「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「宇佐神宮」巡り

2023年11月13日 | 独り言

はてさて、他県からお見えになったお客さんをどこにご案内しようか・・、となると本県ではまず「宇佐神宮」で決まり~。

なぜ?

「宇佐神宮は、大分県宇佐市にある神社。 全国最多の約44,000社ある八幡宮の総本社である。石清水八幡宮・筥崎宮と共に日本三大八幡宮の一つ。古代においては伊勢神宮と共に二所宗廟として扱われた。八幡宇佐宮または八幡大菩薩宇佐宮などと呼ばれた。

国東半島に広がる神仏習合の山岳信仰・六郷満山文化と深い関わりを持っており、太古からの原生林に囲まれた広大な境内は澄んだ空気に包まれ、八幡造の3棟の本殿(国宝)をはじめ、神橋、呉橋(くれはし)、能楽殿、宝物殿など、歴史的・文化的に貴重な建築物が立ち並ぶ。

樹齢800年のご神木や、踏むと幸せになる「夫婦石」、ハートの形をした建造物の文様「猪目」などが点在。恋愛成就や縁結び、商売繁盛など所願成就にご利益があって、全国各地から多くの人が訪れます。春には約500本のソメイヨシノが、夏には蓮の花が咲き誇り、四季折々の風情を楽しむことができる。

というわけで、何しろ全国の八幡宮の総本社である。

広大な敷地、威容を誇る神殿を目の当たりにすると、思わず神のお加護にすがりつきたくなるほど。

しかし、なぜこんな栄えある神宮が九州の片田舎にあるかというと、大きな謎に包まれている。

で、去る8日(水)は横浜から来た高校時代の同級生「T」君を「宇佐神宮」に案内した。7日の我が家での「試聴会」は詳述したとおり。

当日は、雲一つない秋の青空が天井知らずのようにどこまでも透き通っていてまるで吸い込まれそう・・、まさにモーツァルトの音楽みたいだった(笑)。

別府からクルマで1時間ほどで到着。

平日とあって、やや閑散としていたがそれでも他県からとおぼしきグループがちらほら~。

「どちらからお見えになったのですか?」「ハイ、静岡県です」「ハイ、(神奈川県の)相模原です」といった具合。

玄人はだしのカメラマン「T」君が写真を取ってメールで送ってくれた。





なお、凄い美人を見かけたのでT君に「ぜひ写真を撮らせてもらおうよ」と、唆して「写真を撮っていいですか」と交渉してもらったところ、ご快諾。



トルコ人で現在は「ドバイ」に住んでおられるとのことだが、実に流暢な日本語だった。

すらりとした長身のスタイル、彫りの深さといい、肌の色艶といい、実物のほうが写真よりもずっと「魅力的」だったことを力説しておこう(笑)。

で、結局この日は宇佐神宮にすっかり時間を取られたので、その後の予定を変更して海沿い周りの「国東半島一周」コースへと切り替えた。

この日の走った距離は150Kmで、15時31分発(博多駅行き)の電車に間に合い、別府駅で見送った。

「来年の
5月には2泊3日の日程で来たいのでよろしく・・」

「ああ、いいよ~」



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一流の演奏家と好きな曲目が一緒とは光栄の至り

2023年11月12日 | 音楽談義

週一度の図書館通いでたまたま目に触れたのが「宮本文昭の名曲斬り込み隊」。

                           

「宮本文昭」さんといえばクラシック通ならご存知のように著名なオーボエ奏者だが、世に名曲の解説本は多いものの、実際に演奏する立場からの視点による解説本は意外と少ないのが実状。

また、オーボエという楽器は管楽器全体を引っ張っていく存在だから、そういう視点からのアプローチも面白そうなので読み始めたところ、つい引き込まれて一気読みしてしまった。


本書で取り上げてある名曲は以下の8曲。

 モーツァルト「ディヴェルティメントK.136」  「協奏交響曲K.364」、  
チャイコフスキー「交響曲第5番」、  ベートーヴェン「交響曲第3番英雄」、 5 ブラームス「交響曲第1番」、  リムスキー・コルサコフ「シェラザード」、  マーラー「交響曲第9番」、  ブルックナー「交響曲第8番」

いずれも比較的、世に知れ渡った曲ばかりだが自分なりの思いがある曲目が重なっているのに驚いた。

一流の演奏家と好きな曲目が一緒とは光栄の至り~。


たとえば、1のK・136はオペラなどの大曲を除くとモーツァルトの中で一番好きだと言ってもいいくらいの曲。

「You Tube」でもしょっちゅう聴いているが、CDではトン・コープマン指揮の演奏がダントツにいい・・、本書でもコープマンのCDが紹介してあった。

                    

この曲では特に第二楽章が好みだが「悲しいというのではないんだけど晴れやかでもない、そこはかとない哀しみが漂う、これまた名曲です。」(本書35頁)と、あるがたしかにそう思う。

「モーツァルトの涙の追い付かない哀しみとは何ですか?」と問われて、それを言葉で表現しようなんてとても無理な相談だが「それはK・136の第二楽章を聴けば分かりますよ」というのが、まっとうな解答というものだろう。

