何もかも政府頼みだから危機が来る
2023年12月23日
政府は総額112兆円もの来年度予算案を決めました。2年連続で110兆円台を超え、6年連続で100兆円を超えることになりました。異次元金融緩和はやっと「出口の入り口」にたどり着いたようです。予算編成を見ていると、財政は先進国最悪の状態からの「脱出」、「出口」はまだまだ先です。
いつ起きても不思議ではない大震災が . . . 本文を読む
アベノミクスでぬるま湯に浸かった
23年12月17日
日銀は18、19日に金融政策決定会合を開き、10年以上続く大規模金融緩和(異次元緩和)政策の方向転換をさらにどう進めるか議論します。植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と発言(12月7日)した直後の会合です。「本当に本気なの」と注目されています。
安倍派の裏金疑惑で政局が大混乱しているので . . . 本文を読む
日本経済の国際的地位の低下も無視
2023年12月1日
黒田東彦・日銀前総裁が11月、日経新聞の人気コラム「私の履歴書」に登場し、驚かされました。「退任後、1年も経たないのに登場したのは異例すぎる」、「巨額の国債発行を日銀のファイナンス(大量購入)で助長したつけは大きい」、「円の通貨価値(ドル建て)が円安で下落し、日本経済の国際的な地位の低下を招いた」など、論点はたくさんありました。
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反対方向を向いている政府と日銀
2023年11月3日
日銀が金融政策決定会合で、長期金利の1・0%超えを容認することを決めました。7月に続く長短金利操作(YCC)の修正で、市場関係者は「徐々に異次元金融緩和の出口に向かう」とみています。
朝日新聞に1面トップのそで見出しが「また緩和修正」でした。まづいことをしているような印象を与える。よくない見出しです。「修正」の繰 . . . 本文を読む
エネルギー政策の主柱が脱炭素化では
2023年10月27日
イスラエルとイスラム組織ハマスが激突し、中東危機で世界が激震に襲われています。今年は第4次中東戦争を契機(1973年10月)とする第1次石油危機からちょうど50年あたりにます。石油危機が再現し、物価高騰、経済停滞が再来するのかが懸念されています。
第1次石油危機の時は、通産省(現経産省)はタイミングよくその . . . 本文を読む
日本窮乏化の為替政策との酷評
23年10月21日
岸田首相の経済政策が酷評を浴びています。内閣支持率が政権発足以来の最低を続け、衆参の補欠選挙(長崎、徳島・高知)の情勢も厳しく、焦った挙句、1年限りらしい所得減税(対象者は同じ金額の定額減税)をすることを表明しました。経済理論的にも矛盾だらけです。
物価上昇が続いている時に減税すれば、需要が刺激され、物価が上がる要因 . . . 本文を読む
危機は姿を変えて来襲
2023年10月13日
50年前の1973年10月、第4次中東戦争を契機とした世界的な石油危機が勃発しました。当時、通産省・資源エネルギー庁の担当官僚は連日連夜、情報収集、危機対応に追われ、それを伝える記者らも寝食を忘れる日々でした。記者クラブに在籍していた私もその1人でした。
戦後最大の経済危機と闘っているという意識から、危機対応の官僚と記者 . . . 本文を読む
異次元緩和策の「目的外使用」
2023年9月9日
円の実力(実質実効為替レート)は「50年ぶりの低水準」、円安と海外資源高で消費者物価は「40年ぶりの高騰」です。歴史的な異変と言えましょう。物価は11か月連続で3%超(政策支援をなくすと4%台)です。ガソリン価格まで円安で1㍑=180-190円で「15年ぶりの高値」です。
円安阻止のために、政策金利を上げていくべきな . . . 本文を読む
原発回帰に立ちふさがる難題
2023年8月10日(下)
(2) 防潮堤を甘くみた報い、福島原発事故で全て台無し
オイルショック当時は、官僚が力を発揮できた時代で、通産省、資源エネルギー庁の活躍で、日本の省エネルギーの経済構造への転換に成功し、経済成長率が高まっていく時代でした。それがオイルショックからざっと40年後の2011年3月、福島第一原発の事故で全てが台無しになりました。事故 . . . 本文を読む
原発回帰に立ちふさがる難題
2023年8月9日(中)
便乗値上げ分析の産業連関表をスクープ
当時の新聞の縮刷版をみると、「ついに石油割り当て立法」、「石油耐乏生活スタート、緊急対策決まる。暖房温度20度、テレビ、車自粛」、「灯油1缶288円。モノ不足、物価加速」などという見出しの記事が連日、第1面に載っています。
年が明けて1月、山下英明・事務次官が記者会見で「 . . . 本文を読む
原発回帰に立ちふさがる難問
2023年8月8日(上)
(1) 官僚の力、新聞の力があった頃の石油危機
(2) 防潮堤を甘くみた報いから原発事故起こす
(3) 脱炭素政策で原発回帰を目指すも課題山積
今年の10月は、第4次中東戦争を契機とする第1次オイルショック(1973年)から50年になります。私は当時、通産省の記者クラブに在籍し、石油危機に揺れる激動の時代を取材 . . . 本文を読む
物価高で国民の悲鳴が聞こえる
23年7月29日
日銀は28日、長期金利の上限を「0・5%」から「1・0%」に事実上、引き上げることを決めました。植田総裁は市場機能の低下という副作用を減らすための「金融政策の柔軟化」が狙いだと、記者会見で表現しました。日銀関係者にしか意味が分からない悪文の典型です。
新聞の社説は「これまで以上に丁寧な説明が求められる」(朝 . . . 本文を読む
日経のインタビューに登場した背景
2023年7月8日
日経新聞の一面に7日、内田・日銀副総裁が応じた不思議なインタビュー記事が載りました。10年以上にわたる長期の異次元金融緩和の修正(出口)を示唆したと受け取るしかない発言内容です。
日銀総裁のインタビューならともかく、単独インタビューとはいえ、副総裁の発言が一面で目立つように扱われ、さらに中面で紙面の半分以上を使っ . . . 本文を読む
円安と物価高で税収増を図る
2023年6月26日
円が1㌦=143円(26日現在)まで下落し、為替安もあり、5月の消費者物価は3・2%まで上がりました。9か月連続で3%を超え、政策効果(物価抑制の補助金政策)がなければ実質4・3%というインフレ状態です。引き締めを続けている米国の4%を上回ります。それなのに日銀は動きません。
メーカーは商品の容量を減らし、見かけの価 . . . 本文を読む
動かない植田総裁に催促の声
2023年6月13日
東京株式市場で週明けも勢いが止まらず、13日、株価はさらに上昇し、終値は580円高で3万3000円台でした。3万円を超えた頃から、外人投資家が主導するバブル発生との見方もあり、高値警戒感が急速に強まってきました。
それにもかかわらず、株価は3万1000円台、3万2000円台と上昇し、32年ぶりの高値を記録しました。年 . . . 本文を読む