高校時代の同窓生「U」君(福岡在住)から久しぶりに連絡(携帯)があった。いやあ、元気そうで何より!内容は先日のブログで福岡行きについて記載した件だった。
「福岡に来るのなら”音と”ものづくり”の歴史資料館”(以下、「資料館」)を是非見学して欲しいな~。珍しい真空管などが山ほど展示してあるし、真空管アンプでタンノイ・オートグラフが試聴できるようになってるよ」。
U君は今年の4月からは非常勤職員として在職中から設立に携わってきた(大学構内にある)資料館の管理を任されている。出勤日は火曜日と金曜日の週2日。
こう言われてみると、久しぶりにオートグラフの勇姿が浮かんできて無性に聴きたくなったので、(U君と)打ち合わせた結果、早々と訪問日を9月7日(金)に決定。
高級スピーカーを一人で試聴するのは”もったいない”のでオーディオ仲間の湯布院のAさんをお誘いしたところ、「7日は丁度空いています」との嬉しい言葉が返ってきた。
当日は朝から快晴。二人とも日頃の行いが”いい”のだろう(笑い)。
自宅を8時50分に出発し、Aさんの自宅を経由して「高速~都市高速」を快調に飛ばして資料館へ一目散。いっさい”カーナビ任せ”だったが寸分たがわず大学の入り口の守衛室の前に着いたのが11時10分ごろ。
近代的で広い敷地と大きな建物の大学だったが、すぐに看板が目についたので、迷わず資料館の前で無事にU君、そしてこの資料館の膨大な展示品の所有者の「H崎先生」(元ドイツ語の先生)と落ち合った。U君とH崎先生は一度だけ3年ほど前に我が家のオーディオを試聴していただいたことがあり、その時にAさんも同席していたのでお互いに旧知の仲である。
挨拶もそこそこに、さっそく1階の資料館へ。広い展示室に入ると「わぁ~」と思わず声が出てしまった。凄い。オーディオ機器のみならず、カメラ、時計など精密機器がずらっと展示されている。しかも、すべてが今でも作動可能というから驚く。
とりわけ時計は日本海軍やソ連の潜水艦で使用されていた珍しいものもあって目を引いた。
ちなみに、H崎先生は真空管アンプのみならず、カメラも時計もすべて修繕出来る方で、特に精密時計は時計屋さんが手に負えないものを泣き付いてくるという。
先ずは一番興味がある真空管の陳列棚へ。
凄いですねえ~。貴重な真空管ばかりでもう”ため息”の連続。しげしげと時間を忘れてながめていると、広い展示室の対角線の方向から「いい音」が流れてきた。U君が気を利かせてオートグラフを鳴らしてくれているようなので、すぐに足を向けた。
遠くからでも「いい響き」だなあと耳をそばだてたが、いざ近くに寄ってシステムに相対すると、「こんな音が実際にあっていいのか!」と息を呑むほどの美音。
柔らかくて、繊細で、クリアーで、そして音に何とも言えない「品位」がある。
駆動しているアンプはH崎先生の自作で古典管「UX-50」のシングルだという。音源はレコード。これまでいろんなお宅でオートグラフを聴かせてもらったが「自分の好み」という点では明らかにベスト1である。
以下、続く~。