逆説的に言えば、これを聴いてわからない人はいくらモーツァルトを聴いてもダメと烙印を押したいくらい(笑)。

で、ケッヘル番号が136と非常に若いが、わずか16歳のときの作品だというからやはりミューズの神が与えた天賦の才には、ただただひたすら頭(こうべ)を垂れるほかない。


は正式には「ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための協奏交響曲」(K・364)という。

モーツァルトにしてはそれほど有名な曲目ではないが、これまた大好きな曲で、いろんな演奏家を聴いてみたがダントツなのが五嶋みどり(ヴィオリン)さんと今井信子(ヴィオラ)さんのコンビ。
                          
                 

本書の解説にはこうある。

(第二楽章)「深い憂愁につつまれた楽章だ。23歳のアマデウス先生が希望に胸を膨らませて向かったパリで失意を味わい、”もののあわれ”を知ってしまったのだろうか。

モーツァルトが全作品の中でもめったに見せたことのない、ほとんどロマン派と見まごうばかりの彼のプライベートでセンチメンタルな一面が垣間見れる。」(本書210頁)

ヴァイオリンとヴィオラの優雅な絡み合いの何とも言えない美しさに不覚にも目頭が熱くなってしまうのが常~。

この辺の微妙な表現力となるとSPユニット「AXIOM80」の独壇場で魅力全開である。五嶋さんも今井さんも楽器は「グァルネリ」だというが、日頃よく耳にするストラディヴァリよりも美しく聴こえるので、(AXIOM80とは)相性がいいのかな。


次に3、4、5、6、7は割愛して最後ののブルックナー「交響曲8番」についてだが、これは周知のとおり1時間半にも及ぶ長大な曲で、著者が高校時代に毎日繰り返し聴いて感銘を受けた曲とのこと。

プロの演奏家になった現在では分析的な聴き方になってしまい、高校時代のように「あ~、いい曲だなぁ」と音楽に心を委ねきることが出来ないと嘆いておられる。


これはほんの一例に過ぎないが、総じてこれまで自分が見聞したところによると純粋に音楽を心から楽しもうと思ったら指揮者や演奏家を職業にしない方がいいような気がして仕方がない(笑)。

ブルックナーについては、天下の「五味康祐」さんが次のように述べている。

「ブルックナーの交響曲はたしかにいい音楽である。しかし、どうにも長すぎる。酒でいえば、まことに芳醇(ほうじゅん)であるが、量の多さが水増しされた感じに似ている。

これはブルックナーの家系が14世紀まで遡ることのできる農民の出であることに関係がありそうだ。都市の喧騒やいらだちとは無縁な農夫の鈍重さ、ともいうべき気質になじんだためだろう」(「いい音、いい音楽」)


さて、ブルックナーの8番はチェリビダッケの指揮したCDを持っているが、これは超絶的な名演とされる「リスボン・ライブ」盤(2枚組:1994年4月)である。

                      


おいそれとは簡単に手に入らない稀少品(海賊版)として高値を呼んでいたが先年復刻されて正式に発売されているのは周知のとおりだが、個人的にはポピュラーな盤になったせいで「一抹の寂しさ」を感じる(笑)。

スケール感と重厚感があふれる曲なので、こういう盤を聴くときこそ「ウェストミンスター」(3ウェイ)の出番だが、たっぷりした音の洪水の中で音楽の魂が吸い込まれていきそうな気にさせてくれる名演・名曲である。

最後に、本書は演奏家、指揮者の視点からの分析もさることながら、著者の音楽への愛情がひしひしと伝わってくるところが実に好ましく、ほんとうの「音楽好き」なんだなあ~。

クラシックの愛好家でまだ読んでいない方は、機会があれば是非ご一読をお薦めしたい。
  



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オーディオ秋の陣「オカルト・オーディオ」の展開

2023年11月11日 | オーディオ談義

先日のブログ「オーディオ秋の陣~プリアンプの影響力~」の末尾にこう記していたのをご記憶だろうか?

「そして四方山話は意外な方向に発展して「オカルト・オーディオ」へ。

オカルトの意味は周知のとおり、1 超自然の現象。神秘的現象。2  目に見えないこと。隠れて見えないこと。

「オーディオ」と「オカルト」の関係とは、はたしていかに~

以下、続く。」

実は当の本人が「以下、続く」を
すっかり忘れていた・・、猛省しています(笑)。

で、遅ればせながらその「オカルト」だが、オーディオで該当するものといえば、つまり「目に見えない、隠れて見えない」といえば「磁界」「振動」「電源」くらいだろうか・・。

「かんじんなことは目に見えないんだよ 」(星の王子様:サン=テグジュペリ)という意味深長な言葉がある。

で、まず「振動」は「スピーカーを始めとしたオーディオ機器の振動」が該当するが、その大小が音質にかなり影響を与えますよね。

たとえば、我が家ではスピーカーを置く場所はすべて「コンクリート」にしている。



効果絶大です! スピーカーの振動エネルギーが床に吸収されないので「本格的な低音」を出そうと思ったら、これは必須の対策だと思っていますよ。

次に「電源」だが、これも目に見えないが音質に与える影響は計り知れない、とはいえ「群盲、像を撫でる」感じだが、せめてと「200V電源 → 100Vへ降圧器」を使用しているし、微小電流を扱う機器にはすべて電源ケーブルに「PAD」の「ドミナス」を使っている。

