前回からの続きです。
いよいよクライマックスの「AXIOM80」の「オリジナル版」(旧)と「復刻版」(新)の聴き比べである。いわば「新旧の対決」といえる。
ちなみに、クルマなどは新型ほど走行性能や燃費に優れているに決まっているが、オーディオの世界は真逆である。たとえば真空管は古いものほどツクリも音もいいし、スピーカーだって古いものほどいい。
タンノイは、古い方からマグネットのカバーの色の違いにより「モニターブラック」 → 「シルバー」 →「レッド」→ 「ゴールド」の順に変遷してきているが、音質はその逆で古いものほどいいとされている。もちろん「お値段」の方も見事にそれに準じている。
なぜか・・、筆者が憶測するに当時は音楽芸術が今とは比較にならないほど重要視されていた、そしてそれを聴く道具もそれに呼応するかのように、コストを度外視して念入りに作られていた・・、これに尽きるんじゃないかな~。
これについて、ほかにご意見があればぜひお聞かせ願いたいですね。
余談はさておき、音出しをしてみると、いきなりデカい音がしたので慌ててプリアンプのボリュームを絞った。能率は明らかに「オリジナル版」の方が上ですね。マグネットが違うしコーン紙も軽そうなので当然かな。
「違いはどうですか?」
「ハイ、こちらの方が細かい音をよく拾いますね、微かな音の余韻が音響空間の彼方にス~ッと尾を引いて消えていく感じが何とも言えないです。音色そのものは変わりませんけどね・・」
やはり、オリジナルの方に一日の長があると感じられているご様子。個人的には、補欠扱いとして気楽に聴きながせるという点で「復刻版」の方が好きだけどね。
言い換えると、物事には「分相応」というものがある・・、いい加減な人間の「ブログ主」には「オリジナル」の音はあまりにも立派過ぎる・・、この音を失いたくないという不安が入り混じった畏怖感、そういう気持ちを抱かせる音ともいえる。
オーディオはどっちに転んでも難しいです(笑)。
ただし、「復刻版」を使っている方がわざわざ「オリジナル版」を買い直すほどの必要はないと思いますよ。ほんの「わずかな差」ですからね。
そして、次はアンプの対決といこう。スピーカーは「オリジナル」のままで、アンプを「PP5/400」から「WE300B」へ変更。
これは・・と、思わず絶句された。
「両方のスピーカーの間に見事なステージが出来上がって楽器の位置や奥行き感などの表現力が素晴らしいです。音に底力があって浸透力の方も違う気がします。やはりモノ×2台が効いているんですかね~」
「こんなに素晴らしい音は滅多に聴けないです。ウェストミンスターで補完する低音もまったく違和感がありません。この音ならどんなにつまらない音楽でも退屈しないで聴ける感じがします。お宅のオーディオはこれで完成したのではないですか!」
いやはや・・、ここまで来るのに紆余曲折を経て何と50年以上もかかりましたからね~(笑)。
なお、球そのものの比較、つまり「PP5/・・」と「WE300B」の能力差はまた別次元の話なのでどうか誤解なきように~。「モノ×2台」とか回路とか出力トランスなどの他の要因にも左右されますからね。
最後に同じアンプで出力管の比較をしてもらった。「WE300B」(1988年製)と「6A3」(シルヴァニア:刻印)の対決である。
「6A3は音像(被写体)のエッジがくっきりしていてなかなかの表現力です。それに比べて300Bのほうは被写体を含めて周りの雰囲気を上手く醸し出してくる響きに特徴があります。どちらを取るかと言われたら300Bでしょうか」
やっぱり、300Bか・・、やれやれ~(笑)。
以上、これで雌雄が決した。アンプは「WE300B」シングル、スピーカーは「80」のオリジナル版の組み合わせが我が家のベスト・コンビである。
あっ、そうそう「300B」真空管に関してつい先日「北国の真空管博士」とこういう会話を交わした。
博士曰く「300Bという球にはプレートの大きさ故に欠点があります、それは・・・です。したがって前段管に何を使うかが非常に重要になります。あなたのアンプに使っているエジソンマツダのSP〇〇はそういう意味で理想的な前段管です。この球で300Bを駆動しているのは世界中であなたのアンプだけですよ」(・・・の内容が知りたい方はメールください)
フッ、フッ、フ・・、毎日心ゆくまで「世界で唯一の音」を堪能しているところだが、こうなると「WE300B」に加えて英国版の「4300B」(STC)が欲しくなったなあ・・。
おっと、つい話が逸れてしまった。
二人して秋の好日に「80」に心ゆくまで酔い痴れたが、2時間ほど経ってから「仕事中を抜け出してきたのでボチボチ帰ります」とYさん。
「本日はどうもありがとうございました。理事長がまたどこかでサボっていると職員が噂しているかもしれませんね」「アハハ」~。
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