「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

スクラップ & ビルド

2017年01月31日 | オーディオ談義

ときどき「オーディオの楽しみ」って、いったい何だろうと思うことがある。

もちろん音楽を聴く道具に過ぎないので「好きな音楽を好みの音質で自由に聴ける」というのが一番だろうが、それ以外にも「古い音を排し、新しい音を創造することが簡単にできる」というのもあるのではなかろうか。

つまり「スクラップ & ビルド」。

いろんな機器の入れ替えや真空管アンプの球を変えるだけでガラッと音が変わったりするが、それで万一好みの音が出たりしたときはもう天にも昇るようなうれしい気持ちになる。

いったんこういう気分を味わうと、もう歯止めが利かなくなって次から次に実験グセがつくのはマニアならご承知のとおり。

ただし、一方では作家の村上春樹さんのような例もある。若い頃はジャズ喫茶を経営していたほどのジャズマニアだが、システムはアキュフェーズのアンプとJBLの3ウェイで一貫している。お金はたんまりあるはずなので(笑)、もっと高級なシステムにアップしても何ら不思議はないが「音楽をずっと同じ音で聴きたい」のであえて替えないそうだ。たしかにこれも一理ある。

自分は過去に拘らず、少しでも気に入った音が出ればそれでいいという真逆のタイプ。

さて、我が家のフィリップスのユニット(口径30センチ、アルニコマグネット型)は、お値段の割にはたいへんな優等生で、聴けば聴くほど愛着が増すばかりだが、そのうちいかにも貧相な自作の箱に容れているのが何だか可哀想になってきた(笑)。

その実力にふさわしい、チャンとした箱に容れてやるのが持ち主の義務かもしれない。それに箱によって音がどう変化するのかも見極めたい~。

そこで同情心と期待感から、
グッドマン指定の箱に入っていた「AXIOM300」を取り外し、「フィリップス」を取り付けてみた。

同じ口径30センチのユニット同士なので簡単そのもの、30分もあればオワだ。

           

箱が「前開き」型なのでとても作業が楽で、胸をワクワクさせながら聴いてみた。

ウ~ン、これは素晴らしい。一段と良くなった!

低音域から高音域までレンジは十分だし、フィリップス独特の中高音域の艶も申し分なし、両スピーカーの間に綺麗に音像が定位する。しかも奥深い!ちなみに駆動するアンプは「PX25」シングル。

クラシックからジャズ、そしてボーカルまで大編成、小編成と何でもござれの万能タイプに見事に変身。

これなら我が家の歴史上、ベストの90点は付けられるほどで、ほとほとフィリップスのアルニコ・マグネット型の素性の良さには唸った。

この音ならどんなにウルサイお客さんがお見えになってもきっと感心することだろうと思っていたら、以心伝心なのか、土曜日(28日)に、大分からお二人、福岡からお一人、日曜日にはお一人の計4名の方々のお客さんラッシュ。

試聴結果はこちらが予想したとおり、全員がフィリップスに「これで完成しましたねえ」と絶賛、また絶賛!

まあ、他人の家に行ってシステムを悪しざまに罵る人はいないけど(笑)、その辺を割引しても今回ばかりは別格で感嘆しきりだった。

こういうベストの音が出ると、例によって「守り」に入りたくなる。そう、万一故障したときのためにスペアが是非欲しいところだ(笑)。

このユニットは口径30センチのダブルコーン型だが、タイミングよくオークションに口径20センチの同じフィリップスのアルニコマグネット型が出品されていた。

              

紛れもなくブラウン・コーン紙とアルニコマグネットの両者がそろった逸品で、口径30センチに比べて20センチのメリットも十分承知しているので「ぜひ欲しい!」と思ったが、何といっても入札価格が6万円と高っ!

これではチョット考えるなあ~。

通常の口径20センチのユニットならせいぜい1万円以下といったところなので、「皆さん、抜け目なくこのユニットの価値をよく知っている!」(笑)。

結局、切歯扼腕しながら諦めたが、AXIOM110(口径20センチ)を持ってなければ購入したんだけどなあ。

「逃がした魚は大きかった」と思うことにしよう(笑)。

 

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