そして、最後の「磁界」が今回のメインテーマである。

物理学には素人なのであまり断定的なことは言えないが、せいぜい「磁界」といえば「電流あるところに磁界が発生する」「この磁界が音質に微妙な影響を与える」といったところですか。

当日の試聴会でオーディオ仲間の「Y」さんが、こう述べられた。

「信じてもらえないでしょうが、「さざれ水晶」が磁界を整えるという説がありましたので、試してみたところ明らかに効果がありましたよ!」

え~っ、と驚いた。普通の人が仰るのなら「はなっから」
信用しないが、ほかならぬ優れた耳の持ち主でフルート奏者の「Y」さんからの実例とあらば無視するわけにもいくまい。

そして一番肝心な「さざれ水晶」のお値段の方だが、ポケットマネーの範囲内で軽く収まるので「騙されたつもりで、一丁試してみっか」という気になった(笑)。



「さざれ」というのは「細かく砕いた」という意味ですね。

「君が代は さざれ 石の・・・」(日本国歌)。

そんなことはどうでもよろし~、さっそくこの「さざれ水晶」を、ゴムが緩くなった夏用の靴下の中に分散して要所要所に置くことにした。

まずは大元の「配電盤」へ。



ちなみに、Yさんによると配電盤のメーカー次第で音の良し悪しがあるとのことで、「〇〇メーカー」が最上で、「××メーカー」なら最悪で絶対に代えた方が良いとのこと。

興味のある方は具体名を教えて差し上げますのでメールください。ただし、結果については保証の限りではなく自己責任でお願いします(笑)。

なお、我が家の配電盤は「松下電工製」で「可もなし、不可もなし」といったところだそう。

次に「さざれ水晶」を置いたのが「200V → 100V」降圧器のコンセント部分。



そして、最後が「PAD」製のコンセント・ボックスのど真ん中に置いた。



ケーブルが入り乱れてゴオチャゴチャっとしてますねえ(笑)。

で、肝心の「効果=音」である。

それこそ「オカルトじみた効果」を信じるかどうかだが、

「心なしかSN比が良くなって、漆黒の暗闇の中から音が静かにふっと立ち上がってくる感じ、そして(音が)消え去るときにす~っと静かに暗闇の中に溶け込んでいく感じ」、がする・・。

「叩けよ さらば 開かれん」

はたして共感していただけるかなあ~(笑)。



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「映画を早送りで観る人たち」ほか~読書コーナー~

2023年11月10日 | 読書コーナー



本のタイトルを見て思わず笑ってしまった。「映画を早送りで観る」のは自分でもしょっちゅうやっているからねえ(笑)。

本書の狙いはこうだ。

「なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか・・。なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという事実に突き当たる。

いったい何がそうした試聴スタイルを生んだのか? いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか? あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。」

ちなみに、本書に関しては「本棚には裏がある」という本にもコメントがあった。(139頁)

「それは膨大な情報の中で生き残るために編み出された手法ではあるが、ネット世界で千々に乱れた集中力が招く行為でもあるのかという気もしてきた。

2時間の映画に、今の人々はもう辛抱出来ないのだ。倍速試聴や10秒飛ばしといった見方をする人々の前では、映画は物語ではなく情報と化す。映画は「観る」ものではなく「知る」ものとなった。

厚みのある作品をペラっとした情報にしてしまう倍速試聴の背景にある人間の変化を知ると、背筋がうすら寒くなっていく。・・のだが、しかし平安時代の物語を読みながら、和歌を「ウザッ」と読み飛ばす自分と、映画を早送りで観る人は、実はさほど違うものではない。

放っておけば、自分にとって快適なものしか選ばない人間の本能が、ここからは見えてくる。」

少し、耳が痛くなりましたよ~(笑)。

膨大な情報の中でいろいろ目移りして集中力が欠如してきているのはたしかに自分にも当てはまる。

たとえば、2時間物のミステリー番組なんかは、一気に観ることはなく、30分程見たら、飽きてきて別に録画した「ドキュメンタリー」番組にリモコンでポチッと移行することが日常茶飯事である。

ただし、映画とは限らず「音楽」だってそうかもしれない。大好きなオペラ「魔笛」(モーツァルト)だって「2時間半」もの長尺なストーリーなので、もう今となっては根気が無くなって始めから終わりまで一気に見れない。

オペラとはいわず、交響曲だって「1楽章~4楽章」まで通しで聴いている人って、中高年の方々でどのくらいいらっしゃるのだろうか。

あの有名なブルックナーの「交響曲8番」などは「三楽章」と「四楽章」を聴けば、たっぷり満腹になるはずだが・・(笑)。

なお、つらつら考えるのにほかにも「早送り再生」の理由にはこういうことがある。

たとえば同じ1時間でも「大好きな音楽を聴く時間」と「ミステリードラマを見る時間」が、同じ価値を持つとは、自分の場合はとうてい思えない。

つまり「時間の値打ち」が違う。

「ミステリー番組」なら「好きな音楽」に比べてせいぜい半分の値打ちぐらいしかないので、早送り再生で30分ほどにして無意識のうちに「時間の値打ち」を合わせているということは考えられないだろうか。

