「経営と編集」の二分法を逆用
2021年5月27日
朝日新聞が社説で「東京五輪中止の決断を首相に求める」(26日)を書きました。五輪のスポンサー(協賛企業)の新聞社としては、初めて「中止」を表明し、海外でも関心をもって報道されています。
社説は「中止」でも、今後も「オフィシャル・パートナー(協賛企業)を務める。五輪に関わる事象を公正な視点で報道していく。オフィシャル . . . 本文を読む
開催中止をとまでか書かない
2021年5月13日
最新のNHKの世論調査では、菅政権の支持率は35%まで下がり、不支持率は43%に上がり、不支持率が支持率を上回りました。読売の調査でも、支持率が43%、不支持率が46%で逆転しています。
3月の支持率が9㌽も上昇(2月比、読売)した時、菅首相は上機嫌で「官邸執務室に入るや否や、『ほらみろ。こんな難しい時期に俺以外の誰も . . . 本文を読む
商業五輪の協賛企業となった新聞の限界
2021年5月9日
民主主義社会に不可欠な言論機関を自認しているメディア、特に新聞の東京五輪に対する論調は優柔不断です。開催国の言論機関であるからこそ五輪中止論を率先して提言すべきなのに逃げています。
「無理に開催すれば、ごたごたが続く。開催中止の決断のほうが菅政権にとって大きな政治的功績になる」と、主張したらよい。強行開催より、 . . . 本文を読む
失われる新聞の中立性
2020年12月18日
全国紙の中では、日経新聞はまともな新聞だと思ってきました。それが今週、無残に打ち破られました。記事と広告ともとれる企業広告・特集を満載する前代未聞の編集方針が異様です。新聞離れを自ら招いているのに等しく、日経の経営者に猛省を求めます。
一年以上、前からでしょうか。企業シンポジウムとか国際会議特集とか、やたらとシンポジウムも . . . 本文を読む
サンプリングを困難にした社会の分断
2020年11月13日
米大統領選は事前の世論調査では、バイデン氏の圧勝という予想でした。それがトランプ氏の猛烈な追い上げで、大接戦に持ち込まれ、「世論調査も大統領選の敗者」とい批判が高まっています。
前回の16年の大統領選では、多くの世論調査「クリントン氏勝利」が見事に外れました。その結果を踏まえ、調査方法を改善したはずなのに、「 . . . 本文を読む
再編や統合に見向きもしない
2020年10月23日
地方の人口減、高齢化、地域経済の低迷、ゼロ金利などで、地方銀行の経営が厳しくなり、菅政権は地銀再編に向け、環境作りを始めました。地銀より地方紙はもっと深刻なのに、危機打開の動きは感じられません。
地方紙が消滅し、「取材空白地域」となった米国カリフォルニアの小都市で、住民不在の行政が加速したそうです。議員の報酬、市職員 . . . 本文を読む
伝達するだけのリポーター
2020年10月9日
日本学術会議の会員人事問題は、菅政権と会議側が全面対決する構図になっています。学者側も一枚岩でなく、見解の対立があるようです。かれらの言い分を聞いて、どちらに分があるのか判断するのは難しい。
こういう時こそ、新聞などが判断材料を発掘して提供すべきなのです。首相の会見では、発言の曖昧模糊とした部分を粘って追及しなかったのか . . . 本文を読む
倫理より生活重視が社会の空気
2020年9月22日
菅内閣に対する支持率が予想を上回る高さに達し、世論調査では74%(日経、読売新聞)を記録しました。朝日は65%、毎日64%と、どの調査でも高く、「なぜだろう」と、驚きの声も聞かれます。
清濁いろいろだった安倍長期政権の舞台裏を仕切ってきたのが、菅官房長官で、安倍氏とは一心同体でした。メディアでは、安倍批判が噴出していたのに、そ . . . 本文を読む
視野の狭い総裁選報道にも落胆
2020年9月13日
自民党総裁選に立候補した3氏が日本記者クラブ主催の討論会に臨み、14日の議員総会の投開票の結果を待つことになりました。政策発表、政策討論を経て、各議員らが投票して、新総裁を決めるのが民主主義のプロセスのはずです。その順序が逆さまですから、高揚感のない展開です。
肝心の政策構想の発表、政策討論は後回しで、主要派閥の水面 . . . 本文を読む
最悪の危機ほど活気づく
2020年9月8日
「コロナ後の世界」(文春新書)の執筆者の1人であるピンカー・ハーバード大教授(進化心理学)は「ジャーナリズムはどんな日でも、地球で起きている最悪のことを選んで報道する。いいニュースはなかなか報道されない」と、指摘しています。
コロナ報道では特にそうでした。NHKのニュースはこの夏、連日「東京都の新たなコロナ感染者数は400人 . . . 本文を読む
ニュースの評価表示が不可欠
2020年7月16日
「何が本当か」「どちらが正しいのか」。メディアが流すニュースに接していると、こうした判断がつきかねるケースが増えています。メディアは情報を急いで流していればいい時代から、情報の評価を伴うニュースの伝達が不可欠な時代に変わりました。
米国では、SNSで投稿への監視機能を強化する姿勢に転換を始めています。「政治家や政治関係 . . . 本文を読む
紙とネットの連動に工夫を
2020年6月18日
コロナ対策に追われた通常国会が終わり、河井前法相・案里議員(自民)の逮捕で政局が波乱含みになり、小池氏の圧勝と思われる都知事選が始まります。節目の週を迎えた新聞メディアをみると、コロナ対策の三密自粛で、思うように取材ができないせいか、各紙とも似たような紙面です。
発行部数トップを強調する読売、「リーディング・ペーパー(主 . . . 本文を読む
独材がなく発表ものばかり
2020年4月25日
安倍首相、小池都知事らや厚労省が、「三密」を避けてくださいと、連呼しています。「密閉、密閉、密接」の三要素を禁止されて、深刻な影響を受けているのがメディア、それも新聞です。
収入源を断たれた人の購読停止による部数減、広告主の出広削減、販売店の折り込みチラシの激減という三重苦で新聞経営は大ピンチです。さらに . . . 本文を読む
メディアは騒ぐだけなのか
2020年4月20日
新型コロナ危機の重大な焦点は、「欧米に比べ異常に少ない日本の死者、感染者は今後、欧米並みに急増するのかどうか」「ウイルスは何者で、正体をあばけるのかどうか」でしょう。日本の新聞、テレビはネットにアップされる情報、解説、主張に完敗しています。
日本のメディアは、新聞記事もテレビのワイドショーも、感染者数の増加、外出自粛の街 . . . 本文を読む
明確な主張が必要な段階
2020年4月11日
コロナ危機のように、大人から子供まで、大企業から零細企業まで、医療から教育・保育まで、さらに世界全体に影響が及び、種々の主張や意見が飛び交うテーマは50年に1度、あるかないかでしょう。誤解や錯覚による解説・解釈も少なくなく、そういう時こそ新聞が世論形成に存在感を示してほしい。
日本においては、改正インフルエンザ対策特別措置 . . . 本文を読む