新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

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蓮舫氏の国籍報道で気になる朝日の偏向

2017年07月20日 | 政治

 

ネットメディアに伝統メディア完敗

2017年7月20日

 民進党の蓮舫代表が戸籍謄本の一部などを開示して、日本国籍の選択宣言を済ませていると、記者会見で説明しました。二重国籍の是非、戸籍謄本の開示、公職選挙法違反の問題点などに対する朝日新聞の編集姿勢をみて、随分と偏った報道をすると思いました。


 蓮舫氏の二重国籍問題は、言論プラットフォームの「アゴラ」が一年ほど前から集中的に取り上げ、新聞、テレビなどの伝統メディアは当初はほどんと無視しました。もちろん、蓮舫氏自身も黙殺しようとしたと思われます。昨年9月以降、台湾国籍の放棄(9月)、日本国籍の選択宣言(10月)、そして今回の戸籍謄本の一部公開など、ずるずると土俵際に追いつめられ、敗北を認めたという展開になります。


 「アゴラ」を主宰する池田信夫氏、次々に新事実を発掘して寄稿を続けた八幡和郎氏(元通産官僚)らの全面的な勝利でしょう。外部からの情報提供もかなりあったと推測されます。伝統的メディアは「一部のネットサイトが騒いでいる程度だろう」と、軽くみていたと思われます。それがついに、蓮舫氏が資料6点を開示した翌19日の紙面では、朝日新聞は1面、3面、4面、34面にわたる大展開の報道です。蓮舫問題では伝統メディアも完敗したのです。


ネットによる調査報道の成功例


 朝日はもちろん、他紙もネット・メディアの健闘をほとんど報じていません。フェイクニュースの拡散、不正確な情報の媒体など、ネットメディアの問題点が次々に洗い出されています。その一方に、専門的な知識、情報を持った識者が調査報道のような形で大きな成果を上げるサイトの活躍が始まっているのも事実でしょう。伝統的メディアはそのことも報道すべきでしょう。


 蓮舫氏の二重国籍問題について朝日新聞は、相当、批判的、否定的に報じています。「出自にかかわる個人情報の開示に批判」、「戸籍開示、迷走する民進」、「戸籍開示に党内は賛否に割れる」、「悪影響を懸念する声」、「多様性社会を掲げた党が漂流」などなどです。


 識者のコメントは人選も内容も偏っています。「外国籍を持っていることに自分で気づくことが難しいことも多い。犯罪者のように言うのは間違い」(中大教授)はピントがあっていませんね。今回の場合、一年以上も前にネットで指摘され、蓮舫氏がどこまで真実を語るかの問題が問われてきたのです。「気づくことが難しい」は、見当外れの指摘です。


 「犯罪者のように言うのは・・」の指摘には絶句します。蓮舫氏が初当選した04年参院選の選挙公報には「85年に台湾から帰化」と記載されています。事実に反する記述で、公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)に当ります。3年の公訴時効が切れていますので、実際の法的な問題にはならないにしても、「政治家としてあるまじき行為」と、問題視されているところが問題なのです。だれも犯罪者扱いはしていないはずです。なんでこんな大げさなコメントを掲載したのでしょうか。


 国会議員については、公職選挙法は「日本国籍であること」を求めています。国会議員が選ぶ首相も当然、「日本国籍」でなければなりません。問題は外国籍持つ人を排除する規定はないことです。国籍問題の大きな法律上の欠陥で、本来なら法的な抜け道をふさいでおく必要があります。外交交渉にあたる、自衛隊の最高指揮官である首相が例えば、台湾籍を持っており、日台が対立するような時は、どちらの国につくのでしょうか。二重国籍は重大な問題なのです。


政治家であるからこその蓮舫問題


 一般市民ならともかく、野党第一党の党首は当然、選挙に勝ち、首相の座を目指す存在でしょう。その人物が長く台湾国籍を持ち、日本国籍を取得していなかったというのが今回の問題の本質です。しかも、いかにも日本国籍を取得しているような発言を繰り返し、説明が二転三転してきたのです。


 朝日は名城大の教授(憲法学)を紙面に登場させ、「(そういう人物が)首相や大臣ふさわしいかどうかは、有権者が投票する時に考える問題だ」と語らせました。蓮舫氏は自分の国籍情報をあいまいにしてきたのです。「有権者が考える問題だ」と、言われても、正しい情報がこれまで公開されてこなかったのです。これでは有権者な判断のしようがありません。


 朝日はさらに、「個人情報の開示を求めることは、出自による差別を禁じた憲法に趣旨に反する差別そのものである」と主張する市民団体の声を紹介しています。蓮舫氏の対応は今後、一般市民にも求められかねないことなると、大げさに解釈して、警鐘を鳴らしているのです。そんなことは求めていないのです。政治的な重責を担う人だから責任を問われたのです。