残された時間がそれほど「潤沢」にあるわけでもなし、時間の浪費に対する防衛本能が自然と働いている・・。

関連して、最後に「タイパ」について・・。(159頁)

「倍速視聴派に言わせればその最大の効能は効率だ。2時間の作品を1時間で観ることができたら、たしかに効率はいい。彼らは喜びの感情を伴わせながら語る、「タイパ(タイム パフォーマンス)がいい」と。

アハハ・・、オーディオでは「コスパ」(コスト パフォーマンス)をよく使うが、「タイパ」という言葉は初めて聞きましたよ~。(笑)



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遠路からのご来訪~2023・11・7~

2023年11月08日 | オーディオ談義

今朝(8日)の起床時の室内温度は16℃、昨朝は22℃だったので、たったの一晩で一気に6℃も下がったことになる。

いったいどうなってんの~。

起床時の気温が18℃を下がると、とたんに死亡率が上がるそうだから、中高年の方々はご用心。

話は変わって、昨日(7日)は高校時代の同窓生「T」君がわざわざ横浜から遊びに来てくれた。目的といえばもう「オーディオ試聴」しかない(笑)。

今年の5月も来てくれたのだが、その時の「音」が忘れられないとのことで、再度のご来訪となった。

実は、こういうケースはなかなか珍しい。

というのも、せっかく県外からお見えになっても我が家の音を聴いて「期待外れでガッカリされる」せいか、二度目のご来訪はまずないからねえ(笑)。

そういう意味では「T」君はありがたい存在であり、また良き理解者なのだろう。

で、3時間ほどみっちり聴いてもらったが、とうとう辞去するときには「我が家で聴く気になれません、好きなCDを置いていきます」との申し出に「ハイ、お好きにどうぞ~」(笑)。



で、今回の試聴の状況に細かく立ち入ってみよう。

せっかく遠路はるばるお見えになったわけだから、いろんなスピーカーを聴いてもらった。

はじめに、ウェストミンスターを絡めた「3ウェイシステム」、次がグッドマンの「TRIAXIOM」(口径30cm:同軸3ウェイ、」そして最後が「スーパー10+075」。

普段はクラシック系統ばかり聴いているので、ロック調の音楽となるとまったく勝手が違った。

圧巻は「ホテル・カリフォルニア」(イーグルス)と「ハイウェイ・スター」(ディープ・パープル)で、とりわけ後者はスピーカーのエージングに最適とも思えるヘヴィー・メタリックのロックだった。

エレキ・ギターが喧しく、ギャンギャン喚き散らす感じ~。

こういう音楽となるとクラシック向きのハーモニーを優先した音は太刀打ちできない。

強烈に、そして瞬間的に刻まれるリズムに対応するためには音声信号に対する「反応の速さ → スピード」しかない。

で、結局、最後に行き着いたのが「スーパー10+075ツィーター」というわけ。

スピードからいくと、我が家で一番は「AXIOM80」だが、ヘヴィー・ロックをこれで聴く気にはなれないしねえ(笑)。

で、これが「決め手」となった「スーパー10+075ツィーター」。



そして、これが内蔵されている「スーパー10」(口径25cm)。



強力な赤帯マグネットに支えられてスピード感に何ら不足を感じないのは実にありがたい。

ただし、フルレンジ・タイプのユニットに対していつも思うのだが、どうしても「超高音域」が物足りない・・。そこをカバーするために「075ツィーター」の追加というわけ。

どうやら、このスピ-カーで「T」君は心ゆくまで堪能した様子。

よかった、よかった・・。

夕食は「寿司」が好きとのことで、近くの「回転寿司」へ。7時ごろにお気に入りの「Kホテル」(温泉大浴場付き)へ送り届けた。

さて、今日(8日)の行く先は「宇佐神宮」(国宝)と「宇佐歴史博物館~風土記の丘~」へと案内し、帰りは「別府湾サービスエリア」(高速道路)で高台から別府湾を見下ろす絶景を楽しんでもらう予定。快晴の予報なのがありがたい。

