょく示唆をいただいている。つい先日も次の様なメールをいただいた。
「瀬川冬樹氏、彼の文章好きでした。当時(私が知るのは1967年ころからですが)山中氏含め数人の評論家は本物と初心者の私でも感じてました。
瀬川氏のAXIOM80も読んでいましたが「鳴らすのが難しい」。この言葉に評論家でも”そういうこと言ってよいのか”とその素直さに感じいりました。とにかく彼の文章は美しかったですね。
晩年「堕落」の意味は知りえぬことであれど確かに変わってしまった気が・・、レビンソンに入れ込み過ぎた?かな。
ところで、先日聴力確認したところ一万ヘルツまでやっとと分かり愕然としました。ほんとに驚きましたよ、どうしちゃったの・・・
しかし,まあ聴くことは支障ないかと(慰めてます)。
実は私も小さな優れたSPをと考えることもありますが、基本的に本格的な低音が土台に欲しいので食指が動きません。特にクラッシックはドイツ・スイスのホールでの、あの低音域をベースとした響きが忘れられません!!」
以上のとおりだが、コンサートホールでの低音域の豊かな響きを電気回路を通したシステムで聴こうというのが、どだい無理な話だと思うけど、少しでも近づきたいという気持ちはよくわかります。
ブログ主なんか、とうの昔からその辺を割り切ってますが、こうやってときどき「豊かな響き」に憧れるのも、まだ往生しきっていない名残りかもしれませんね(笑)。
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