 日産のゴーン会長を始め、外国人経営者が増えています。外国人の役員、幹部社員も増えています。日本で活躍する外国人タレント、スポーツ選手も目立ちますね。一方、日本企業も海外進出し、海外の人たちと一緒に働く時代です。人種や国籍にこだわる時代ではありません。社会構造、経済構造も多様性を取り込んでいく必要があります。


 それと蓮舫氏の問題は次元が全く異なります。経済人ではなく政治家、それも首相を目指す野党第一党の党首、外交・通商交渉に臨み、自衛隊も指揮する首相を目指す政治家の問題です。朝日は一般的な出自の問題、戸籍開示の問題につなげて、否定的に論じようとする。その姿勢は偏向していると、考えます。


 




 






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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-07-21 18:12:59
記事に誤りがあります。蓮舫は1985年に日本国籍を取得しています。そもそも日本国籍を取得していなかったら戸籍も住民票も持てませんし選挙にも出馬できません。ですので、「その人物が長く台湾国籍を持ち、日本国籍を取得していなかったというのが今回の問題の本質です。しかも、いかにも日本国籍を取得しているような発言を繰り返し、説明が二転三転してきたのです。」との記載は明白な誤りです。正しくは「その人物が長く台湾国籍を持ち、日本国籍と台湾国籍の二重国籍状態だったというのが今回の問題の本質です。しかも、いかにも台湾国籍を放棄しているような発言を繰り返し、説明が二転三転してきたのです。」と修正するべきですね。なお、1985年に日本国籍を取得したのは帰化ではなく国籍法の改正によって22歳未満であれば父母両方の国籍を持てるようになったことに対する経過措置ですので、蓮舫は17歳で日本国籍と台湾国籍の両方を持ったということです。これは違法でもなんでもないのですが22歳を迎える前に国籍選択の手続きをしてなかったことが違法ということです。
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Unknown (Unknown)
2017-07-22 09:03:42
そして「台湾国籍も保持していた事を今までずっと認識していたかどうか」の証拠として「台湾パスポートを更新していたかどうか」「子供は台湾との二重国籍ではなかったか」が問われているのです。
返信する
事実確認が疎かですね (papillon)
2017-07-26 10:25:12
他の方もコメントされてますが、蓮舫さんは17歳のときに日本国籍を取得しています。昭和59年の国籍法第二条の改正に伴う経過措置により、日本国籍の母親を持つ蓮舫は届け出をすれば日本国籍を取得できたのです。その際に外国籍の離脱または国籍選択宣言は求められません。

あなたは『その人物が長く台湾国籍を持ち、日本国籍を取得していなかったというのが今回の問題の本質です。』などと書かれてますが、問題の所在を完全に見誤ってますね。批判のピントが合ってないのはあなたです。

国会議員議員選挙に立候補をする際には戸籍抄本の提出が求められます。もし蓮舫さんが日本国籍を持ってなかったなら立候補もできませから、日本国籍を持っていたことに疑いの余地はありません。この記事の記述によると、あなたは日本国籍を持たない外国人が日本の国会議員になれると思っていたことになりますが、この記事を書いていて変だと思わなかったのでしょうか?

まだあります。
蓮舫氏が初当選した04年参院選の選挙公報には「85年に台湾から帰化」ことが問題だとしていますが、ここでも問題を取り違えてます。

蓮舫さんは国籍法第二条の改正によって日本国籍を取得したことから考えると、厳密には、国籍法第四条に規定される「帰化」をしたのではありません。蓮舫さんの選挙公報に虚偽があったと批判されているのは、蓮舫さんが国籍法第四条に規定される「帰化」をしていないからです。
その批判に対して朝日新聞は、蓮舫さんのケースも「帰化」という言葉の一般的用法に含まれるとして反論しています。ところがあなたは蓮舫さんが日本国籍を持っていなかったと誤認していたのですから、この論争についても全く理解してなかったことになります。

まだあります。
あなたは「政治的な重責を担う人だから責任を問われたのです」と書いていますが、そうであるならなぜ安倍総理に対しても戸籍の開示を求めるないんですか?野党の一議員とは比較にならないほどの権力を持ち、重い責任を負っている安倍総理が重国籍でないか確認しなくていいんですか。

安倍総理に対して戸籍の公開を求めないのに、蓮舫の片親が外国人である蓮舫に対して戸籍の公開を求めるのは、これぞまさに血による差別じゃないですか。それがわからないのは、あなたが差別に無頓着なだけでしょう。

あなたのこの記事は、ほとんどガセネタと言ってもいいと思います。風車を怪物に見立てて突進するドン・キホーテさながらに滑稽です。あなたが本当に元新聞記者であり、新聞記者の肩書きでものを書いているなら、新聞記者としての職業倫理を尊重するはずです。即刻、訂正記事を書くべきでしょうね。
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