あっ、そうそう・・、このブログの末尾に搭載している写真はいつも「T」君の作品から借用している。

「どんな写真が好き?」、「鳥の写真が好きだなあ・・」、「それじゃあ、まとめて送るから~」「ウン、よろしく・・」。

200万円近くする「ニコンのカメラ」と「ニコン・カレッジ」に100回以上通って一流の講師から実技指導を受けた腕前はたしかに説得力がありますなあ~(笑)。


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オーディオ秋の陣~プリアンプの影響力~

2023年11月07日 | オーディオ談義

このところ脚光を浴びているスピーカーがこれ。



我が家では珍しい3ウェイの編成である。なかなか音質的に気に入っているのだが、ご意見番の「Y」さんの「お墨付き」があるともっと気に入ること間違いなし~(笑)。

で、先日わざわざ来ていただいて試聴していただいたところ開口一番「なかなかバランスがいいですね! 音の抜けもいいし・・。スコーカーはどこのメーカーですか?」

「ハイ、テクニクスです。200~6000ヘルツを受け持ってます」

「テクニクスもなかなかやりますね・・、(外部の)コイルとコンデンサーを使っていないメリットが明らかに感じられます。」

「はじめから合格のお墨付きが出るなんて珍しいな」と、思っていたら、CDを代えた途端に「Y」さんの顔が一転にわかに掻き曇った(笑)。



「ヴァイ
オリンがエキセントリックな音色を出していません」とのご不満。

「それではヴァイオリンに定評のある「AXIOM80」に代えてみましょうか」と、代えたもののこれにも釈然とした面持ちではなかった。

どうやら我が家のヴァイオリンの音色は滑らかすぎるようで、ギーギーと鳴る「生の音」に近い音がお望みのご様子。

「もうこの辺が我が家では限界ですよ・・」と、軽く突き放したが(笑)、それから音質に関する四方山話になったが「プリアンプのカップリング・コンデンンサー」が話題となった。音質を左右する大事なコンデンサーである。

現在のプリアンプに使っているカップリング・コンデンサーは「マイカ・コンデンサー(0.075μF)」で、これ。



ちなみに、「マイカ」とは「雲母」のことですよね。自然素材の「雲母」を絶縁材として使ったコンデンサーは性能的にピカ一だけど、低容量なのが難点。

現状の音質には満足しているが、ときどき鋭い「アタック音」が入ったときに「やや歪む」傾向があると以前から気になっていた。

たとえばエンヤの「カリヴィアン・ブルー」の冒頭のアタック音などがそう。

「もっとコンデンサーの定数を上げたらいいかもしれませんが・・」

すると「ぜひ、やってみましょうよ」と大乗り気でけしかける「Y」さん(笑)。

「そうですね、悪ければ元に戻せばいいですからね」と、重い腰を上げて、プリアンプの本体を木製ケースから引っ張り出した。

作業に15分ほどかかっただろうか。


これが取り付け後のプリアンプの内部で、オーディンの高級コンデンサー「0.1μF」をマイカコンデンサーにパラった画像。

これで、最終値が「0.175μF」と、これまでよりも2倍以上になったことになる。

さあ、ワクワクハラハラしながら二人して固唾を呑んで耳を澄ました。

「あっ、明らかに音の肉付きが良くなりました! 神経質な深窓の令嬢がふくよかな伯爵夫人になりましたよ。追加して大正解です。これならもうサブウーファーは要らないんじゃないですか」とYさん。

たしかに、強いアタック音が入ってもビクともしない強靭な音質に変身~。

やっぱり、オーディオは現状に安住せずに常にチャレンジ精神を持たないとダメだなあ、と痛感しましたぞ(笑)。

そして四方山話は意外な方向に発展して「オカルト・オーディオ」へ。

オカルトの意味は周知のとおり、1 超自然の現象。神秘的現象。2  目に見えないこと。隠れて見えないこと。

「オーディオ」と「オカルト」の関係とは、はたしていかに~

以下、続く。



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ビンゴ! → 快感!

2023年11月06日 | 独り言

「失敗学のすすめ」という本がある。著者は「畑村 陽太郎」氏(当時:東大工学部教授)。



本書によると、講義の最中に「失敗事例」を持ち出すと、途端に学生たちの目が生き生きと輝きだして熱心に耳を傾ける、その一方、「上手くいった事例」となると、次第に熱気が薄れて学生たちの目が死んだようになる、とあった。

どうやら一般的に、人は「失敗事例」が好きのようで、「上手くいった事例」を紹介すると「敬遠される」と思っていいようだ。

このブログでもそう・・、オーディオ記事がなぜ人気が無いかといえば、「成功事例」しか取り上げないからだろうと推察している。多分、「また自慢話か」と受けとられるからだろう(笑)。

で、今回取り上げる事例は「成功事例」なのでおそらく敬遠されるだろうが、一向に気にしないからね~(笑)。

さて、先日の「仮説と検証」で、学問とは「仮説と検証」に集約される、で、「仮説を発表しないことには何も始まらない」という趣旨の元、身近で手ごろな材料として、ちょうど「野球」が「宴たけなわ」だったので、仮説(予想)を立ててみた。

筋書きのないドラマ「野球」は予想するのに手ごろですね。

まず、「MLB」(アメリカ・メジャー・リーグ)のワールドシリーズで、「レンジャース VS ダイヤモンドバックス」戦は、レンジャースの勝利を予想し、「4勝0敗」あるいは「4勝1敗」としていた。

蓋を開けてみると「ビンゴ!」、ずばりレンジャースが4勝1敗だった。

とはいえ、ネットの予想記事はこうだった。

「レンジャーズとダイヤモンドバックスが対戦するワールドシリーズの開幕に先立って、MLB公式サイトでは58人の記者が参加してワールドシリーズ予想を実施。

各記者は「ワールドシリーズに勝つチーム」、「ワールドシリーズの試合数」、「最も多くのホームランを打つ選手」、「最も多くの三振を奪う投手」、「シリーズ最初の盗塁を決める選手」、「ワールドシリーズMVPに輝く選手」という6つ質問に回答し、MLB公式サイトはその結果を集計して公開している。

