「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「七転び八起き」~

2011年11月15日 | オーディオ談義

これまで長い間、散々(オーディオの)実験を繰り返してきたが、たった一回でうまくいくことは滅多にないので、期待は出来るだけ抑え気味にして「七転び八起き」の精神で行こうというのが自分のモットーである。

聴いた当初は何となく良くなったように聴こえるものの、時間の経過とともにいろんな不満が出てくるものだ。

そもそも、試聴盤の録音状態だってそれぞれにマチマチなのですべての曲目を一つのスピーカーシステムでうまく鳴らそうなんてどだい無理な話。結局
ホームランを狙う一発屋になるか、クラシックもジャズなども平均的に鳴らす方向に行くかの話になるが、自分はシングルヒットを狙うアベレージヒッターでいいと思っている。

新たにチャンデバを導入した「ウェストミンスター」だがもっと可能性を秘めているような気がして
出来るだけのことはしてみようと実験をしてみた。

果たして吉と出るか、凶と出るか。ダメなときは元に戻せばいい。

☆ タンノイの中高域ユニットの交換

何だか粗探しをするようだが「レクイエム」(モーツァルト)の混声合唱を聴いていて、もっと中高域が豊かに鳴ればという気がした。

何せ使い始めて20年近くなるので経年劣化しているのか、それともタンノイ独自のネットワークの”つくり”の中にその辺をうまくコントロールするカギが隠されているのかもしれない。

これに関連して今回の一連のタンノイにかかる記述について、たいへんお世話になっているオーディオマニアの方からメールをいただいた。

○ タンノイ・ネットワークのコイルの巻き線が細いからといって見た目だけの判断は危険です。最終のスピーカーボイスコイルを考えてみてください。非常に細い線です。

ロールオフ、エナジーの接点の排除と電解コンデンサーの容量確認、あるいは高音質フィルムコンデンサーを交換してみてはいかがですか

 新たなシステムの試聴のときには「合唱曲」を選ぶといいですよ

実にありがたいアドバイスで、オーディオは奥が深くて即断は禁物だと深く反省。


ただ、オリジナルのネットワークを復元しようにも120㎏ほどの重さがあるウェストミンスターの大きな図体を部屋の隅にピッタリ貼り付けているので、大人が3人がかりほどで動かさないと裏蓋を開けるのはとても困難。

したがって、今回は手軽な手段として中高域ユニットをJBLのLE-85ドライバー(以下「85」)に替えてみることにした。もちろんウッドホーン付。

             

☆ 周波数レンジのクロスオーバーの変更

この「85」はタンノイの高域ユニットが1000ヘルツ以上で設定されているのに比べて500ヘルツ以上と低い周波数までカバーできるようになっているので、とりあえずチャンデバを外してこれまで使い慣れてきたコイルとコンデンサーを使って500ヘルツ付近で低域と中高域をクロスさせたネットワーク(6db/oct)で聴いてみた。

ウェスタン社製の鉄芯入りコイルやオイル・コンデンサー(10μFを3個パラで接続)の端子とSPコードの「ハンダ付け」がたいへんだったが、1時間ほどで完了してさっそく音出し。

ウ~ン、なかなか悪くはないが手放しで良くなったと喜ぶほどでもない。表現のしようがないが、何だか”すんなり”割り切れる音ではない。

ここにきて、ようやくタンノイが40~1000ヘルツまでの(人間の耳にとって)一番大切な周波数レンジを、なぜ1個の低中域ユニットでカバーしているのか、それなりの意味があることを教えてくれた。

人の声はバス(男性低音)からソプラノ(女性高音)まで倍音を含めておよそ100ヘルツ~10000ヘルツの周波数レンジに収まるが、基音は「100~1000ヘルツ」である。

このレンジは人間の耳が一番敏感に感じ取る部分とされており、生きていくうえで絶対に必要な「他人の声を明瞭に聴き分ける」ことができるのもそのお蔭だが、タンノイはこのレンジの中に違うユニットを持ってきて、いたずらにクロスさせて混ぜ合わせ不自然な響きをしないようにという奥深い配慮をしているわけだ。

やっぱりタンノイの低域ユニットの受け持ちは設計どおり1000ヘルツあたりまで持たせてやるのがベストのようで、おそらくボックスの”つくり”もそれに合わせているのだろう。

というわけで再び1000ヘルツでクロスさせた「チャンデバ」の復活。やはりこちらの方が圧倒的にいい。

結果的には、周波数レンジのクロスオーバーはそのままにしてタンノイの中高域ユニットをJBLの「85」に替えただけになったが、慎重に中低域のユニット(HPDー385)と「85」のボリューム調整をした後に「レクイエム」を聴いてみると合唱の人数も随分増えたような印象がして実にバランスよく聴けた。

中低域ユニットがタンノイ、高音域のユニットがJBLと、まるで水と油みたいな組み合わせに思わず苦笑が出るが、「85」のウッドホーンのゆったりとしたまろやかな響きが中和剤の役割を発揮しているようだ。

もちろん、人それぞれでオリジナルのウェストミンスターを好む人も沢山いると思うが、自分はこちらの方がどちらかといえば好き。

タンノイファンに一度聴いてもらって判定してほしい気がする。

もっとも、低域の重量感と解像度がもっと欲しい気もするが、レンジよりも音像定位とハーモニーを重視するスピーカーだからこの辺が年貢の納め時だろう。

とにかく、これでやっと一段落。

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