「ワールドシリーズに勝つチーム」は、レンジャーズが30票、ダイヤモンドバックスが28票という大接戦になった。

「両軍がワールドシリーズに辿り着くまでのプロセスを考えてみると、どちらが勝ってもおかしくない」という声もあり、MLB公式サイトの記者たちも回答に迷ったようだ。」

とまあ、以上のとおり。

MLBの事情に精通した専門の記者でさえこの有様なので、一介の素人の予想がピタリで「鼻高々」である(笑)。

「検証」の視点から言えばア・リーグの「西地区がなぜ強いのか」に行き当たる。

昨年の覇者は「アストロズ」、そして今年も同じ西地区の「レンジャース」であり、その根源には(同じ西地区の)「大谷」選手の存在にあると睨んでいる。投打ともに抜きん出ているので「いかに封じるか?」→ 選手たちのレベルが向上した、と推察してもあながち間違いではなかろう。

とはいえ、この説は今のところ皆無だが、いずれそのうち顕在化する・・と、予言しておこう。

いずれにしても予想が当たると「快感!」ですな(笑)。

そして、もう一つの「日本シリーズ」は昨日(5日)の最終試合で阪神が「7対1」で快勝しましたね。対戦成績は「4勝3敗」。

で、おいらの予想は「阪神の4勝2敗、あるいは4勝3敗」と書き記していたので、これまた「ビンゴ!」。

検証の視点からすると「岡田監督の采配力にある」と、睨んでいたがこれも当たり~。

好不調の波の多い「森下選手」を打順を変えることなく、実に辛抱強く使い続けたところに岡田監督の真骨頂を見た。また、第7戦の先発に「伊藤」投手ではなく「青柳」を持ってきたところにも深謀遠慮が伺える。

これがもし巨人の原(前監督)ならポリシーのないままにクルクルと猫の目のように選手を入れ替えたことだろう。

あっ、そうそう、巨人の話が出たついでに「阪神VSオリックス」戦を見ている家人(巨人ファン)に「おい、お前はいったいどっちを応援してるんだ?」と訊いてみたら「巨人をいじめたから阪神は嫌い!」という返事に思わず卒倒しそうになった(笑)。

「阪神が優勝すれば、少しぐらいは負けた巨人の価値も上がろうというもの・・」という発想にならないのだろうか。

「女子と小人は養い難し」(論語)。

最後に、メル友の「I」さん(東海地方)から今朝いちばんでメールをいただいた。

「ワールドシリーズと日本シリーズ、両方とも当てましたね。

確率的には(二つ予想していましたから)1/4×1/4で1/16でいいんでしょうか?」

ハイ、ありがとうございます。

ちなみに「I」さんのブログ「ジャズとテニスの雑記帳」を毎日「拝読」しているが5日付の「野球 バッティングとピッチングどちらが難しい?」は、独自の視点からの緻密な分析に思わず唸りました。たいへん秀逸な内容だと思います。

勝敗の予想なんかが云々よりもはるかにタメになる記事です。野球に興味のある方はぜひともご覧あれ!


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ぜひ記憶に残しておきたい記事

2023年11月04日 | 独り言

お隣さんが取っている新聞は「日経」で我が家は「読売」だ。家人が熱烈な巨人ファンなので諦めている(笑)。

で、「日経」が見たいばかりに、お隣さんに「読み終えた新聞をお互いに交換しましょうよ」と持ち掛けてからもう10年以上は経つ・・。

やはり、日経は見どころ満載で読み捨てるにはもったいない記事ばかり。そういう記事がこのところ溜まってきたのでブログに残しておくことにした。



「野中 郁次郎」氏(一橋大学名誉教授)といえば、政治家や企業人からバイブル視されている「失敗の本質」の著者である。

この記事では、ここ30年以上に亘る「日本の低迷」の原因が鋭く分析されているので興味のある方はぜひ~。まあ「見出し」だけでもおよそ想像はつきますよね(笑)。

次いで、「葛飾北斎」の記事。





北斎の「富岳三十六景」のうち、最も人気が高い「神奈川沖浪裏」がニューヨークのオークションで約3億6千万円で落札された。肉筆画ならともかく「版画」でこの値段だから驚く。

外国での人気がひときわ高いようで「グレート ウェーブ」の雄大さが心を打つようだ。

由緒あるお家の屋根裏やお蔵で「初期」の版画がもし見つかったら、これはたいへんなことになりますよ~。

次は「エレキギター大国、ニッポンの音色」



このところ「ユー チューブ」でエレキ・ギターを聴くことが多いが、その音色と響きについウットリと聞き惚れてしまう。

画像は「ギターのロールス・ロイス」と呼ばれる「ゼマイティス」の日本製ギター。貝殻で装飾され、宝石のように輝く(岐阜県可児市の神田商会)。

どんなに「オーディオ」を頑張ってみても、「生の音」には負ける のでエレキ・ギターを習ってみようかな~(笑)。

そして次は「東野圭吾」さんの叙勲の記事(読売新聞)。



東野さんはあれほどの多作なのに「ハズレがほとんどない」のは驚異的だといつも思う。東南アジアでも人気があるとのことで、日本のイメージアップに大いに貢献しているのは間違いなし。

「文学性は追わず、ただひたすら娯楽性を求めて書き続けてきた」と文中にあるが、ご謙遜でしょう。犯罪の根源に横たわる親子の絆、仲間の絆、愛憎と葛藤など、考えさせられることがいっぱいありますよ~。

最後に「私の履歴書」を。



「日本銀行総裁」として日本経済を10年間に亘って引っ張ってきた「黒田 東(はる)彦」氏。

その学生時代の猛烈な秀才ぶりはこのブログでも紹介したことがあるが、「こういう人物が考えた金融政策なら、多少間違っても仕方がないよなあ」という気にさせられるから不思議(笑)。

とにかく「頭の出来」が違うのである。財務省(かっての大蔵省)では最高位である「次官」にはなれなかったが、並外れた頭の良さが災いして「あいつはキツイ」と上司から疎まれたのが原因だとか・・。

そして、いよいよこの11月1日から「私の履歴書」への登場である。政財界、芸術家、スポーツ界などから「功成り、名を遂げた」人物たちが登場するが、まあ、おおむね「自慢話」で終わるのがちょっと残念かな・・。ただし、俳優の「山崎 努」さんのは本音が聞けてとても面白かった記憶がある。

だいたい、政財界人などよりも芸術家などの方が周囲に「おもねらない」気風が明らかに感じられるのは職業柄かな~。

これから1か月間、当時の金融政策の裏話が聞けるのだが、はたして黒田さんはどうだろうか、当たり障りのない自慢話なんか聞きたくもないが~(笑)。



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オーディオ秋の陣~人が動く、物が動く~

2023年11月03日 | オーディオ談義

秋が深まるにつれ「人と物」の動きが活発になるが、「音楽&オーディオ」関連の動きも例外ではないと思う。

気候のせいで心身ともに快適になり(「音楽&オーディオ」への)熱中度がひとしお高くなるのではあるまいか。

少なくとも自分はそう(笑)。

で、去る1日(水)はかねて噂になっているスピーカーの試聴にいそいそと出かけた。行く先はクルマで1時間ほどのYAさん宅。

途中で、我が家のオーディオのご意見番「Y」さんを拾っての道中だった。

YAさんといえば自作のアンプで堂々としたJBLの3ウェイシステムを鳴らされている方。



チャンデバを使って、低音域は「300Bプッシュプル」、中高音域は「300Bシングル」と、いずれも自作のアンプを使用されている。



評判を聞きつけて多くのオーディオマニアが押し掛けるほどの人気システムであり、たしかに「この音なら・・」と納得させられてしまう。

ちなみに「YA」さんにはこの7月ごろにプリアンプを製作してもらっているが、飽きやすい自分には珍しいほどの「優れもの」で毎日愛用している。



箱の作りも精巧を極めており、手先が随分器用な方である。

で、今回の対象になるスピーカーはこれ。


1940年製のフィリップスのユニット(口径20cm:フルレンジ:蝶ダンパー)を平面バッフルで鳴らされている。

はじめにクラシックを聴かせていただいたが、ヴァイオリンの音色がすこぶる艶やかで振るいつきたくなるほどの「色気」にもう参った・・(笑)。

「バランスがとてもいいですねえ、平面バッフルでこういう音が出せるんなら、もう箱は要りませんね。それに、低音が見かけ以上によく出ていますが、後ろ側に出ている逆相の音がJBLの38cmをドロンコーンがわりにしているのかもしれませんね
」と、思わず口を衝いて出た。

また、平面バッフルといっても台座の部分は随分工夫されている。



これらが全体的に相俟って極めて均斉のとれた音になっているのだろう。

そして口径20cmのユニットの持つ魅力に改めて感じ入った。音像定位に優れ、周波数帯域を徒に欲張らない賢さと上品さがある・・。

家庭で音楽を聴くのならこれで十分じゃないかな・・、「魚釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉がふと脳裡に浮かんだ。

駆動するアンプも良かった。



自作の「245シングル」で、我が家にも持ってきてもらって2回ほど試聴させてもらっているが、口径20cmのユニットとの相性が抜群だった。

大いに刺激を受けて、我が家でも平面バッフルを組んでみようかなあ、台座も同じにして・・、さしずめ「TRIAXIOM」なんかいいかもしれない。

お金も手間もそれほどかからないのがとても性に合っている(笑)。

以上は「人の動き」だったが、今度は「物の動き」。

YAさん宅を2時間ほどで辞去して、帰りに大分市内の「N」さん宅に立ち寄った。Nさんもこれまたベテランの「真空管アンプビルダー」さんである。

Yさんが発注された「2A3
シングル」が9割ほどの完成状態なので「ちょっと聴かせてください」と無理を通してもらった。

いかにもYさんらしく、強いこだわりがあって「必要悪のコンデンサー」を一切使わないアンプだそう。





出力トランスは「ファインメット」だそう。

アルテックの「A5」で聴かせていただいたが見事なサウンドだった。

「あとは抵抗を入れ替えますので、それが済んで完成の暁にはぜひお宅のAXIOM80でテストさせてください。たちどころにアンプの性能を一刀両断しますからね」と、Yさん。

「ええ、その時にはぜひ我が家のアンプと一騎打ちといきましょう。」と、すかさず応じた。

「WE300Bシングル」、「6AR6シングル」(三極管接続)、「2A3シングル」(出力管は「VISSEAUX」刻印)

かなりの強敵だと思うよ~。

さあ、どのアンプに栄冠が輝くか、メチャ楽しみ~(笑)。



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だいたい夫が先に死ぬ

2023年11月01日 | 読書コーナー


二冊のエッセイともに面白かった。

まず「だいたい夫が先に死ぬ」から。(102頁)

2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81・64歳。女性は世界1位、男性は世界2位なのだそうだ。

女性の方が6歳ほど長生きなのである。では夫婦という関係に観点を移して、夫婦の年齢差の平均はどのあたりか、ご存じだろうか。

ちゃんと統計はあって、全婚姻の平均年齢差はほぼ2歳だそうだ。もちろん、夫が妻より年上だ。

ということは、日本の夫婦は平均して「夫が先に死んで、その後、妻が8年生きる」ことになるはずである。では、その8年を妻たちはどう生きてゆくのだろうか。

具体的に3つのケースが紹介してあったが、眠っていた才能を新たに開花させるなど、まさに元気溌剌で亡き夫への感傷なんて微塵も無いのが面白かった。

女性は逞しい・・、我が家のケースで行けば「3歳差」なので、亭主より9年長生きすることになるが、毎日笑顔で元気に暮らしていく様子が目に浮かんでくるようだ、ま、それもいいでしょう・・(笑)。

その一方、妻に先立たれた夫の淋しそうな有様を我が地区でも時折見かけるが、そのたびに絶対に妻よりも先に逝かないと苦労が目に見えているなあ、と決意を新たにしてしまう。

男性は概してもろい・・。

もう一つ・・。著者の高橋氏は毎日新聞で「人生相談」をされているそうだ。読売新聞でも「人生相談」欄があり、毎日目を通しているが、回答者の考え方が色濃く投影されているのをいつも感じる。

86頁にベテランの「車谷(くるまたに)長吉」(作家)さんの回答事例が紹介してあった。質問は次のとおり。

「40代の男性(高校教諭)からの、教え子の女生徒が恋しい」という相談。

「生徒にも人気があり・・、妻と子供二人にも恵まれ、まずまずの人生だと思っているが5年に1度くらい、自分でもコントロールできなくなるほど没入してしまう女子生徒が出現する・・今がそう・・相手は17歳の高校2年生で、授業中に自然に振舞おうとすればするほど、その子の顔をちらちら見てしまいます。

その子には下心を見透かされているようでもあり、私を見る表情が色っぽくてびっくりしたりもします・・教育者としてダメだと思いますが、情動を抑えられません。どうしたらいいのでしょうか」

さあ・・、貴方ならどういう回答をされますか?

まあ、先生が教え子に手を出したら「懲戒免職」は確実だよねえ、それに奥さんからも子供たちからも信用を失ってしまうのは必至・・。

両者を「天秤」に掛けると、もう答えは目に見えてますよね。

ところが、前述した「車谷」さんの回答はこうだった。

「あなたは自分の生が破綻することを恐れていらっしゃるのです。破綻して、職業も名誉も家庭も失ったとき、はじめて人間とは何かということが見えるのです。
あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえば、それでよいのです。そうすると、はじめて人間の生とは何かということがみえ、この世のほんとうの姿が見えるのです」

予想外の回答に驚いたが、言外に「あなたは真剣勝負ができますか?」と、刃の切っ先を突き付けられる思いがした。

で、興味津々で「チャットGPT」に質問をコピーして打ち込んでみたら「回答不能」と出て来たので、内容を変えて「教師が教え子を好きになることはいけないことですか」と訊いてみた。

すると、

「教師が教え子を好きになること自体は、感情の一つであり、完全にコントロールできるものではありません。しかし、教師と教え子の関係はプロフェッショナルな性質を持つべきであり、倫理的な観点からいくつかの考慮事項があります。

1 権力と不平等の関係
教師と教え子の関係は、権力と不平等の関係であるため、教師が教え子に対して感情的になることは、教育的な健全性に影響を与える可能性があります。感情的な結びつきが、公平な評価や指導に影響を及ぼすことがあるため、慎重に扱うべきです。

2 倫理的な配慮
教師と教え子の間に恋愛感情が芽生えた場合、倫理的な問題が生じる可能性があります。このような関係は、法的にも問題となることがあり、教育機関や規則に違反することがあります。

3 専念とプロフェッショナリズム
教師は教育に専念し、プロフェッショナルな態度を保つことが求められます。感情的な結びつきがプロフェッショナルな行動に影響を及ぼすことは避けるべきです。

要するに、教師と教え子の関係は、プロフェッショナリズムと倫理に基づいて慎重に管理されるべきです。教師は教育に専念し、教え子との適切な距離を保つことが重要です。もし感情的な問題が発生する場合、専門的なサポートを求めることが良い選択となるでしょう。」

こちらのほうは「杓子定規」というか至極まっとうな内容ですね。

しかし、自分の問題として真剣に考えこませるという点では「車谷」さんの回答の方が圧倒的に奥が深いと思う。

この辺が「AI」の限界なのかもねえ・・(笑)。

おっと、もう一冊の「本棚には裏がある」にも興味深い話があったのだが、紙幅が尽きたのでいずれ日を改めて・・。


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